さて今回ご紹介する本は
以前かなり強く批判した週刊ダイヤモンド葬儀特集の永久保存版が出ました。
(参照ページ:気は確かか?週刊ダイヤモンド)
内容はこの間の週刊ダイヤモンドを本にしただけなんですが、
そのとき買い損ねた葬儀屋さんは今すぐ本屋にGO!
そして立ち読みして下さい。
買わなくていいです(^^;)
(そのまま帰ると本屋さんに申し訳ないのでなんか別の本を買って下さい。
ポプラ社のバ カドリルなどいかがでしょうか?)
さて時間の限られている立ち読みなので、
読むべき記事を二つ挙げておきますね。
一つは
二村祐輔氏監修の葬儀社ランキング。
詳しくは上記の参照ページで書いたとおりなので、
自分の目でバカっぷりを確認して下さい。
もう一つは
ハートフルセレモニー株式会社代表取締役米山友介氏監修の
葬儀費用の原価計算(第二部Part3)
これも、ひどい。
ちょっと詳しく説明しますね。
この記事は葬儀費用の各品目の売価と原価を一覧表示して
「葬儀社の粗利は6割も」ってぬかしてんですが(^^;)
あのー、原価項目の中で葬儀社のスタッフの人件費って
「司会・進行」項目の32,000円だけなんですけど・・・
(善し悪しはさておき)本来人件費を捻出しやすい祭壇費用に関しては
原価「ほぼゼロ」って書かれてますし
配膳人の21,000円という数字は料理屋さんのスタッフの費用ですし。
ということは、葬儀社の3人のスタッフが通夜告別式両日働くとすると、
1人が1日にもらえる人件費は
32,000円÷(3名×2日間)≒約5,300円ってことになる。
1ヶ月に6日間休む以外、24日間毎日通夜告別式を繰り返すと月給は
5,300円×24日=127,200円
実際当直の業務もあり、葬儀屋さんは月間300時間働くので
127,200円÷300時間=時給424円!
ハートフルセレモニーの社員さんて、ガリガリでフラフラかい!
もうお分かりだと思うんですが、この原価計算て
葬儀屋さんの人件費を全然計算に入れていないのです。
それで「葬儀社の粗利は6割も」って、言ってます。
あのー週刊ダイヤモンドって一応、経済誌なんでは?(^^;)
記事を監修したハートフルセレモニーの米山友介氏に関しては
最初、悪意のある編集部に名前だけ使われちゃったのかなって思ったんですが。
でも彼のブログの記事を読むと
喜々として
「葬儀のカラクリを洗いざらいお話してきましたので(笑)」
なんて言ってる。
ってことは
この人は原価計算時に人件費を計上できないほどバカなのか?って思ったのですが
そんな人がサービス業の会社を経営できるはずがない。
ってことはやっぱり
ハートフルセレモニーの社員さんて、ガリガリでフラフラ(^^;)
追記
誤解の無いように言っておきますと、週刊ダイヤモンドが
悪い葬儀社を叩くのは全く構わないのです。
むしろどんどん、やって欲しいくらいです。
その結果、消費者が良い葬儀社を選ぶようになるなら大歓迎です。
しかし、残念ながら週刊ダイヤモンドの記事は
杜撰(ずさん)でレベルが低いのです
消費者不安を煽(あお)るだけ煽って、本を買わせておいて、
デタラメな葬儀社の選び方を提供する。
これでは、消費者の利益のためではなく、
部数を伸ばすためだけにやっているとしか思えません。
以上が、私が週刊ダイヤモンドを批判する理由です。
確かに困った雑誌社ですね。
しかし、日本の一般消費者は原価と言われて人件費をあまり想像しないことも事実としてあるのが難しいところです。商業科などで簿記会計基礎をやっている人は理解してくれるんですけどね…(汗
そういう意味では、葬儀業がサービス業にシフトすればするほど消費者意識との乖離が増すというこの状況に、どう向き合っていくべきかというのも我々の課題でしょうね。
ふと思いつきで脱線しますが、現状で「悪い葬儀業界」という「落とし所」があるのは、社会として絶妙なバランスの上のことなのかもしれません。もし葬儀業が「悪くなくなったら」、消費者の不満はどこに行くのでしょう。宗教か、行政か、はたまた…
人の社会というものは難しいものですね(汗
高見 晴彦 様、いつもコメントありがとうございます。
>ふと思いつきで脱線しますが、現状で「悪い葬儀業界」という「落とし所」があるのは、社会として絶妙なバランスの上のことなのかもしれません
この視点は、面白くて、鋭いと思いました。
冷静な判断以前に、葬儀屋は差別主義者の攻撃対象になりやすいのかなと。
ただ正直に申し上げると自分の中にも、そのような差別感情があるのかもしれません。
近親憎悪みたいなもんでしょうか。
この話しはまた改めて述べたいと思います。
そりゃそうだよ
ここの葬儀屋できたばかりで
部下いないし。一人でやってるからね。
だからじゃないかな
犬 さん、コメントありがとうございます。
あー、そうなんですね。
でもそうすると、なんで天下の週刊ダイヤモンドが
そんなところを取材したのか、
っていうのが謎ですね(^^;)