両親を写した8ミリフィルムが見れるようになった話

亡くなった母のフォトブックを作ったり、二十数年前のマイクロカセットから父の声を取り出そうとしたり、ボロボロになった両親の写真の復元したりという顛末を、以前記事にしましたが、
今回は実家で発見した8ミリフィルムを動画データ化してPCで見れるようにした話です。
同じことを検討中の方にお役に立てればと思い、この記事を書きました。

フォトブック(写真集)の作り方をていねいに解説してみました

父の声を探して

ボロボロになった、両親の写真を復元した話

私の両親は早くに亡くなっているので、まだ見聞きしていない両親の記録を手に入れたいという願望が自分の中にあります。

妹は定期的に、今は空き家となった実家を清掃していますが、今回8ミリフィルムを2本見つけてきました。
1本には結婚式というメモ書きがあり、もう1本には何も書かれていません。
おそらく1970年頃撮影されたものと思われます。

8ミリフィルムとは

今の若い方は8ミリフィルムといってもピンとこないと思いますので、簡単に解説しておきます。

もしかすると1980年代に普及したハンディカムなどの8ミリビデオと間違えている方もいらっしゃるかもしれません。

↑これではなくて、1970年代頃まで民間で撮影に使用されていた幅8ミリのフィルムのことを指します。

映画「桐島部活辞めるってよ」で映画部の主人公が持っているのが、8ミリフィルムのカメラです。

このカメラに内蔵されている幅8ミリのオープンリール状のフィルムを映写機にセットして、プロジェクターのように動画を見ます。

↑こちらの方の動画が参考になります。
年配の映画監督のプロフィールに、「学生時代に8ミリで映画製作をした」とよく書かれていますが、それはこの8ミリフィルムを指しています。

8ミリフィルムをデジタル化しました

今から50年前が全盛期だったので、当然私は8ミリフィルムの映写機を持っていません。
ビデオテープをデジタル動画に変換するサービスがあるのだから、8ミリフィルも同様のサービスがどこかにあるはず、と考えて探しました。

候補を3社見つけました。

カメラのキタムラ
富士フィルム
個人のカメラ屋さん

どのメーカーも、リールに巻き取られたフィルムの分量、つまり撮影時間で金額が変わってきます。どこも料金に大きな違いはありません。
カメラのキタムラは、サイト情報のあっさり感から想像するに、明らかに片手間にやっているようです。もしかすると外部に委託するのかもしれません。
富士フイルムは大手の安心感はあったのですが、個人のカメラ屋さんが最もサイト情報が多く、いろんな修正作業をやってくれそうなので最終的にここに決めました。

まず先方とメールでやり取りした後、フィルムを2本送りました。その際、もう1本はフィルムの内容がわからないので確認して教えて欲しいと伝えました。
そもそもこの段階では、フィルムが劣化してちゃんと見れない可能性も覚悟していました。

3日ほど経って、ワンシーンを切り取った静止画が送られてきました。

メモ書きのない8ミリフィルムには、どうやら独身時代の母が地元のミスコンテストで優勝した時の動画が入っているようです。
是非そのフィルムもデータ化してほしいと伝えました。

両親の結婚式とミスコンの画像は、アルバムの写真で見たことがありますが、当然動画を見たことがありません。
今回フィルムが見つかるまでは、その動画が存在することすら知りませんでした。

期待は高まります。

それからさらに、一週間後、出来上がったという報告がありました。
富士フィルムのサイトには1ヶ月ほど時間がかかると書かれていましたが、今回の依頼先には10日間で対応してもらったことになります。

DVDの送付前に、オンラインからmp4のデータをダウンロードして動画を確認することができました。
内容は母のミスコンテストの動画が約5分、結婚式の動画も5分ほどでした。
音声も無く画像も粗いですが、特に劣化したと思われる箇所はありません。
費用は作業費とDVD2本で8,250円でした。

結婚式の動画を一部アップロードします。

動画を観たときの感情はうまく言葉にすることができません。
編曲家の松任谷正隆さんが、同様の体験をエッセイに書いていたのを以前読んだことがあります。
趣味人のおじさんが自分の子供の頃を8ミリフィルムで撮ってくれていたのを発見して、再生した時の気持ちを「言葉にできない」と書いていたと記憶します。

私も全く同じ気持ちです。
強いて言えばうれしさと寂しさがごちゃまぜになった気持ちです。
微笑みたいのか、泣きたいのか自分でもよくわからないです。

妹は大変喜んでくれました。

前回の写真の復元には失敗しましたが、今回の動画が成功して本当に良かったです。