フォトブック(写真集)の作り方をていねいに解説してみました




フォトブック制作のススメ

亡くなった母の写真を編集して
フォトブック(写真集)を作って
伯母(母の姉)にプレゼントする
ということを先日行いました。

その体験記です。
フォトブック制作に興味のある方のお役に立てればと思います。

フォトブックとは

さてフォトブックとは
デジカメや、スキャナーで取り込んだデジタル画像データを集めて
ネットや店舗で編集して、それを一冊の写真集にしたものです。
フォトブック

昔はフィルムで撮って現像して写真にしていたため必然的にアルバムを作ってまとめておく必要がありました。
しかし現在ではデジタル画像データはPC,スマートフォン、クラウドなどいろんな閲覧方法が可能になったため
若い人の間では必ずしもアルバムは必要ではなくなりました。

しかし年配の方にとってデジタルデータの閲覧はなかなか難しいと思います。
そういうわけで手に取れるフォトブック。

フォトブックのメリット

そこで葬儀屋さんの私は思ったのですが、
フォトブックってお葬式の時の展示物に最適なのでは!?

お葬式の時に展示物を飾るということが定着したため
確かに今でもアルバムを飾って参列者に見てもらう、ということを行っています。
しかし大抵そのアルバムは昔の、フエルアルバムみたいなやつ。
ベリベリベリっていうビニールシートを写真上に貼って保護するタイプが多いですね。

もちろんそれでもいいのですが、これをフォトアルバムにしておくと

  • 特に見てほしい写真をピックアップできる
  • 複製できるので、複数の人が同時に目を通せる
  • 食事の席の話題作りに使える
  • 複製できるので、欲しいと言われたら後日プレゼントできる

というメリットがあると思うのです。

若い人達はデジタルデータの受け渡しをすればいいだけですが
お葬式に参列する高齢者にとってはそうはいきません。
フォトブックは結構喜ばれるのではないでしょうか。

というわけで、実体験に基づいたフォトブックの作り方をこれから解説していきます。
(もちろんお葬式用だけではなく普通に作りたい方にも役に立ちます)

あ、その前に。
お葬式で使うためにフォトブックを亡くなる前に作るのって気が引ける、という方もいるかもしれません。
とはいえ亡くなってからお葬式まで数日しかなく、結局間に合わないのではとご心配の方。
大丈夫です。実は数時間で作成できるタイプもあります。
(詳しくはこちらの記事:フォトブック(写真集)を作ってみた その日に作れるフォトブック
そのためお亡くなりになってから作成を初めても間に合うことを事前に申し上げておきます。

フォトブックの作り方

さて通常のフォトブックの作り方ですが
①ネット上で編集して申し込む
②実店舗にデータを持ち込む
の二通りがあります。

この記事の読者の方は
・ネットが使える
・ネットで編集する方が自分好みに作れて便利ということで
①のネットでの使い方を説明したいと思います。
写真の取り込み→業社選び→編集→発注・受取り
という流れです。

写真をスキャナーで取り込む

ではまず
古い写真をスキャナーで取り込んでデジタルデータ化します。

私が使用したスキャナーは
キヤノンのMG3130という機種。

プリンターとスキャナーの機能を持った複合機です。
安いエントリーモデルなので、性能としてどうかなと思ったのですが
全く問題ありませんでした。
近年の技術の進歩は素晴らしい。


①付属のアプリケーションソフトを立ちあげる

後で細かい修正を加えたいので
おまかせモードではなく
スキャナードライバーを立ちあげます。

スキャナー1


②まず読み取り面に写真を置く。

写真がバラバラなら、適当に置いても
それぞれ別の写真として認識してくれます。
昔の写真は台紙にそのまま貼付けられている場合もあるので
その場合は台紙ごと読み取り面に載せて、
プレビュー画面でそれぞれこの領域が一枚の写真というように
指定してやります。

それから古い写真同士が張り付いて無理にはがすと
写真がダメになってしまいそう、というケースが5組ほどありました。
ネットで探したところぬるま湯につけてそっとはがすのが良いことが判明。

成功しました。


③読み取り設定を行う

そしてこれが読み取り設定。
スキャナー3

解像度ですがもとの写真のサイズでフォトブック化するのなら
300dpi以上にするのは無意味です。
私の場合2倍くらいに拡大する可能性と、データとして永久保存するため
という2点の理由で600dpiに設定しました。

輪郭強調・・・
これは古い写真の場合有効でした。
感覚的にキレイに見えます。

モアレ低減・ごみ傷低減・粒状感低減・・・
これはあんまり効果があったとは思えないのですが
気休め程度にONにしました。

退色補正・・・
これは古いカラー写真の時に効果を発揮
色褪せたカラー写真を
結構きれいに復元してくれます。
ちょっと感動。
セピア色になってしまったモノクロ写真にも効果があるのですが
モノクロ写真はセピア色の方が味があるのでこの補正をかけない方が
個人的には良いと思います。

逆光補正・・・
これはその名の通り元の写真が逆光の場合のみ
効果を発揮します。

④プレビューで確認
プレビューを行って、ちゃんと写真の領域が指定されているか

取り込み設定の効果が適切か
を確認します。

⑤(本番の)スキャン開始
スキャナー2


⑥データを保存

あとは写真の名前を決めたら保存開始。
自動的にファイル名に「1」から自動的に番号が割り振られたJPEGデータのできあがりです。
これでデータ化完了

注意
ここで注意。
最終的にフォトブックの自動編集機能(アルバムエディター)を使う場合には
時系列(もしくは並べたい順番)で写真を取り込んでいきましょう。
後述する自動編集ソフトはデジカメで撮った写真の場合、撮影日情報の順番に自動で写真を並べてくれるのですが
撮影日のない、スキャナーから取り込んだ写真の場合は取り込んだ日時(データの作成日時)順に並べられてしまうからです。
もし後から変更したい場合は
Windowsのフォトギャラリーを使用する方法をおすすめします。
写真を撮った日付と時刻を変更する
日時変更操作
↑赤い四角で囲ったところ(Windows7の場合)の
数値を変えます。

業社選び

業社選びに一番迷いました。
主要なところでも10社以上あり、はて、どれにすればいいやら・・・

もちろん制作物のクオリティや価格も重要ですが
最優先すべきは情報管理能力に対する信頼性です。
なぜなら申し込む際には会員登録が必要なので個人情報を打ち込んで
さらに画像を何枚も相手のサーバーにアップロードします。
これが流出の可能性がある、ということでは怖くて利用できません。

選んだ基準

ですから私は安さより信頼性を優先して業者を選びました。
そこで最終的に残ったのはこの三社のサービス。
1.富士フイルムのフォトブック制作サービス
言わずと知れた天下の富士フイルムの提供するサービスです。
2.アスカネットのマイブック
一般の方にはなじみが薄いかもしれませんが、アスカネットは葬儀屋さんの間では有名。
遺影写真の編集、印刷分野の大手です。上場もしています。
3.カメラのキタムラのフォトブック
近所にあるから知っている、という方も多そうですね。
さらにアップルの修理窓口にもなっていることから、データの管理もしっかりしているのでは、と考えました。
このレベルならどこを選んでも問題ないでしょう。

さてここからさらに業者を絞り込むわけですが、
私の求めるフォトブックの条件は以下の通りでした。
①大量の枚数の写真(約350枚)を掲載できる。
母の写真がそれくらいあったので。
②解像度や写真の縦横に合わせてページ毎にレイアウトや掲載枚数を変えることができる。
ある程度写真のレイアウトを編集したかったので。
③一週間~10日以内に受け取れる。
本当はすぐがいいんですが。
④ソフトカバーで広げておくとフラットになるタイプ
なぜこの条件かというと非力なお年寄りでも見やすいからです。
厚手でブックタイプだと、ほっとくと閉じようとするのでずっと手で持って開いておかなければなりません。

フォトブックの作成方法

ネットを使ったフォトブックの作成方法って実は2通りあります。

A 写真を業者が用意したクラウドにアップロードする→クラウド上で編集する→発注
B 専用ソフトをPCにダウンロードする→ソフトを使ってPC上で編集→編集したらまとめて写真とレイアウトデータを業者のクラウドにアップロード→発注
という方法です。

両方試してみましたがAの方法には大きな欠点が二つ
・反応が遅くてイライラする
・データ保管に期限(約1ヶ月ほど)がある
よってBの方法がおすすめです。
ここでBの方法が使えないカメラのキタムラが脱落です。
(正確に言うとスマホやタブレット用の自動編集ソフトはあるのですが、編集はPCを使えないとキツいです。)

次にBの方法ですが
アスカネットはMyBookEditor4というソフトをダウンロードして作成する仕組みです。
フジフィルムはイヤーアルバムエディターというソフトをダウンロードします。

アスカネットのMyBookEditor4の特徴は、台紙の背景や差し込むイラストなど細部まで自分がデザインできること
フジフィルムモールのイヤーアルバムエディターはピントの合い方やサイズなどから自動で5分ほどで自動レイアウトしてくれること。

今回は350枚の写真があったため全て細かく編集するのは大変そうだったので
フジフィルムのイヤーアルバムエディターを使用する事にしました。
フジフィルムのイヤーアルバムエディターは自動で1ページに複数枚の写真を並べてくれますが
アスカネットの MyBookEditor4は1ページに写真1枚の処理しかできないというのが決断の決め手になりました。
さらにその当時、割引きキャンペーンをやっていたのもプラスでした。

フォトブック業界に対する苦言

途中ですがフォトブック業界に対する苦言を呈しておきます。

「商品数多すぎ!」

商品バリエーション増やしすぎて消費者には違いがよく分かりません。
消費者はどれがベストか必ず迷うと思います。
ジャムの法則と言われるマーケティング理論でも言われているように
商品数を増やし過ぎると購買意欲は下がります。
えーいもうどれにしたらいいか選べないからフォトブックなんて作らなくていいや!
という人がいるかもしれません。

この辺りをフォトブック業界ももっと考えて欲しいと思います。

A簡単な操作ですぐ作れる
B期間はかかるが細かい編集ができる
この二種類にさらに二種類の値段の高低を作って
四種類の商品のマトリクスにしちゃえばいいんじゃないでしょうか?

ただしもしそこまで自分で決めたいなら最初から時間はかかるが
個別にレイアウトできるプログラムを選べば良い、ということになのでしょう。
このあたりは簡便さを取るか、満足度を取るか、というトレードオフになっています。

レイアウトデータを作成

さて前述したように
フジフィルムのイヤーアルバムエディターを使って
フォトブックのレイアウトデータを作成します。

それから途中で総ページは80にする予定だったが
100ページに切り替える、ということもできます。
ただし一度設定したレイアウトはやり直しになりますが・・・

②総ページ数を何ページにするか決めて
イヤーアルバムエディターにPC内の写真データを読み込ませる。

③イヤーアルバムエディターのアルゴリズム(演算方法)によって
ピントや画面の大きさにもとづき、適切に見開きページ毎に写真が振り分けられる・・・
のですが個人的には70点のできかな。
一応及第点ではありますが、若干不満が残ります。
おそらくGoogleが作ればさらにいいものができたはず。
フォトブック2
不満だったのはこういうこと。
たとえば上記の画像を見て下さい。
この見開きには3枚の「合格」写真が表示されています。
そして下段には「ボツ」になった写真が4枚表記されています。
(最初の「合格」と「ボツ」を決めたのはイヤーアルバムエディターのアルゴリズムです)
この合格3枚のレイアウトや位置関係を変更することはできます。
さらに「ボツ」と「合格」の写真をそれぞれ入れ換えることもできます。
しかし合格の3枚をそのままにして「ボツ」のうちどれか1枚を加え4枚を「合格」させることはできないのです。
つまりイヤーアルバムエディターが7枚中この見開きページには写真3枚まで、と決めたら
それを4枚にすることはできません。
これが不満。

発注

レイアウトが決まったら発注です。

あと写真にコメントを入れることもできます。
私は使いませんでしたが。

その後完成まで約10日。
あとは待つだけです。
完成予定日はアップロード時に判明します。
フォトブック注文

 

受け取り

受け取り方法はコンビニか自宅配送が選べます。
不在で空振りしたくなかったのと、自宅配送は配送料が余計かかるので
コンビニ受け取りにしました。
意外だったのは発注の段階でクレジット決済だとばっかり思っていたのですが
コンビニで商品引き替えでの支払いだったこと。
無事受け取ることができました。

仕上がりには満足です。
まず自宅のプリンターで写真用印刷用紙を使ったものとは
クオリティが全く違います。
それからページをめくりながら見るのは
モニターでスライドショーを見るのと比べると
同じ写真でも印象が全くが違います。
おそらく手で触れらることによるモノとしての存在感なのだと思います。

作って良かったです。

後日伯母にフォトブックをプレゼントしました。
「ずいぶんお金かかったやろ?」と恐縮されました。
お金はそれほどでもなかったです。
写真の取り込みはちょっと手間がかかりましたけど。
そして自分にとってある程度の手間をかけたということが大事なのです。

以上が私のフォトブック制作の顛末(てんまつ)です。

(追記)その日に作れるフォトブック

このシリーズの冒頭で申し上げたお葬式用のディスプレイ用に
その日に作れるフォトブック。
カメラのキタムラが扱っています。

フォトブックリング
フォトブックリング
<上記リンク先より>

店頭に写真データの入った記憶媒体を持参し
店頭のモニター見ながら30分程度作成するというもの。
最大35ページまでで、
15ページまでのものなら1,296円(2018年6月現在)です。

ネットで作成して当日に店舗で受け取りも可能。
お店が混雑している可能性もあるので
ネットで申込できる人はこちらの方がいいかも。

注意点は片面印刷しかできないこと。
両面印刷ができないので見開きで見るということはできません。

本人が亡くなってからお葬式にフォトブックを飾りたいと思った方は
このサービスをご利用ください。











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