今回ご紹介するのはこの本。
世界一のおもてなし (中経出版)[Kindle版] 宮崎 辰 KADOKAWA / 中経出版 2013-05-30
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ミシュラン星付きレストランなどでメートル・ドテルを歴任した後、「シャトーレストラン・ジョエル・ロブション」のメートル・ドテルに就任。サーヴィスの技量世界一を決めるコンクールで優勝した「世界一のサーヴィスマン」が語る「サーヴィスの極意」をまとめる一冊。<Amazonから引用>
メートル・ドテルとは聞き慣れない言葉ですが、
レストランなどにおいて、給仕を行うスタッフの責任者のことです。
同じサービス業として共感できる点が多かったので
ご紹介します。
レストランにいらっしゃるお客様にとって、レストランのすべてのスタッフがフィールドプレーヤーです。全員の個人技とチームワークが優れていることが、ゴールを奪うためには必要不可欠なことなのです。
葬儀を行う際、指示を出す責任者はいますが、基本的にチームプレイです。
人目の数×人目に触れる時間は、
責任者よりむしろ焼香や動線案内のスタッフの方が大きいことが多く、
彼ら彼女らがその葬儀社の印象を左右します。
本当に優れたサービスを行うためには、レストランの中にいる時間だけ努力していては駄目です。それらのマナーは必ず、その料理の食べ方や食文化から考えて合理的な理由から成り立っているのです。ですからマナーを丸暗記的に覚えていても、使いこなすことはできません
葬儀という儀式の中にあるモノやコトには必ず存在する理由があります。
なぜそれをするのか、を考えないでただやっているスタッフも残念ながら少なからずいます。
たとえばなぜ死装束にはすねに当てる脚絆(きゃはん)があるのか。
理由はこちら(死装束は疲れない)
お客様に心地よいひとときを過ごしていただくには、完壁に清掃された舞台を用意することが必要だからです。
これも基本。
私はプライベートががさつな人間という自覚があるので、
逆に現場の清掃状態には気を遣います。
私が式場をほうきで掃いていると花屋さんが恐縮しながら飛んでくるのですが、
これは別に当てつけではありません。
最終的に自分で確認しないと気が済まないのと確認する責任があると思っているからです。
レストランでサービスをする人間ならば、店の外でも、その店の顔であることを意識するべきです
これはちょっと主旨がずれるかもしれないのですが、
葬儀屋さんはお客様の前でずっとフォーマルな存在でなくてはならないと私は思っています。
だから葬儀式場にいるときにトイレで用を足したくなったときも、
用を足している≒超プライベート≒アンフォーマルな状態を見られるのがイヤで、
わざわざ違うフロアの離れたトイレを使います。
この感覚は理解してもらえないかもしれない(^^;)
私は後輩たちに、「ゲストを好きになれ」と言っています。
これも同意。
ただし選抜されたファンがお客様であることが多い高級レストランに比べて
葬儀屋さんはお客様を選べないですし、多くの参列者がいらっしゃるので、よりハードルが高いと思います。
もし好きになれなさそうな人がいたら・・・
強いてアドバイスするなら、その人がそう振る舞う原因を掘り下げて分析していくこと。
そうすることによって原因が分かって感情が良い方向に振れてくれることもあるし、分からなくても相手との間に「分析」というクッションが入るので、すこし心理的距離が置けてこちらも落ち着くこともあります。
ただこれはスキルではなく才能によるところが大きいかも。
(参考記事:葬儀屋として自分の強みを知る方法 | 考える葬儀屋さんのブログ)
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