先日
ちょっとツッコミたくなる記事
という記事を書きました。
上記の記事中でも述べていますが、どうしても引っかかった箇所がありました。
やっと経営者の著書を購入できたので、確認してみました。
ストーリーで語る強い会社の創り方 柴山 文夫
その感想です。
やはり文中に
「平均年齢は29歳という若さです。(中略)
我が社では7対3で女性が多く、3~5年で寿退社していきます。
それによって好ましい循環ができています」
との記述がありました。(P99)
「好ましい」循環て・・・
まさか女性は3~5年で辞めろと就業規則には書いていないでしょうが、
こんなに堂々と宣言しているということは
男女雇用機会均等法施行以前の事務職がそうであったように
当然「そろそろ・・・だよね?」という空気感はあるということですよね。
この考え方に、私は同意できません。
この考え方のせいでこの本に書いてある「常に社員の幸せを考える」などの
立派な言葉がきれいごとにしか聞こえないのです。
私が連想したのは
牛丼のすき家のことです。
他店と比べて圧倒的に強盗の発生率が高いにもかかわらず
コストアップになるのがイヤで、夜勤を一人体制のままで放置していた件です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111013-OYT1T00613.htm
警察の指導に対し
ゼンショーの広報担当者は
「経営を度外視してまで防犯に取り組む必要があるのか考えたい」
と発言。
夜間を現状の一人体制から二人体制にすると
約25億円分、人件費がアップするそうです。
コストだけを考えれば、一店の1日分の売上げを盗られたところで知れている、
、万一従業員が殺害されたとしても、
労災補償は数億円で済む、というところでしょうか。
私は「好ましい循環」という考え方の根底に同じ思想を感じてしまうのです。
そりゃたしかに社員が3年~5年で辞めていくなら
昇給の必要もほとんどないし
人件費も少なくて済むでしょう。
でもずっと社員に労働の場を提供し、生活を保障するという
企業の社会的な使命はどうなるのでしょうか?
(参考記事:人口統計から10年後の葬儀社の労働環境を予測する!?)
そもそも
3年から5年で辞めなければいけないと分かっている会社に
優秀な社員が集まってくるものなのでしょうか?
それから社員が3年から5年で入れ替わっていくなら
仕事の現場のナレッジも集積されていかないのでは?
また結婚式に関して私は門外漢ですし
こちらの教育システムは優れていらっしゃるのでしょうけど、
葬儀に関して、
担当者のスキルが3年から5年でピークを迎えるということはないと思います。
3年~5年というのは
やっとこれから、葬儀担当者として自分の色を出していける頃だと思うのです。
その時期に会社の考え方が理由で辞めなければいけないというのは、
私ならイヤです。
3年~5年で辞める「好ましい循環」にもかかわらずサイトには
当社のお葬儀は、厚生労働省認定資格である「葬祭ディレクター1級及び2級」の有資格者が担当させていただいております。
との記述があります。
2級は2年、1級は5年勤務しないと、受験資格が与えられないのですが・・・
新卒採用サイトでは
「生涯勉強」の気概を持って
とおっしゃっていますが・・・
気概「だけ」持て、ということなのでしょうか?
もし、この会社に就職したいと思うけど、どうか?
と聞かれたら私なら
やめておけ
と言うと思います。
とはいえ
年商50億の会社を作り上げることができたということは
リアリズムの観点から
著者の経営方針が正しいからだと思います。
著者は自信満々に持論を述べてらっしゃいますし
実際ビジネスは成功しているわけで
私の考え方にどこか「見落とし」があるということなのでしょうか?
ちょっと混乱しています。
もし元社員の方が、読んでいらしたら
コメントいただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
(追記)
「若手コーチング大会」で優れた社員はグランプリとして5~6人をハワイにある我が社のコンドミニアムに招き、私(社長)とともに過ごします。また準グランプリや新人賞もあり、その人達はミュージカルなどの観劇に招き、食事も私と一緒にするというご褒美があります」
なんか、これ、罰ゲームっぽい(^^;)
(追記)
著者として本を出版した以上、
本の購入者に作品を論評されるのは当然予想されていると思います。
しかし一方で本職の物書きでない人にとって、
いろいろ論評されるのは厭なものだというのは私も十分理解しております。
この文章は別に著者を困らせることが目的ではありませんので、
要望が有れば希望箇所を削除するのはやぶさかではないことを、
お断りしておきます。
(追記)
この記事に対し適切なコメントをいくつかいただきました。
私が誤解しておりました部分を自省するため
またお読みいただいた方に経緯がお分かりいただける様に
原文を残しておりますが、
特に
「もし、この会社に就職したいと思うけど、どうか?
と聞かれたら私なら
やめておけ
と言うと思います。」
という発言を撤回させて頂きたいと思います。
私の知人の医療系作家さんの元に、葬儀系企業から弁護士名で「通告文」が送りつけられたと相談を受けました。(先週)
この会社に対して「不利益な記述」(具体的な明記は無いが)があったとのことで、謝罪と訂正、有利な記述をした出版を要求するとの由。
これに従わなければ、「法的手段」を採るとの文面。
私は「内容証明」を送りつけられる等は慣れたものですが、今回の作家さんは初めての経験であり、「葬儀と言うタブーの世界に関連したこと」を書いたために洗礼を受け、ショックを受けていました。
作家自身も弁護士に相談をすると言っていましたが、言論や表現の自由、立場による評価は何処へ行ったのでしょうか。
自身で書いた自伝的な物は「?」が多いのが当たりまえであり、物理教師さんの様な現場の人から見れば「?」でしょう。
しかし、作者も「文書化し出版」した以上は責任を持つ必要もあります。
その意味から見ても、出版物を評論する事は作者にとっても読み手にとってもプラスが多いと思います。
この著者さんは、物理教師さんの疑問や評価に「ケチ」をつけないでしょう。
書籍の部分部分を掻い摘んで批判されるのは、
あまり好ましいエントリーとはいえないですねw
別に互助会を擁護するわけではないですが、
不必要にミスリードされる、
印象を悪くされるのも嫌な感じがします。
業界人で、匿名でブログ等を書かれているのなら、
もう少し配慮されてみては。
出所を明らかにして(例えばK社の従業員として)書いているということであれば、
「ああそうか」って納得する人も多いと思うのですけどね。
prof様、
> (具体的な明記は無いが)
ってところが、ひどいですね。
> この著者さんは、物理教師さんの疑問や評価に「ケチ」をつけないでしょう。
以前私が活動をしていたときは、たまにひどいこと言われることがありました。
別に特定の誰かを批判したわけでもなく、業界体質に疑問を呈したりするだけで
匿名で罵られたり・・・
「議論もできんのかい」と、ちょっとうんざりしていた時期もあったのですが。
この業界も昔と比べるとだいぶ良くなってきたので
将来はまた普段通りに活動できれば、って思っています。
通りすがり様、
コメントありがとうございます。
配慮が足らず大変申し訳ありません。
またご指摘いただき、ありがとうございます。
文中でも述べているように
「著者の経営方針が正しい」と思っているのは本当です。
それだけに、自分の中ではこのシステムとの整合性がしっくりこないのです。
とはいえ、
文末に書いているように著者を困らせることが目的ではありませんので
気分を害してしまったようでしたら、
全文削除を含め、対応いたしますので
お申し付けくださいませ。
今後とも
ご指導の程よろしくお願いいたします。
特にどちらの肩を持つ気も無いのですが、
一方的なエントリーで柴山さん(もしくは互助会)に対して
誤った印象になる可能性があるのは業界としても損失だし、
敬意も欠くのではと思ったのでコメントさせていただいた次第です。
全文削除というのは全く望むところではないです。
文章が不快という訳でもないです。
むしろ、柴山さんはフェア等でよく研修されているので、
一度受講されると良いかなと思う次第です。
書籍だけの理解とは、また違った観点があると思います。
とはいえ、柴山さんに賛同されるとは全く思いません^^。
尚、エントリーの内容で、
> まさか女性は3~5年で辞めろと就業規則には書いていないでしょうが、
> こんなに堂々と宣言しているということは
> 男女雇用機会均等法施行以前の事務職がそうであったように
> 当然「そろそろ・・・だよね?」という空気感はあるということですよね。
という前提部分に、少し疑問がありました。
互助会全般に若さが求められる傾向にあるのは感じますが、
上記のような空気感ではないでしょう。
また、「好ましい循環」の大筋は人件費削減では無いでしょう。
なので、ゼンショーの例えも的が外れているのかなと。
人件費削減も重要な課題ですが、こんな遠回しにはやりません。
そもそも、年功序列的な給与体系を採っているかわかりません。
また、基礎となる給与体系は平均のそれより高い方ではないでしょうか。
あと、人材の質に関してですが、
全般的な感覚ですが、互助会は高い方でしょう。
厳しい競争に晒されているからだと感じています。
通りすがり様、
丁重なコメントありがとうございます。
自分の文章を読み返してみて
おっしゃるとおり客観性を欠いている部分があったと思います。
女性社員にいかに長期的安定的に働いてもらうか
に日頃頭を悩ませていて、
それがなかなかうまくいかないことにずっと悔しい思いをしているものですから
件の発言に関して感情的になっていた部分がありました。
反省しております。
来年のフェアで柴山氏の講演があれば
是非一度受講したいと思っております。
今後、自分なりに少しでも葬儀業界をより良くしていけるような文章を書いていきたいと思いますので
よろしくお願いいたします。
柴山の元で働いている者です。
こういったところで発言するのは苦手ですが、気になったので、思いきってコメントしてみました。
柴山は決して私たちに3~5年で辞めてほしいわけではありません。
本人の意志さえあれば
何年でも働けるようなところです。
ただ女性としての幸せも願っています。
冠婚葬祭業自体が正直ハードですよね。
独身でキャリアウーマンとして
やっているうちは問題ないですが、
女性としての人生を考えた時、
家事や家族のことまで気を配る余裕は
決してないと思います。
実際嫌で辞めるというよりは
寿退社や自己のステップアップの為に辞める人がほとんどです。
子供が三歳になるまでは一緒に過ごしてあげなさいというのが柴山の考えです。
子供を連れて遊びに来る社員や
子育てが落ち着いて復帰しているスタッフもいます。
決して使い捨てのコマのように扱うことはありません。
3~5年後に進む道が他の職場だろうが
家庭だろうが、外へ出て困らないよう1年目から様々な学びと経験を与えてくれます。私たち自身も『若いから不安…』とお客様に思われないよう日々努力しております。
葬祭は男性スタッフが多いので5年以上のスタッフがほとんどです。もちろん少数ではありますが中途採用のスタッフも
おります。
長くなってしまい申し訳ありません。
少しでも雰囲気が伝わればと思います。
ただ柴山を擁護したいわけではありません。実際に働いている者は日々充実しているということ、精一杯働き抜いた者だけが卒業しているということをお伝えしたかったのです。
不慣れなもので、
文面等言葉足らずなところが
あり申し訳ありません。
なにか疑問点等あれば
お応えします。
貴重なご意見ありがとうございました。
関係者 様、
コメントありがとうございます。
お忙しいところ、
丁重かつ長文のコメント、
恐縮です。
また非常に書き込みづらいお立場であったかと思いますが
ご指摘いただきまして
本当に感謝しております。
御社の社員が優秀であり労働環境が良好なのは
「関係者」様のお書きいただいた内容とその文体で
良く理解いたしました。
私の誤解で、ご迷惑をお掛けしてしまいましたことを
「関係者」様と柴山様をはじめとした御社のスタッフの皆様に対し
改めてお詫び致します。
(また「関係者」様のコメントをお受けして、本文に追記文を加筆いたしました。)
同じくより良いサービスをお客様に提供する志を持つ者として
「関係者」様と御社の発展を心よりお祈りいたします。
本当に丁寧なお返事を
ありがとうございます。
物理教師様の真摯なご対応に
大変感動致しました。
私自身決して迷惑とか不快とか
そのような感覚の投稿ではありませんのでご安心下さいませ。
『そんなことないですよ 』という
ちょっとした情報をお伝えしたかっただけです。
私も入社してあっという間に3年が経ちましたが、まだまだこれからだと思っております。
このままバリバリ仕事していくことについて、女として結婚の焦りはありますがw早く辞めなきゃという焦りや空気感は一切ありません。
物理教師様のおっしゃる通り
より良いサービスを目指し、精進していく所存であります。
弊社を知って頂き、
貴重なご意見頂きましたことに
改めてお礼申し上げます。