「影響力の武器」
について触れたので、この本の話を少し。
この本の中には
葬儀屋が遺族との交渉を有利に進めるヒントがたくさん書かれています。
新人の頃、純粋に勉強のためと思い名書と言われるこの本を読み込みました。
この本に書かれているテクニックを葬儀の打合せに応用したら・・・・というテーマで
この本に書かれているテクニックを葬儀の打合せに応用したら・・・・というテーマで
今でも付箋が100枚くらい貼ってあります。
本書を読まないとよく分からないと思いますが
たとえば付箋のメモ書きの一部を抜粋すると・・・
コントラストの原理・・・先に祭壇や棺などの高額商品を決めてもらう
返報性のルール・・・香典や供花を辞退する人に使う
ドアインザフェイス・・・もっとも高額な商品の説明から入る
ローボール・・・総額が確定したあとで言い忘れたフリをして必需品を販売する
コミットメントと一貫性・・・
故人のことを大切に思っているというコメントを冒頭で引き出す
見積書の一部を遺族に書かせる
(以下略)
で、当時そこまで読み込んでからこう思ったのです。
「このテクニックは絶対に使うまい。」
おそらくそう思った葬儀屋さんも何人かいるのでは。
なんで?、という方には
この本からの引用を載せておきます。
絶妙な聞き方の技術
あなたは誰かに操作されたいですか?
相手を操作して売るやり方は、長い目でみると、結局はうまくいきません。
「買い手の後悔」などといわれますが、ふと相手がわれに返ったときに、
何かだまされた印象を持ち不信感につながるからです。
これは何もセールスだけでなく、マネジメントでも同じです。
「部下を思い通りに動かす方法」なんていう本を読んでいる上司と、
本音で話をしたい部下はいるでしょうか?
あなた自身、相手に操作されたいですか?答えはNOでしょう。
自分がされたくないことは他人にしない、
というシンプルな理屈です。
ただその時
自分は葬儀が好きなのであってビジネスはあんまり好きじゃないんだな
ってことに気付いたのでした。
この時点で、資本主義社会で生きる自分の限界が見えてしまったという・・・
ただ前回も言ったように
別に安いものを売れと言っているわけではないのです。
「見積もりの金額を見たときは結構な金額だと思ったが、
葬儀を終えた今は十分納得が出来る」
以前自分が担当したお客様からのアンケートに書かれていたコメントです。
こういう売り手と買い手の幸福な関係ををずっと追い求めていきたいのです。
資本主義社会での価格は「供給者と需要者のバランス」で決まります。
供給者側である生産者や販売者が「いくらで売るか」、需要者である客が「いくらで買うか」を決めて、双方の希望が合致して価格が決まり自由価格が成立します。(高いと思えば買わなければ良い)
しかし、役所の中のコカコーラ自販機価格は、市民が使用する場所では120円、公務員しか利用できない場所では90円との差がありますが、市民は120円で納得して買い、公務員は120円では納得しない部分があります。
葬儀業界は廉価戦争により自由価格化が進みましたが、都内の民間火葬価格は「管理価格」、エンバーミングは「企業連合価格」であり、自由競争価格とは言えません。(本来は企業毎に価格設定があるはずであるが、何故か全ての企業が同一)
社会主義社会の中国の病院入口には、全ての医師の氏名と役職、専門分野、診察価格が公表されており、「患者さんが自ら担当医を選択」します。
日本では、経験20年の専門医でも研修終了直後の素人医でも「国の定めた統一価格(点数)」であり、医師選択権(命に係わる)が軽視されています。
富裕層や高官は「高いが経験や技術の伴った医師」を選択し、貧困層は「安いが経験や技量のない医師」を選択します。(いくらで医師を買うかを決める)
そのために、沿岸部等の富裕層の平均寿命は日本より高く、内陸部等の貧困層(農民、工民、商民、少数民族)は富裕層よりもはるかに早く死にます。
中国の葬儀は民政行政事業ですが日本の葬儀は民間企業の商行為でありサービス業です。
物理教師さんの場合は、7961-425-01に分類され、知識や技量、経験により「サービス料金加算」を取り入れるべきですが、個人技量評価をしない価格設定では客にとって「当たり外れ」が出やすくなるのでしょう。
prof様、
>物理教師さんの場合は、7961-425-01に分類され、
この区分って何のどういったカテゴリーなんでしょうか?
7961は総務省及び経産省における業態分類であり、7961が葬儀専門業者。(7963が冠婚葬祭互助会における葬儀部門)。
425-01は厚労省における従事者分類であり、その他のサービスの職業従事者であり、425(葬祭師、火葬係)における01(葬祭師)となります。
そのために、日本政府の分類では7961-425-01は、「生活関連サービス業、娯楽業におけるその他の生活関連サービス業の冠婚葬祭業の葬祭業に従事する、サービスの職業のその他のサービス業に従事する葬祭師または火葬係の中の葬祭師」となります。
全て、デジタル分類(管理しやすい)を行いますのでOSの様な分類と枝番号がつきます。
伊藤先生
エンバーミングは統一価格ではないですよ。
大手では10万円切るところもありますし、ご遺体の状況で変動するところもあります。搬送料込みで価格提示してるとこもありますよー。
エンバーミングは3時間12万円との厄介な基準を造った部分があり、技術や能力を反映しない問題があります。
例えば、能力のあるA氏と能力がないB氏が居た場合。
A氏は2時間で最高の処置を行い、依頼者から高評価を得る。
一方では、B氏は4時間かかり出来の悪い処置を行い、依頼者から低評価を得る。
しかし、処置料金はA氏が安くB氏が高くなる。
これが、能力(知識や技術、経験や結果)を評価しない価格体系であり、能力を評価しないシステムになり「人が育たなくなる因子」となります。
葬儀分野はサービス業である以上は、担当者の能力評価が価格に反映しなければ、従事者評価は上がりません。(売り上げ評価は正しいとは思えない)
また、遺体状況で料金が変動するのも、評価する者のレベル問題であり(腐敗を簡単と考える立場と、腐敗は困難と考えて加算する立場)、これらは競争価格ではありません。(むしろ加算価格設定)
能力のある者が行う場合は高く、能力ない物が行う場合は安い事が「サービス業の基本」であり、提供するサービス内容(出来や評価)が反映されなければマイスターが育成されません。
prof様、
解説ありがとうございます。
うーん。
現役として日々思うのは
ご遺体の状態を一律に評価できないのだから、仕上がりやエンバーマーの技術的な能力評価は無意味だと思ってます。
知識はペーパーで計れますが
前述の通り結果を一律に評価できない。
ご遺族や担当に聞いたところで
本心を語るのは極一部であり
それを基にした評価も残酷すぎます。
辞める人間も大勢居ますが
(まぁ辞める人間の中身の問題もありますが)
残る人間は技術を高めあっており
先日はキャリア10年前後組が中心となり組織された技術委員会主催の技術発表会が行われました。
中身はまぁ推して知るべし、でしたが学会形式も視野に入れての今後の運営に希望がありますね
エソバソマー様、
>技術委員会主催の技術発表会
こういうのもあるのですね。
今年発表の中国で「暴利を貪る職業」の第1位は不動産業者。(未だに バブル傾向が有るので)
第3位に葬儀業が入り(5年ほど前から傾向が有ったが)、対策を講じなければいけない状態と成っています。(取りあえず500人位逮捕か?)
各行政の民政局が担当するために、「1行政区1葬儀場が基本」であり、人口500万人に1葬儀場も珍しくなく、「営業活動無しの独占」であり競争原理は存在せず、交渉も無しで言い値。(行政の認めた価格)
各自治体民政局葬儀担当者は「美味しい仕事」(賄賂が多い)として有名であり、葬儀現場でも「かなり貰えるシステム」。
PFIや民間参入(一部ROC)を認めた弊害でもあり、「伊勢崎市火葬場事件」的な部分もあります。
中央政府の民政部管理学院教授は「厳しい管理が必要」と公言しており、この流れが出てくるでしょう。
急遽、今日から会議となり行きますが、「新しい薬剤の実験」も行えるのでタイミング的には良い時期。(3か月、6か月単位での観察が出来る季節)
交渉に関しては、有利に運べば「批判が増える様」です。
prof様、
んー、どこも一緒なんですね。
あくまでイメージですけど
結構病院とか行政とか癒着が多そうです。
葬儀場は斎場、火葬場、法医解剖施設が一体ですので、更に難しい部分があります。
斎場スタッフは葬儀学部卒が増加し他学部出身者も含めて改革は進みましたが、火葬部門は改革が出来ず「ヤクザの様な人達」が沢山います。
火葬部門も犯罪や不正の温床となっている所もあり、なかなかコテ入れが出来ません。
国では「火葬強制化」を進めていますが、土葬を望む人達も多く存在し、近親者が死亡した場合は「病院や葬儀場から他人の遺体を買って、代わりに火葬」を行い、身代わり火葬後の遺骨は受け取り拒否。
これらを火葬場職員が担当して、1体当たり5~10万円を貰います。(日本の価値で20~50万円)
そして、本当の遺体は非合法ですが土葬をします。
今日は公立の公園に許可を得て「埋めました」。(新宿御苑と同じ方法)
環境負荷や薬剤汚染を調べてみます。
公園管理部では「植物育成効果」を確認します。
prof様、
>近親者が死亡した場合は「病院や葬儀場から他人の遺体を買って、代わりに火葬」を行い、身代わり火葬後の遺骨は受け取り拒否。
これらを火葬場職員が担当して、1体当たり5~10万円を貰います。
なんかすごいことになってますね。そうまでして土葬したいですかねー。
本年9月1日付けで国務院から、かなりの数の改正法令が出ましたが、先週末に民政部から葬儀・埋葬に関する改正が公示され、週末には民生部長(厚生大臣相当)が国営放送で発表しました。
1、葬儀は無料
2、埋葬や墓地は無料
行き過ぎたPFIや民間開放による価格高騰化や営利最優先の弊害、綱紀粛正と従事者の質の向上を基本対策と考えて、「腐ったみかん、腐りかけたみかん、腐る可能性のあるみかん」は廃棄処分とします。
1に関しては「葬儀及び搬送、火葬は基本的に無料」としますが、高額料金支払い能力のある富裕層には「優良葬儀を用意」して、現在よりも高いサービスを提供する事となります。(質を上げると通知が出た)
2に関しては、現在行われている無料の散骨、樹木葬、花葬、合祀を推奨して、1と同様に高額料金支払い能力のある富裕層には「墓地と墓石の選択」も残します。
国民の多くが無料の葬儀と埋葬を希望すると思われますが、富裕層向きのサービスは「追及する事」となります。
prof様
>国営放送で発表
これがすごいですね。
一大事っことなんでしょうね。