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「葬式は、要らない」島田裕巳氏のインタビューを読んで




「葬式は、要らない」をお書きになった島田裕巳氏のインタビュー
東洋経済のホームページに掲載されたので
前回の記事(「葬式は、要らない」島田 裕巳 の誤りを指摘する
の続きを書いてみました。

細かいつっこみどころは飛ばして本題へ

――葬祭業が機敏に動いているといわれます。

産業としての葬祭業というのは時代の変化への対応がつくづく早いと思う。
自分たちに入ってくるおカネが少なくなるに決まっている、
家族葬でも直葬でも積極的に取り入れる。
そこは割り切りが結構早くて、あまり躊躇がない。
普通の産業なら対象がこんなに変わろうとしたら抵抗すると思うが、
競争が厳しいのか、すぐに時流に乗ろうとする。
それが加速している要因でもある。

そんなに葬祭業は機敏じゃないです。

というか、かなり鈍重(^^;)

そもそも直葬は、新開発した商品ではなく、ずっと前からどの葬儀社にもあり、
直葬を選ぶ消費者が増えただけです。
家族葬も参列者の減少により変動費(返礼品・料理)が減少し始めて、
結果的に葬儀費用が低下したのです。
ただ従来の密葬の呼び方を、消費者に分かり易いように
「家族葬」に変えただけ。

鈍重な証拠に、消費者は情報を欲しがっているのに、
まだホームページなどによる葬儀社の情報発信は貧弱です。
(参照ページ:葬儀社のホームページは質量ともに不十分である
そして葬儀費用以外に十分な差別化を打ち出すことに成功していません。
それが葬儀が低価格化している要因。
(参照ページ:下落し続ける葬儀費用の構造分析

結局この数年は外的要因で葬儀費用が下がったのに過ぎないのです。

人材の質は向上しつつありますが、
これは大手葬儀社を中心に人材教育を重点的に行い、
10年くらいかけてやっと今のレベルに持ってきたのです。
「葬儀屋のレベルは低い」という世間の評価を
それまで葬儀業界はずっとほったらかしにしていたわけです。
決して葬儀社の「時代の変化への対応がつくづく早い」わけではないと思います。

・一般には残される人たちに対して自分はこういうものを望むと示しておく。お任せなのか、ここだけは譲れないのか、話しておく。
・しきたりの世界ではなくて、個人化したらどうか。故人の希望となれば、家族だって尊重する。今の時代はしきたりに頼れるわけではなく、自分でやっていかなければならない。

島田 裕巳氏が「葬式は、要らない」で述べている、
今の葬送儀礼のやり方を変えていこうという考え方に異論はありません。
むしろ賛成です。

しかし、前回の記事でも触れましたが、「葬式は、要らない」の中での
島田 裕巳氏の主張は宗教学者としてちょっと言葉が足りないというか、
ちゃんと結論をだしていないと思うのです。

しきたりは確かに煩(わずら)わしいものです。
しかし一方では、遺族の弔いたいという気持ちを処理するために、
形を変えて受け継がれてきた智恵としての機能があると思います。
宗教儀礼を含めたしきたりを信じることができた時代は、
それがグリーフワークの役目を果たしてきたのだと思います。

島田 裕巳氏は、しきたりを否定した次の代わりになるものは何か
を具体的に示す必要があるのではないでしょうか。
みんながみんな
しきたりは不要だから「直葬」で問題解決、
ってわけでもないでしょう。
(もちろん直葬だけでも、十分に弔うことができた、
と感じている遺族の方もたくさん見てきましたが)

島田 裕巳氏はちょっと葬儀現場の現実を軽く見ているきらいがあると思います。

葬儀の現場に身を置けば、「しきたり」を拒否して「個人化」することに、
旅立つ故人や遺族が
どれだけ多大なエネルギーを消費しなければならないか
が分かるはずです。
故人の希望を押し通すことが、
残された家族にとって重荷になるケースもたくさん見てきました。

葬儀の打合せの際、
「父が生前、坊主に金を払うのがイヤと言っていたので、
葬儀は無宗教葬でやりたいんですけど」
とおっしゃる遺族の方がいます。
故人と遺族の希望を最大限かなえるため、我々葬儀屋は動きます。

しかし
・菩提寺との今後の関係をどうするのか
・墓はどうするのか
・具体的にどのような内容の無宗教葬にするのか
・どうやって(既存の仏教を信じる)親戚を説得するのか
・その方法で関係者のグリーフワークはうまくいくのか
など解決しなければならない現実的な問題が山積みです。

結局、故人の遺志を生かすことができないケースがままあります。

葬式仏教を否定して自分自身の葬儀を「個性化」するためには
自分自身の宗教観、遺族の宗教観、社会的関係を
自分でコントロールするための、強い意志と理論武装が必要になります。

だから
自分の葬儀は菩提寺との関係を絶って、
この人とこの人を呼んで、
こういうスタイルで無宗教葬を行って、
最後はこの場所に散骨してくれ
というように遺族や関係者を生前に納得させて葬儀を行ったケースに出会うと
私は故人に対し尊敬の気持ちでいっぱいになるのです。

以前新興宗教の葬儀って「良いお葬式」になることが多い
という内容の記事を書いたことがあります。
(ちなみに島田 裕巳氏は新興宗教に関しては優秀な研究者だと思います。)
(参照ページ:新興宗教の葬儀からいろいろ考えてみる

これは故人の宗教観、遺族の宗教観、参列者の宗教観、宗教者の宗教観が
絶対的な信仰という盤石の関係性で構築されているからだと思います。
要は、みんなが同じものを信じているから、ということですね。
とはいうものの、既存の葬式仏教が気に入らないからといって
新宗教を信仰しようっていうのはちょっと現実的ではないでしょう。

繰り返しになりますが、既存の価値観を否定するならば
島田 裕巳氏は現実的な新しい価値観を提示する必要があるのではないでしょうか。

新しい方法論があるかのように見せておきながら、
いざというときになってから読者に挫折感を味あわせるのは残酷だと思います。
是非、島田 裕巳氏には、多くの人が納得できる次世代の葬儀の形を提示していただきたいと思います。











26 件のコメント

  • 島田先生は非常に優秀な学者であり、学職に捕らわれず自由に文筆をされています。
    仕方がないのことなのですが、「売れる本を書く傾向」が強くなりました。

    私人としては、葬式不要や「葬式は要らない」ではなく、「今の葬儀形態に問題が出てきている」と考えています。
    葬儀における変革は日本だけではありません。
    土葬が基本であったアメリカでも、火葬が増加し火葬率が40%に達しようとしています。
    そのために、エンバーミング率も60~65%程度まで減少してきており、降下速度は増しています。

    時代の変化による意識の違い、育った環境による儀典への思い、家族関係による供養のかたち、経済的問題による規模の問題や、故人・家族による葬儀に対するリクエスト等が大きく変化してきており、これらに対応ができない葬儀業界や葬儀社には問題も多くあり不要論と言うよりも、「そんな葬儀なら要らない」と考える人達が増えるのは頷けます。

    これは葬儀に限ったことではありませんが、3月5日には群馬で墓石・霊園業経営者が負債を抱え、一家4人が死亡しました。
    葬儀不要論や墓不要論、宗教不要論が起こるのは、葬儀社や寺社等が国民から支持されていない結果であり、必ずしも経済問題や意識の近代化だけではないと思います。

    話は変わりますが、静岡県新居町のケース等は現在の葬儀社問題と経済問題を代表するケースだと思います。
    また、過去の「ダイヤモンド問題」でも、既に有利に利用している葬儀社もおり、評価基準のない日本では「何が正しいのかは分からない」ために、”声の大きな者が勝ち”となり、明確な指標や基準を公的に作成しなければ、社会的な評価は困難と考えています。

  • Posted by profさんのおっしゃる、
    ”葬儀社には問題も多くあり不要論と言うよりも、「そんな葬儀なら要らない」と考える人達が増えるのは頷けます”
    ”不要論が起こるのは、葬儀社や寺社等が国民から支持されていない結果”
    というご意見はたしかにそうだな、と思います。
    我々も襟を正していかねばなりません。

    ところで、アメリカの火葬率が40%に迫り、エンバーミング施行率も60~65%程度に落ちている…というのは初耳です。やはり日本の業界情報は遅れているのでしょうか。後学のために、出典をご教示いただければ幸いです。

  • すみません、コピペが長すぎました。
    Posted byは余計ですね。
    profさん、失礼いたしました。

  • profさん

    島田氏の非難されるべき点は、その論旨ではなくて論拠です。論拠がいいかげんなデータに基づいています。
    葬儀業界について御託を並べるわりには、きちんと調査した形跡がありません。
    私はこの業界に身を置く者ですが、葬儀関係の本を書く学者やジャーナリストは、皆さん地道にフィールドワークしてますよ。色々な所でお見受けしたり、業界の人間から話が伝わってきます。

    氏の動向はさっぱり(笑)。

    「とりあえず書いてみました」って感じです。

    学者として情けない。

  • prof様 、コメントありがとうございます。
    確かに葬儀の形態って変わりつつありますね。
    でもよく考えてみたら時代時代に合わせて、過去からもずっと変わり続けてきてるわけで、
    今後の流れに葬儀社がどう対応できるかってことなのでしょうね。

  • 高見 晴彦 様、
    またお越しいただきましてありがとうございます。
    確かにアメリカでは
    direct cremationが増えているって
    話は良く聞きますね。
    実態はどうなのでしょう。

  • 都内葬儀社員 様、コメントありがとうございます。
    本人も予想以上の売れ行きにビックリしているのか
    ネット上の指摘を読んだのか
    最近インタビューを受けた際の論調が多少おとなしめになっているような(^^;)

  • 高見晴彦 様

    この件の国内でのベースはニュースJAPAN(2009.4.13)です。(You Tubeには残っていない様です)
    そのために、ブログで残っていたものがありましたので、アドレスを残しておきます。
    http://210.165.9.64/katu1961/e/688a81a7827de906826a5a266940f783

    また、これの裏付けとしNFDA(アメリカ葬祭ディレクター協会)、CANA(アメリカ火葬協会)、FCA(アメリカ葬儀消費者同盟)のHPとアメリカ議会葬儀問題公聴会資料を使用しています。
    一ヶ所からの情報では、信憑性が分からないために他の組織からの情報と照らし合わせています。

    例えば、アメリカの火葬率は1998年で23.75%、2008年で36.02%であり、NFDAとCANAでは将来予測を出していますが、CANAよりもNFDAの方が2%づつ高く発表がされています。
    ちなみに、NFDAでは2015年を46.04%、2025年では58.85%となっています。

    今までの予測と実数では実数が上回っており、2015年と2025年の実数も更に増加する可能性があります。
    既に70%を越える州も多くなり、ワシントンDCにおいても70%を越えたと言われています。
    更に、日本では考えられない新たな方法が出てきており、将来予測が難しくなってきています。
    http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-12736720091202

  • 葬儀に関する実態や実数把握は非常に難しく、「正確にはわからない」のが現状と考えています。
    私自身もフィールドワークに最重点をおいていますが、政府や行政のデータ、業界団体のデータ、企業からのデータは「作為的に操作された物」もあり、信憑性に欠ける物が多いと思います。
    だからこそ、実際に調べたデータが重要なのですが、先に大々的に発表(特にセンセーショナルな物)は衆人に対するインパクトが強く、これを否定し覆すことは容易ではありません。

    私自身は島田氏とは認識がありませんが、氏の書かれた学術書は「評価に値する物」です。
    しかし、一般向けの書籍となると「売れる物」を書く必要があり、一般向けの調査データ(消費者センターや東京都)を引用するのは、一般の人には受け入れやすいために、データの信憑性(この場合はデータのとり方の問題)よりも、インパクトを狙ったと考えています。

    また、書籍の狙いは「葬儀の問題と有用性、葬儀社等の必要性」と考えられるために、アンチなデータを引用するのは当然な部分と思われます。
    島田氏は学者(宗教)であり、葬儀の実務や実態をあまり知らないと思います。
    そのために、実態調査や聞き取り等のフィールドでの調査に対しても、ルートが無いのが現状だと思います。
    また、島田氏の本が書店では「平積み」で置かれているのも現実です。

  • 続き

    恐らく企画会議の段階で、「現状の葬儀の問題をクローズアップ」する手法が決められ、インパクトのある表題(一般書は表紙で売れる)を決めたと思われます。
    すなわち、「結果ありき」であり、本の趣旨に対して有利なデータだけを使用したのでしょう。
    近年では、学会においても葬儀業界や葬儀社からのデータを使用して発表する者もいますが、昨年夏の学会では座長を務める東大の先生から、「そのデータはおかしい、葬儀社からのデータは信憑性がない」と指摘された演者がいました。

    我々も、正確なデータが欲しいのですが、裏づけが乏しく困っています。

    昨年の政府発行資料のデータがおかしく、調査を行いました。
    2007年の火葬率と火葬実数が前年よりも低下しており、厚労省に対して「おかしい」と連絡をしたところ、「我々は自治体からの報告を載せているだけ」と再調査を拒否されました。
    そのために、各自治体の報告一覧を取り寄せたところ、20ヶ所ほどの道府県と政令指定都市、中核都市のデータに「明らかにおかしい数字」があり、これらの自治体担当者に対して、調査の依頼を行いました。

    そうしたところ、調査依頼を行った自治体の中で奈良市(市町村合併により、火葬地区が市に含まれた)を除く全ての自治体で誤りが見つかり、訂正された正しいデータが送られてきました。
    これにより、日本の火葬率は0.5%上がった(訂正された)のですが、この結果を私や各自治体が厚労省
    に連絡をしましたが、「一度、発表したデータは訂正できない」との話で、「日本の火葬率が低下した」との間違った結果が残っています。

    この、正確なデータの訂正に応じたのは、国際火葬協会(イギリス)と環境斎苑協会(日本の火葬協会)だけであり、政府刊行物や政府系HP等では間違ったままです。

  • 続き

    また、10年ほど前に東京都庁で都内の葬祭業者を対象に「行政指導」を行う考えがあり、その実態調査のために電話帳から無作為に葬儀社を選定し、DM形式でアンケート(調査目的)で発送しました。
    しかし、結果としては「1通も回答がない」状態であり、「実態把握が困難なことから、行政指導やこれを目的とした都条例の作成は困難」との結論となり、葬儀業界への行政指導はあきらめました。

    実は内閣府で把握しているのは、許認可の必要な互助会と遺体搬送車両(緑ナンバー)だけであり、自治体ではその実数も分かっていません。
    そのために、国としては葬儀社数は7,000社(これは事業所数で葬儀社数ではないが)と考えており、国勢調査においても正確な葬祭業従事者数は把握できていません。

    実際に法人登記を行っていない葬儀社も存在し、近年ではNPOや携帯(0120転送)等も増加したことから、ますます実態と実数把握が困難になっています。
    結果的には、内閣府や都道府県、各自治体では「お手上げ状態」であり、東京都が行っている消費調査においても「非常に高いデータ」が出ています。
    これは、他の消費者センターの調査と同じでデータの取り方と解釈の問題で大きく変わる部分であり、
    純粋に葬儀だけを取るのか一連で取るのか(ネットかグロスかの問題)で全く正反対のデータになる問題です。

    しかし、前述のごとく都庁や消費者センターで出されたデータ(実態にそぐうかは別)は公的な意味合いがあり、引用や利用される場合が多いのが現実であり、何らかの方法で実数報告とその検証を行うことが必要となっています。

  • 長々とすいません

    ネタ違いですが、アメリカのスーパー・マーケットのネット販売では、「棺」も販売しています。
    日本でも馴染みのある「ウォール・マート」のアメリカHPです。
    10万円以下でも、いい棺が通販で売られています。
    アメリカの葬儀料金は規制や指導により、「利益率10%以下」(利益率の定義は難しい)となっており、
    通販で買った棺と葬儀社から買った棺の価格差は、ほとんどないと思われますが、ニーズがあるようで通信販売の棺の種類も増加しています。

    棺通信販売のHPです
    http://www.walmart.com/search/search-ng.do?search_constraint=0&ic=48_0&search_query=casket+&Find.x=24&Find.y=9

  • profさん、詳しくありがとうございます。
    今後の学習の参考にさせていただきます。

  • うわっ、帰ってブログ見たら、なんかすごくハイレベルなことになっている(^_^)
    prof様、ありがとうございます。
    このような詳細な記述は、ブログの質を上げる意味でもSEO的にも大歓迎です。
    ありがとうございます。
    追記
    それから10番目の投稿は、prof様が都内葬儀社員様宛に書いたものですよね。
    もしよろしければ管理者として、投稿者欄を修正しておきましょうか?

  • prof様

    まず、島田氏が優秀な宗教学者かどうかについては、あまり重要ではありません。
    一般向けの「売れる本」であっても、学者の肩書きで書く以上、よく知らない事柄については謙虚になるべきでしょう。
    ゴシップ誌のコラムではないのですから。
    氏は過去に創価学会や新々宗教について、一般向けの「売れる本」を著していますが、そこでは随分と潜入調査をしていますよ。それこそジャーナリスト並みのフットワークの軽さで(笑)。今回は楽をしたものです。

    氏は有名寺院の僧侶との親交もあるようなので、その方面から葬儀業界に潜り込むことも可能だったはずです。

    そこまでしなくても、一般客を装って、数社に葬儀相談くらい試みて欲しかった。
    公営斎場に1日でも張り付いて、葬儀の光景を観察して欲しかった。

    私も我が国の葬儀や葬儀社や遺族の在り方に様々な疑問を感じている人間の一人ですが、氏の主張は論拠も論点もずれており、がっかりです。

  • 都内葬儀社員 様

    実際に葬儀業務に携わっている貴殿から見れば、現実を反映していない記載に、憤りを感じるかも知れません。
    しかし、先にも述べました様に企画の段階で「答えありきの構成」が決まっていたと思います。
    今回の書籍は、出版社が持ち込んだ企画なのか、島田氏が持ち込んだ企画なのかは分かりませんが、企画主旨として「現状の葬儀の問題点を基にする」との考え方だと思います。

    そのために、葬儀の問題点を表すデータを集め、それも含めた「葬儀不要論」を構成していると思われます。
    言い換えれば、必要なデータは葬儀に関する問題を集めたデータであり、このデータの集積方法や解析方法に問題があっても良かったのではないかと感じています。
    近年の出版物の特徴ですが(他のメディアも同様)、フィクションとノンフィクションが入り乱れた物が多く見られ、嘘や作り話が多く見られ、出版社は売れればよく、TV局は視聴率が高ければ良いとの風潮が見られます。

    学者の世界でも論文や学会発表に他者文献の引用やコピベタが目立ち、昨年より特殊なソフトを使用して引用率の高い物やコピベタの多い物は評価しないシステムが出来ています。
    氏の今回の書籍は、氏の研究課題である宗教とは異なる部分(関連はあるが)であり、加えて学術書では無い事から(学術書でいい加減なことを書く終わり)、独自のデータ収集を怠ったのは事実と思います。

    続く

  • 都内葬儀社員 様

    学者である以上は責任を持って、「正しい事を書け」との気持ちも理解できますが、学者でも色々な人達がいます。
    民間大学の教授には業界や企業のために、データの捏造や有利なデータ収集を行い、業界と企業のために有利なデータの公表や講演、論文の作成を行う教授も少なくはありません。
    国内の血液製剤によるHIV感染も、権力を持つ私立大学教授の責任が大きく問われました。

    私自身は葬儀に従事した事はなく、喪主や参列経験しかないために、「葬儀に関する依頼は受けない」と明確に表示していますが、今の市民生活において
    「葬儀問題」(人は必ず死にます)は避けては通れず、マスコミとしては「必ず稼げる」(売上げや視聴率)として扱われている関係から、著名な氏には多くの色々な依頼があると思います。
    著名な人ほど影響力があるために、「客観的な判断」が必要ですが、実は客観的には大きな問題があるのです。

    私が人によくする話に「三角錐」に関する物があります。
    三角錐は、上から見ると丸に見え、横から見ると三角に見えます。
    即ち、見る人の立場(目線)によっては、同じものでも丸と主張する人もいれば、三角と主張する人もおり、「どちらも嘘ではありません」。
    しかし、現実には丸でも三角でもなく三角錐なのですが、これに気が付くためには上と横から見て判断をする事や、斜めから見る事が必要となります。
    本来、科学者は1方面からの視点は取らずに検証を行う事が必要であり、理系学問ではこれが標準手法となっていますが、文系の人達は1方面確認が主流であり、実態と異なる事象を平然と書いています。

    残念ながら、「真実が正しい」とはいえない世の中です。

  • 私は島田氏の著書の愛読者で、感銘を受けた本もあります。
    なかなか力量のある著述家であると評価しています。
    しかし、島田氏が優秀な宗教学者であるとは思っていません。
    彼は過去に統一教会やオウム真理教などの教団の教義や実態をロクに調べもせずに擁護発言を繰り返し行い、長年に渡って取材、調査を続けてきたジャーナリストや宗教学者からそのいい加減な認識を非難されて、宗教学者失格の烙印を押された人物です。
    実際にフィールドワークもせず、文献も読まずに自分の独断や思い込みが多いことは以前から指摘されていました。
    島田氏は専門の宗教学に関する学術書の著書は少数で、大半が一般受けするようなジャーナリスティックな著書が大半です。

  • prof様

    島田氏に「事実と異なる記述をされた」から憤っているのではなく(勿論それもありますが)、学者のくせに「よく調べもせずに書いちゃった」ことをバッシングしたのですよ。学者の矜持の問題です。

    期せずして、島田氏のフォロワーであったprof様自らが、私をたしなめる形で氏へのマイナス評価を開陳してくれました。

    イエロージャーナリズム、御用学者、一般書における学者の怠慢、メディア特性、社会科学・人文科学領域で陥りがちなドクサ等々、島田氏には耳の痛い言辞の数々。

    もう「葬式は、要らない」著者への批判はこれくらいにしましょう。もうお互いに悪口しか出てこない(笑)。

    さて、島田氏の反省に期待するとして、日本の葬式仏教や葬送文化の問題とは何か。

    それは物理教師様のブログを通読すれば浮かび上がってくるというものです。

    私も所々で私見を述べさせて頂いてます。
    prof様の専門領域は存じ上げませんが、色々と有益なコメントありがとうございます。

  • まる 様、都内葬儀社員 様

    参考までですが、島田氏が3月19日のBSフジのLIVE PRIME NEWS(21:00 ~ 21:55)に生出演します。
    番組では自論を展開する予定だそうです。

    また、アメリカの平均葬儀価格も経済悪化の影響もあり、日本と同様に下降を続けていますが、為替レートを考えると現時点では50~60万円位(土葬の場合の葬儀だけの料金)と思われます。
    アメリカでは連邦の公正取引委員会の規定に、「死亡直後に埋葬や火葬を行う場合はエンバーミングは不要(一部制約あり)」と「棺の持ち込み料金を徴収してはいけない」(上記の通販の棺)との項目があり、火葬の場合は15万程度でも葬儀が可能となっています。

    しかし、NFDAの資料では2000年が5,180USD、2004年が5,582USD、2006年が7,323USD(参考価)、2008年が6,195USDであり為替レートを考えても60 ~ 70万円程度であり、1995年が4,626USD、1991年が3,742USD、1985年が2,737USDであり、44万円となると1985年当事となります。
    2009年の集計が出ていませんが、火葬率を40%弱と予測すると50 ~ 55万円程度まで下降した可能性はあります。

    世界的に葬儀価格が上昇しているのはGDP上昇国(顕著な)であり、中国圏(中国、香港、台湾等)が代表的な国です。
    そのために、日本の葬儀価格(日本は定義が難しい)の低下は非常に大きいはずです。
    特に2008年以降は、国内では大幅な下降があったと思いますが、これらの資料がありません。

  • まる 様、コメントありがとうございます。
    例の事件の時には、正直ここまで叩かれなくても・・・、と思っていました。
    たしかにちょっと、脇の甘いところがおありみたいですね。

  • 都内葬儀社員 様
    最新の記事で書いたように
    『週刊ダイヤモンドや島田裕巳氏の「葬式は、要らない」
    の誤った論説が流布されることを嘆くだけではなく、
    「消費者に分かる言葉で、正しい情報を発信する」』
    ことを目指していきますね。

  • prof様、またまた詳細なコメントありがとうございます。
    緻密な論理展開で、語るべきことは全て語っていただいた、という感想です。
    今後も、是非prof様のアカデミックな教養に裏打ちされたコメントを
    頂戴できればと思います。
    ありがとうございました。

  • どうでも良いけど、三角錐は上から見ても横から見ても三角ですよw
    円錐のことを言ってるのかな?
    反論は冷静に

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