葬祭専門コンサルティングを名乗る二村祐輔氏の著作の感想です。
目次
二村祐輔「葬儀ビジネスのカラクリ」
以前週刊ダイヤモンドで、
選考基準に問題のある葬儀社ランキングを監修した二村祐輔氏が
(参照ページ:気は確かか?週刊ダイヤモンド)
「葬儀ビジネスのカラクリ」っていう本を出したと聞けば、
これは読んでおかないといけないかと(^_^)
まともな内容でした。
ちょっと残念です。(^_^;)
前回(あんたが書くか!)という記事を書きましたが
誰も彼も葬儀本を書くご時世においては、
少なくともこのレベルのまともさは貴重ですね。
ただ、苦言を呈すると
二村祐輔氏は葬儀屋出身だけあって、葬儀に関する説明は正確ですが
それに比べて「葬儀社の選び方」についての記述はあっさりしすぎていると思います。
葬儀の細かい説明や仕組みにページを割く前に
葬儀社選びに重点を置いて詳しく説明した方が親切なのではないでしょうか。
この本に書かれている細かい内容は、よい葬儀社さんなら顧客の状況に合わせて取捨選択してちゃんと説明してくれるはずですから。
そもそも葬儀社選びについて、
二村祐輔氏は独自の方法論は特にお持ちでないのかもしれません。
もしくは週刊ダイアモンドで懲りたのかも。
二村氏の葬儀屋の選び方は使えない
この本に書かれている葬儀社の選び方は以下の通り。
①事前相談にも気持ちよく、丁寧に応じてくれるか。
②葬儀費用について詳しく説明してくれるか。
③故人や世帯のプライバシーをたいせつにしてくれるか。
たとえばP・I・P認証制度を受けている企業であれば信用できる!
①と②に関しては確かにそうなんですが、
実際今は過半数の葬儀社が①と②の条件を満たしているため、
悪い葬儀社を避けることはできるかもしれませんが、
良い葬儀社選びには役に立ちません。
それからいきなり③番目が「プライバシー」って唐突ですね。
確かに大切ではありますが、
(参照ページ:葬儀の際の個人情報に関する注意事項)
この条件が葬儀社選びの3番目って言うのは不自然。
そしてP・I・P認証制度ってなに?
個人情報管理にかんしては
普通 プライバシーマークを取得すべきなのでは?
そのカラクリはこれ
http://www.jfaa.org/sub1-1.html
http://www.jfaa.org/img/diamond20100429.pdf
ちょっと露骨なポジショントーク(自分の立場を有利にするトーク)ですね。
「信用できる!」って言い切ってますけど、信用できると言い切るには、
審査制度のP・I・P認証制度とやらが信用できる根拠を示さないといけないと思うのですが・・・
信用できるかどうかは私には分かりません。
前述したように個人情報管理をしっかりやろうとしている葬儀社は、
一般的に信用があり認知されているプライバシーマークを取りに行くのでは?
そうしない、もしくはそれができない葬儀社っていうのは・・・
少額短期保険の記述は間違っている
それからもう一点気になったのは少額短期保険に関する記述。
最大の特徴は、保険料(掛金)の安さにあります。従来の生命保険会社に比べ、
保障規模が小さいことや、規模が小さい故に事業費といわれるコスト(人件費や
会社維持のためのコスト)が少なくて済むため、安くて魅力的な保険料(掛金)
いというのが最大のメリットです。
本来金融商品のコスト比較というのは絶対額ではなく
商品価格に対する比率で評価されるべきです。
規模が小さいから掛け金が安いという論理は説得力がないと思います。
1000万円の保険も100万円の保険も
集客コストや運用コストはそんなに変わらないことを考えると
むしろ安い保険はコスト高に振れやすいのではないでしょうか。
以前こんな記事(参照ページ:少額短期保険は「買い」か? 2/2)を書きましたが
最低限のお葬式代が用意できる人にとって
少額短期保険は魅力的ではないと思います。
うーん、販売代理店でもやっているのかな?
以上
二村祐輔「葬儀ビジネスのカラクリ」
のカラクリでした。
二村祐輔氏が週刊ダイヤモンドに出ていました
あの週刊ダイヤモンドからエンディングノートが発売されましたので、
その書評です。
前半が葬儀相続に関する記事
後半がエンディングノート、という構成。
まずエンディングノート部分に関してはちゃんと出来ています。
780円ということを考えれば購入する価値はあります。
次に記事の部分。
精度の低い日本消費者協会の葬儀費用データ使用に関しては
やはり今後も確信犯的に続けていくのでしょう。
一方で公正取引委員会や経済産業省のアンケートデータも引用しているので
読者はどれが正しいのか迷うのでは。
全体の印象ですが葬儀屋批判は
以前と比べてトーンダウンしています。
やっと煽(あお)り記事をやめる気になったのか?と言いたいところですが、
これだけ葬儀社にPR記事を載せてもらえればね、
そりゃこうなりますね。
その他の記事に関しては
相変わらず葬儀コンサルタント二村祐輔氏氏とべったりですね。
葬儀屋の選び方に関するページの一番目。
個人情報管理のために「P・I・P認証」を受けている葬儀社が・・・うんぬん
というところを読んで
『「P・I・P認証」ってなに?プライバシーマークじゃだめなの。』
と思った方も多いと思います。
前述したとおり自分のところでやっている資格の宣伝ですね。
このページには「PR記事」の表記をしなくてもいいんでしょうか?
二村祐輔「はじめての遺言・葬式・お墓」
もうそろそろキツく叱っておいた方が良いでしょう。
最近発売されたこの葬儀関係の書籍。
はじめての遺言・葬式・お墓 (週刊朝日ムック) 朝日新聞出版 2016-03-29
|
この本で葬儀部門の監修をしているのは
二村祐輔(ふたむらゆうすけ)なる葬祭コンサルタント。
ちなみに私の考える葬儀関係の書籍の良し悪しをを見分けるポイントは
「ちゃんとした葬儀社の選び方が載っているかどうか」
ですが、この本はどうでしょうか。
「いい葬儀社の7つの条件」というタイトルのページを見つけました。
その1番目の条件というのが
個人情報の管理をちゃんとやっているという理由で
「PIP認証を取ってる葬儀社」を推しています。
確かに葬儀屋さんて遺族の家族構成やら個人情報を入手できる立場にあるので
個人情報管理が大切というのはわかります。
しかし、PIP認証ってなに?と思った人も多いでしょう。
「PIP認証」で検索をかけるとこのページが。
一般社団法人 日本葬祭情報管理協議会にお金を払って講習と審査を受けると
PIP認証が取得でき、情報管理ができている葬儀社という「お墨付き」がもらえるらしいです。
で、日本葬祭情報管理協議会ってどんな組織か調べてみると
二村祐輔氏自身が代表理事を務めているのです。
住所も彼のオフィス内。
これって
良い葬儀社を探したいとこの本を手に取った読者に対し
書籍代を払わせた上に自分の息のかかった組織の宣伝に付き合わせたということになるまいか?
そもそも個人情報管理に関してはプライバシーマークという資格が既にあり
一般的に認知、信用されています。
そして個人情報管理を本当に重要と考えている葬儀社はプライバシーマークを取得しています。
なぜプライバシーマークを取得している葬儀社を勧めないのですか?
彼はことあるごとにPIP認証を受けている葬儀社がいい!と吹聴してしていますが
そもそもPIP認証の信頼性を担保しているのは何なのですか?
プライバシーマークを取得できないレベルの葬儀社がPIP認証に流れているだけではないのですか?
私の申し上げていることがおかしいというのであれば
二村祐輔氏には是非PIP認証がプライバシーマークより優れていることを証明してもらいたいです。
(併せて↓こちらの記事も
週刊ダイヤモンドの葬儀社ランキングで全国1位になるということ )
葬儀社の各付けや、葬儀社選びには「書けない、言えないカラクリ」があります。
これは、物理教師さまも気が付いていない物です。
私から見れば、「決してフェアとは思えない方法」が行われています。
オフ会でもあれば、お教え出来るのですが。
PIP認証は、二村氏が行っている(NPO法人組織となっている、認証は内閣府でなく東京都か不明)ために、きっと信用できるのでしょう。
本書は読んでいませんが、「葬祭ディレクター」は葬儀社選びにはポイントになっていないのですか?
公的な職業能力認定なのですが。
葬儀管理を法制化して任せてくれれば、「きっちり仕分け」するのですが。
prof様、
> 葬儀社の各付けや、葬儀社選びには「書けない、言えないカラクリ」があります。
うーん、何でしょう。
量子力学や株価やテレビドキュメンタリーのように、調査や調査結果自体が調査対象を変質させてしまう
ってことでしょうか・・・
うーん分かりません(>_<) > 本書は読んでいませんが、「葬祭ディレクター」は葬儀社選びにはポイントになっていないのですか?
葬儀社選びのページには出てきていないようですね。
SCANSNAPS1500で「自炊」したのですが、検索にヒットはしませんでした。
私も数十年にわたる莫大な紙資料や書類、書籍が山積みであり、電子化保存を考えていることからSCANSNAPS1500を検討しています。
海外で仕事をしていると、1.0~2.0T程度のHDに資料や書籍を入れて現地に置いておかなければ、仕事にはなりません。
電子化すれば参考文献検索も簡単なのは分かっていますが、スキャニングするのが面倒で。
さて、右顧左眄で「葬祭ディレクター」は葬儀社選びのポイントにはならいのは、予想外の結果です。
確かに国内には葬儀に関する資格(ほとんどは民間資格)が数十以上はあり、各組織や個人レベルで資格を造り、資格(正式には認定)を名乗っています。
しかし、葬祭ディレクターは国内でただ1つの「公的な認定」(資格ではない)であり、これをもって「安心感」を売りにしていたと思っていましたが。
国内のご遺体処置資格だけでも10以上ありますので、葬儀に関しては30位はあるのでしょうが、こうなって来ると依頼者である一般の人(本人や家族)は何を信じて良いのか分かりません。
そこで登場が、「葬儀社選びのポイント本」や「葬儀社ランキング本」です。(風が吹けば桶屋が)
prof様、
>スキャニングするのが面倒で。
そうなんですよね。多分ご自分でされると挫折すると思います。(^_^;)
書籍や新聞をブログ記事に転写するとき大活躍なんですが。
>国内のご遺体処置資格だけでも10以上
そうなんですか。葬儀社が勝手に作った資格って、ほとんど語呂合わせ(フューネラル・葬儀・葬祭・献・悼・コンシェルジュ・マスター)状態ですよね。
ただ葬祭ディレクターも、自分が持っている立場からすると
ダメ葬儀屋を排除するには役に立つと思うのですが、
一目置かれるほどのシグナリング効果を出すにはほど遠い感じです。
それでも今の業界には必要だとは思いますが。
P・I・P認証制度を取ってる葬儀社で、顧客管理しているパソコンにウイルスセキュリティソフトも入れずに、常時電源を付けっ放しで、ネット接続しているところが有りましたね。
プライバシー以前の問題ですね(笑)
故人情報 様、コメントありがとうございます。
Pマーク認定企業ですら、情報流出の報道を見かけますもんね。
よほど、注意しないといけない問題ですよね。