最近葬儀費用、特に香典に関して関する詭弁(きべん)を弄(ろう)する葬儀屋が
増殖中のようです。
ちょっと釘をさしておこうと思います。
その詭弁というのは
「家族葬ではなく外部からも参列者を呼ぶお葬式にすると
香典による収入が増えるので 充分な蓄えが無くてもお葬式ができる」
というもの。
多分、この理屈を最初に言いだしたのは
株式会社福祉葬祭 社長の武笠 文吉氏 ではないでしょうか。
彼の理屈がおかしいのは
『「香典葬」がダメな理由』という記事の
の中で指摘しているとおりです。
盗作をするような前科のある人物の言うことなど
誰も聞く耳持たないだろうと思っていましたが、
どうもじわじわ広がっている模様・・・
まずはマイナビニュース内の週刊ポストの記事から
葬儀「人をあまり呼ばなければ安く済む」という考えは短絡的
NPO法人「葬儀費用研究会」の冨永達也・事務長の解説。
冨永氏が指摘する。
「会葬者が少ないということは、
それだけ遺族が受け取る香典も少ないということが盲点です。
実は、返礼品や、一部の会葬者にふるまう料理代などを差し引いても、
香典は半分ほどが手元に残ります。
すると、一般葬では葬儀費用の大半が香典でまかなえるケースも少なくない。
ところが、家族葬では香典に期待できないので、
かえって持ち出しの費用が高額になるのです」
「香典は半分ほどが手元に残ります。
すると、一般葬では葬儀費用の大半が香典でまかなえるケースも少なくない。」ですか・・・
少ないですよ、そんなケース。
香典返しはどうするの?
もらった香典の半分は香典返しで消えてしまいますよね。
葬儀屋側にしてみたら
葬儀費用払ってもらった後のことは知ったことではない、ですか?
予想以上に参列者が来た場合、
その分香典が増えるので、参列者が増えた分の変動費(料理・返礼品・香典返し)を
相殺できる、ということは言えます。
しかし(香典返しの義理を欠く貰い逃げをしない限り)香典によって
固定費本体(祭壇費用や人件費)の負担を減らすのは、極めて難しいです。
次に、とある葬儀社の見積もり例。
[収入]自治体からの補助金(葬祭費)※1 70,000円
香典
(子ども2名・兄弟2名・孫5名・甥姪5名・
その他親族10名・一般26名の計50名前提) 782,000円
計 852,000円
[支出]会館葬50名プラン 714,000円
火葬料金※2 23,000円
霊柩車料金 0円
葬祭式場控室等料金 100,000円
その他 0円
計 837,000円
合計 15,000円のプラス自己負担は0円!※宗教者へのお布施や通夜・告別式時の食事代・返礼品などは含みません
自己負担0って、どこまで楽観的なのか。
そもそも (子ども2名・兄弟2名・孫5名・甥姪5名・ その他親族10名・一般26名の計50名前提)で
香典が 782,000円集まるっていう皮算用は無理があります。
子供や兄弟は香典を一人あたり10万円包むっていう計算なんでしょうか。
おそらく自社の葬儀費用プランの総額ありきで、
帳尻を合せたのではないか、と勘ぐってしまいます。
私も一般の参列者を呼ぶことの大切さは認めます。
(参考記事:家族葬の失敗例)
でもそれはお葬式の持つ社会的機能の観点からそう申し上げているだけで
葬儀屋のポジショントークをしたいからではありません。
彼らはこの程度のポジショントークがまかり通ると
本気で信じているのでしょうか。
あんまり 消費者をなめないほうがいいですよ。
…実は、私の母の葬儀の際は、ほとんどが香典で賄えたのです。
追加で出したのは、住職様へお納めする葬儀料と永代供養料くらいです。
うちの場合、喪主の父には兄弟がいません。
故人の兄姉親戚とは母の生前から絶縁に近い状態でした。
私も一人っ子の上バツイチなので、姻戚関係がない。
父は退職してからだいぶたっていたし、父自身患っていたので世間知らずの私が喪主代理をやりました。
だから、ご近所さんにもかなりの義理を欠いたと思ういます。
それと、私の職場の皆さんが多くお参りくださり、
香典返しを受け取らずに帰られた方がたくさんいらしたのではないかと推測しています。
後日、お供物等は全部職場とご近所にお配りはさせていただきましたが、今も皆さんには頭の下がる思いでいます。
Narcissus様、
コメントありがとうございます。
私の担当した葬儀で「恐らく」香典でまかなえたと思われるケースは1件ありました。
故人が現役会社員で会葬者多数、且つお子さんがまだ小さく、学資に充てるので香典返しは無しという
形式でしたね。