今回ご紹介するのは共同通信社がまとめて今年出版されたこの本。
「追悼文大全」
「追悼文大全」
追悼文大全 共同通信文化部 三省堂 2016-04-08
|
共同通信社というのは自身では新聞を発行せず他紙に情報を配信している
ちょっと特殊な立ち位置の新聞社です。
ちょっと特殊な立ち位置の新聞社です。
そして訃報の発信元になっていることが多く、
多くの新聞社が共同通信の訃報を見て自紙に掲載するかどうかを決めています。
多くの新聞社が共同通信の訃報を見て自紙に掲載するかどうかを決めています。
そのため葬儀業界では、ある程度の立場の人が亡くなると
広告代理店経由で共同通信に訃報を投げ込んで拡散してもらうこともあります。
広告代理店経由で共同通信に訃報を投げ込んで拡散してもらうこともあります。
今回出版された本は訃報と同時期に配信された追悼文のうち、平成以降のものを集めています。
第一印象は・・・高い、そしてブ厚い。
Kindleでは出してもらえないのでしょうか。
出版元が三省堂なので三省堂独自の電子書籍規格では出てるのかと思いきや、
出てませんでした。
出てませんでした。
内容が内容だけにこの値段と重みに意味があるってことなんでしょうか。
前書きによると訃報と同時に追悼文の適切な書き手を選んで執筆依頼をするのが、
記者の腕の見せ所らしいです。
記者の腕の見せ所らしいです。
確かにその人の人的ネットワークを日頃から把握していないと難しいですよね。
あと20年もすれば全部吉田豪でOKになるかもしれませんが
さて通読した感想なんですが、正直あんまり名文がないと思いました。
その理由は
・原則亡くなってからすぐに仕上げなければいけないため時間が無い
・限られた紙面を、故人を知らない読者のため、業績紹介に割かなければいけない(私の学生時代のゼミの指導教官も執筆しているのですが、ほぼ故人の経歴紹介で終わっています。日頃あんなに故人のことを熱く語っていたのに)
・亡くなったばかりで、思い入れが強すぎることで自分の文章を客観的に見られていない。
こんなところでしょうか
さてそんな中、個人的な好みで追悼文を選んでみました。
井上氏の出世作 「霊柩車の誕生」の執筆を最初に面白がってくれたのが多田道太郎氏であることに言及しています。
増補新版 霊柩車の誕生[Kindle版] 井上 章一 朝日新聞出版 2013-07-02
|
確かにこの組み合わせしかないなと思わせるものがあります。
多分宮崎学が亡くなったらアウトローと銭つながりで筆者は西原理恵子かな
土壇場の経済学 青木 雄二,宮崎 学 南風社 1998-07
|
The文学者の死をThe評論家が追悼するという王道。
お互いのポジションや関係性をも込みで数少ない名文です。
お互いのポジションや関係性をも込みで数少ない名文です。
原田芳雄は中上健次が好きで毎年墓参りを欠かさなかったというエピソードが意外
JBは書き手のあなたのことは知らないのでは?というツッコミ をおそらく数名がしたはず。
三省堂さんにたくさん置いていますので手に取ってみてください。
コメントを残す