作年末「週プレ」こと週刊プレイボーイの取材をお受けしたのですが
週プレ公式アカウントからいいねをいただきました。「家にあると大変」なんて言ってしまって申し訳ありません。書斎の本棚に並べたいと思います。 https://t.co/4RjIgstMPo pic.twitter.com/xyxtkl2R5f
— 考える葬儀屋さん 著書「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」扶桑社から絶賛発売中 (@kangaerusougiya) December 25, 2020
取材の際、お話しさせていただいたライターの橋本愛喜さんの著作を、今回ご紹介いたします。
橋本さんは、元女性トラックドライバーという経歴をお持ちです。
御実家の工場を継ぐことになったことがきっかけで、いきなり大型トラック免許を取得することに。
その後の悪戦苦闘の日々が、描かれます。
私のトラック体験
それで私が思い出すのが、大学出て葬儀屋さんに就職した1年目のこと。
当時は、2トンの平ボディトラックに祭壇積んで、ロープで縛って、シートを被せて、マニュアルで運転していました。
今の葬儀業界は花祭壇が主流ですが、当時(二十数年前)は白木祭壇が主流だったので、とにかく外現場の荷物が多かったのですよ。
なにしろそれまでハンドル握ったのは、前年の免許合宿のときだけ。都心の土地勘も全く無い。23区の位置関係もよく分かっていない。もちろんカーナビなんて無い。
今でも覚えていますが、初めてトラックで高速道路に乗って現場に到着したとき、ハンドルを握った右手が完全に硬直してしまっていたので、引きはがすようにして車を降りた記憶があります。
現場では、いつも憔悴しきった状態で祭壇の設営を始めるはめに。当然動きは悪く、先輩から罵声を浴びせられるという毎日でした。
あとイヤだったのは、幹線道路の立体交差の上り坂での渋滞。
一度止まってしまうと坂道発進をしないといけません。都心部は、高級車が後ろに止まっていることが多く、ギアつなぐのをミスって後ろにさがってしまうのは厳禁。
そのため、前の車が動き出して距離が10メートル以上空いたのを確認してから、マリオカートみたいなスタートダッシュをしていました。
こんな状態にもかかわらず私、運行管理者の資格を持っています。運行管理者とは、法律に基づいて事業用自動車の運行の安全を確保するための業務を行う人のことです。
営業所がある程度の台数の車を扱う規模になると、運行管理者を置かねばならないと法律で決まっています。
当然試験に合格しないといけません。
とはいえ、葬儀屋さんの日頃の業務は忙しいし、勉強が苦手な人が多い。そこで大卒の私に、白羽の矢が立ったというわけです。
ちなみに本番は自己採点で30問中29問正解(合格ラインは18問)でした。
うん、まぁ、余裕ッスよ。
もちろん、その後もしばらくは、営業所で一番危険な運転をしていました。
トラック業界と葬儀業界の共通点
さてこの本で描かれるトラック業界の実態って、葬儀業界と結構共通点が多いと感じました。
- 過酷な労働環境(労働時間が不規則、長時間労働、運転以外の積み卸し)
- 低賃金(かつては高収入プレーヤーもいたが給与は下がり続けている)
- 男社会(肉体労働、セクハラ多し)
- IT化に遅れている(ファックスのやりとりが多い)
そして
- 世の中になくてはならない仕事(エッセンシャルワーカー)
というところですね。
車体の大きさから、いつも威圧的に感じていたトラックとその運転手さんですが、この本を読んだ後は見方がガラッと変わります。
確かによく見かける割には、菅原文太の時代から情報がアップデートされていなかった、私のような人におすすめです!
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