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葬祭ディレクターは役に立たない?




消費者にとって葬祭ディレクターの資格は役に立たない?

雑誌や新聞で葬儀特集が組まれると
1級葬祭ディレクターが多い葬儀社を選ぶとよい

という意見を目にすることがあります。

この意見は必ずしも正しいと言えないと思います。

葬祭ディレクターが多いか少ないかは、
その葬儀社の評価につながりません。

まず1級葬祭ディレクターとはどんな資格か、という話です。
ざっくりいうと葬儀屋さんの資格の中では最も権威があります。

(葬祭ディレクター技能審査協会ホームページより一部引用)
葬祭ディレクター技能審査協会は、葬祭業界に働く人々の技能振興を目的とし、平成7年に設立されました。
(中略)
試 験内容は、専門知識はもとより、技能においても、設営・運営に関するものだけではなく、お客様に適切な対応ができるかを評価するものとなっていますご遺族 の身になり生活者の立場に立って、高い見識・技能・知識をもった専門家としてサービスを提供できる人材であってほしいとの考えからです。
(引用終わり)

ちなみに私は葬祭ディレクター1級を持っています。
現在の葬祭ディレクター1級の合格率は平均すると50%くらいでしょうか。
試験内容は
学科試験と実技試験(幕張・接遇(挨拶みたいなもの)・司会)で構成されています。

さてこの葬祭ディレクターを基準にした葬儀社選び方の問題の一つは、
その葬儀社に1級葬祭ディレクターが多いということをどのように確認するのか?
という点です。
従業員が、葬祭ディレクターのIDカードを着用しているところもありますが、
ほとんどの場合、その会社に聞いてみるしかないでしょう。
さらにその葬祭ディレクターの人数が本当かどうか消費者はチェックできません。

また自分が葬儀の依頼をするときに、
1級葬祭ディレクターが担当になってくれる保証はありません。

さらに「1級葬祭ディレクター=良い担当」か?という根本的な問題があります。
多分相関関係としては「難関医大出身=名医」くらいのものではないでしょうか。
無関係ではないだろうけど・・・いう感じです。
国家資格を持っている精神科医より
資格は持っていないけど有能なカウンセラーはたくさんいますしね。

良い葬儀担当者にはホスピタリティが不可欠だと思いますが、
葬祭ディレクター試験ではそのあたりのことは、わかりません。
葬祭ディレクターが誰もいないというのは、あまり良くない葬儀社と言えると思いますが、
1級葬祭ディレクターの数が多いからといって、
良い葬儀社であるとは必ずしも言えないと思います。

ここまでお読みいただいてありがとうございます。

では何を基準に葬儀社を選べば良いのでしょうか?

その答えは葬儀社の選び方の記事を参考にしてください。

あと、葬祭ディレクターを受験する方向けの記事です。

葬儀屋さんにとって葬祭ディレクターの資格は役に立たない?

葬儀屋さんが転職する場合
葬祭ディレクターの資格を持っていることは
採用に有利かどうか
思うところを述べたいと思います。

本題に入る前に
現在の葬祭ディレクターの統計的な実態は以下の通り。
葬祭ディレクターのサイトより一部引用)

平成8年夏に第1回試験を実施して以来、本協会が認定した1級葬祭ディレクター、2級葬祭ディレクターは23,604人(平成8年度から23年度までの累計)です。これは平成21年葬儀業従業者総数85,115人に対し27.7%を占めます

1級のみの累積合格者数というのはのってなかったのですが
(過去の合格者数を丹念に調べれば判明すると思いますが、
すいません、面倒だったので(^^;))
葬儀屋の5人に1人は葬祭ディレクターの資格を持っている
というところでしょうか。

今が「ちょうどいい」バランスですね。
1割切っているとマイナーな感じですし、5割超えるとありがたみがないですし。
女性社員1
さて
「葬祭ディレクターの資格を持っておくと
採用のとき有利ですか
?」
という質問をたまに受けます。

私の考えは
無いよりはあった方が良いが
葬儀社によってその評価は異なる
というものです。

以下、その理由です。

採用の評価は株価に似ていると思います。

ほとんど利益を出していない会社の株に高値がついていることがありますが
これは将来生み出す価値を、
現在価値に織り込んで投資家は評価しているわけですね。

採用も一緒です。
将来性を織り込んだ人的資本の評価をもとに採用します。

ということで
完成された葬祭ディレクターより、
将来性のある素人の方が
評価が高くなるケースも多々あります。

採用対象者の能力を全て知りうることができるなら
葬祭ディレクターを持つことのアドバンテージは
ほとんど無いといってよいでしょう。

とはいえ、これは机上論。

実際に(面接のときなど)採用の現場で採用担当者が
「全ての能力を知りうる」
ことは不可能です。

情報が不足している状況では
ほんのわずかな情報に
採用担当者は過大な評価を下しがちです。

少なくとも葬祭ディレクターの資格は
基本的なことは一通りこなせるというシグナリングの機能を果たします。
(この構造は英語がしゃべれる、 とか いい大学を出ているとかと同じ仕組みです)

この点
持たざる者より持っている方がよい印象を与えることができる分
有利です。

これが「無いよりはあった方が良い」理由。

ただしこの有利さは
採用側の葬儀社の事情によってもかわります。

なぜなら
葬祭ディレクター資格を所有していることに対する評価は
就職希望先葬儀社のスタッフの葬祭ディレクター比率に反比例する
からです。

わかりやすく言うと
葬祭ディレクターの資格を持っている人がいないか少ない葬儀社だと
持っている人を過大に評価する
っていうことですね。

逆に教育体制がしっかりしていて、
みんなが葬祭ディレクターの資格を持っているような葬儀社では
葬祭ディレクターに対する評価は(相対的に)低くなります。
「ちゃんと勉強すれば葬祭ディレクター資格は誰でも取れるんだから
資格を所有していることは大して評価しない」
という理屈ですね。

(余談ですが
1級は「葬祭実務経験を5年以上有する者、
または平成22年度以前に2級合格後2年以上実務経験を有する者」
を満たさないと受験資格を与えられないことになっています。
しかし全くの素人でも試験対策に特化した勉強を50時間くらいかけて施せば
合格のボーダーラインへ持って行ける
と思います。
現にコレって葬祭実務経験としてカウントされるの?
っていうグレーな経歴の人が受かっている事例も耳にします)

と、いうことは葬祭ディレクターの資格所有者は、
葬祭ディレクターが少ない葬儀社を転職先として狙え、って言いたいところですが
そういうところは
レベル的には???
ってことになるのかも・・・

追記

それから2級はあんまり採用の場では評価されないと思うので
受験の手間を考えると(最短の4年で1級を取りたいと思う人は別にして)
2級は飛ばして最初から1級狙いでいった方が良いのでは
と個人的に思います。

 

葬祭ディレクター受験資格にある勤続年数の制限を外してはどうか?

今回は葬祭ディレクター試験改革案として
葬祭ディレクター受験資格にある勤続年数の制限を外して一般開放してみては?
ということを提案します。

現在葬祭ディレクター試験の受験資格は
1級・・・
葬祭実務経験を5年以上有する者、
または2級合格後2年以上葬祭実務経験を有する者
2級・・・
葬祭実務経験を2年以上有する者
となっています。

勤続年数制限撤廃を考え出したきっかけは
受験資格に満たない2,3年の勤続年数にもかかわらず勤務先の葬儀社と結託して提出書類に虚偽の記載をして、1級の試験を受けて合格している人がいるという話を最近耳にしたからです。

たしかに勤務年数に関しては勤務先の葬儀社を信用するしかありません。
そうなると葬儀屋相手に性善説を取る仕組み自体にそもそも無理があります(^^;)
もちろんこういうことをしているのはごくごく一部の悪質な葬儀社だけですが。

しかしよくよく考えてみると
2,3年の実務経験で1級に合格できてしまう人がいるというのは、そもそも勤続年数制限の設定自体に意味がないのではないでしょうか。
もっと難易度を上げて勤続年数に関係なく、完全実力主義にした方がすっきりとして良いのではないでしょうか。

最近一部の葬儀社の中には育成に力を入れず、ずっと従業員をアルバイトレベルのままでほっておいて、目先の利益を追わせるところが増えてきています。
つまり長く業界にいるだけでスキルアップできていない人が増えてきているわけですね。
こうなってくるとさらに勤続年数に意味が無くなってきます。

そもそも試験で人生経験やホスピタリティマインドを測れるはずもなく、現在の葬祭ディレクター試験は純粋に葬儀屋としての知識量やスキルを問うものです。
それならば受験資格無しの完全実力主義にしても問題はないでしょう。
難易度を上げると不合格者が増えるかもしれません。
不合格者の何割かが翌年再受験することを考えると、(また高額な受験料を考えると検定自体が赤字運営ではないでしょうから)葬祭ディレクター技能審査協会が困るということはないと思います。

また難易度が上がることで敬遠する葬祭業者がでてくるかもしれませんが
同時に勤続年数制限を外す(≒一般の人を含めだれでも受けられる)ことで葬儀業界以外からも挑戦する人が増えてくるかもしれません。
現在どうでもいいインチキ系の終活資格が乱立しているということは、一定の資格ニーズはあるはずです。
そして業界未経験の人はよほど頑張らないと歯が立たないという設問とレベルにすればいいのです。
司法試験も年齢経歴不問ですが、実際は大学の法学部でていないとなかなか受からないですよね。

そうすることで葬祭ディレクターの認知も人気も高まるだろうし、こんな難しい試験に合格する葬儀屋ってすごいということを一般に知らしめることもできるでしょう。
その結果さらに葬祭ディレクターの価値が高まるはずです。

この提案、いかがでしょうか?
毎年恒例の葬祭ディレクター試験が先日行われました。
受験生の皆さんお疲れ様でした。
今年はどうやら学科試験が難しくなったようですね。

先日葬祭ディレクター試験の改革に関する記事を書きました。
(参考記事: 葬祭ディレクター試験は勤務年数枠を外して一般開放すべき理由
今回はさらにもう一つ改革案を提案したいと思います。

成績優秀者を発表してはどうか?

次の葬祭ディレクター試験改革案として
全国の成績上位者10名を発表する
というのはいかがでしょうか?
これによる効果としては
1.優秀な葬儀屋さんのモチベーションが高まる
2.葬祭ディレクター試験成績優秀者がいる葬儀社ということで所属する葬儀社の宣伝効果につながる
3.成績優秀者目指して合格歴があっても再度挑戦するという人も出てくるなら 葬祭ディレクター技能審査協会としても収入が増える
のではないでしょうか。
問題点としてはそこら辺の葬儀屋さんが採点官をやっているため、採点結果が厳密ではないという点が挙げられます。
しかし合否ラインで採点がぶれるのは問題がありますが、上振れして成績優秀者として扱われるのであればその辺は許してもらえるでしょう。

試験

もしかしたら全葬蓮がやっている葬祭コーディネーターコンテストと被る懸念があるかもしれませんが、あちらは大して知名度が高くないので(^^;)
葬祭ディレクター試験をプッシュしてくべきだと思います。

葬祭ディレクター合格書の写真はどうにかならないか

提案ついでに細かい話ですが葬祭ディレクター技能審査協会へのお願いです。
合格証の写真ですが、写真の明度をかなり落とす修正を加えていませんか?
提出した証明写真はそんなに暗くしていないはずなのに。
葬儀屋さんだから暗い写真がいいという発想を、もししているならば改めたほうがいいと思います。
関連記事
今度の葬祭ディレクター試験で最も注意すべきこと | 考える葬儀屋さんのブログ











6 件のコメント

  • 私は葬を18年やっていますが ディレクター免許は取りに行ってません 社葬から自由葬 個人葬 警察対応 遺体の修復 空輸迄何でもこなします 一級ディレクターの人達に質問しても
    まともに答えられた人は誰もいないし 質問されるのを怖がって誰も近づいて来ないです
    ペーパーディレクターがやたら多いと思います 若い女の人とかで とても社葬をこなせると思わない人迄 一級ディレクター気取りが おかしいと思う 私は社葬で費用8000万と返礼品12000個とか やったり 国会議員に弔辞を教えたりとかもした事が有りますが ペーパーディレクターに出来るとのかと疑問ですね 今の人は教えられた事しか出来ないと思う
    私はかなりマニアックなので 寺に聞いたり諸外国の大使館に必要書類を聞きに行ったりして独自に覚えました 遺体の処理 も大学病院の解剖助手を依頼されたり 警察の依頼でバラバラ遺体も縫い合わせたりしたり 他の葬儀社から依頼を受けた事も有ります 
    なんちゃってが多い時代になったと思います
    ディレクター資格で 逆にレベルが下がったと思います うわべだけで中身が薄い

  • 考える葬儀屋様 
    実際に施行実績を書類化して 嘘でないと署名して 経験値を積算して発行
    嘘がバレたら免停位にして欲しい それ位の緊張感が必要と思う

  • 考える葬儀屋さん
    この前他社の葬儀社の20代 半ば位の少し太り気味の女の子が ディレクター免許付けていた 自宅葬で 幕張って 天井とかに 飾りとかした事もな無いと 思う
    自分など 幕張って天井とかに天蓋シャンデリア作ったり色んな飾りやってたが
    遺族親族とか町会の親父さん達とか ずっと見てて 終わるとさすが こんなの見た事無いとか 葬儀終わっても張っといてとか言われたが 今の人達は 葬儀社のマニュアルだけの事しか出来ないと思う マニュアル意外の事聞かれたら 教わって無いとか言うのですかね
    自宅に仏壇が2つ 墓2つ 沖縄の亀甲墓 親墓 子墓 今がんす 神がんすとか
    話しても意味がわからないと思います あの方達のお陰で 全体の給料が下がって来たと思う 今日この頃です

  • 考える葬儀社様 
    プロフィールを拝見致しました お会いした事はございませんが
    貴方みたいな感じの人と一緒に働けたら 落ち着いてもっと良い仕事が出来た様な気がします
    現在の所は私が口を酸っぱくして 注意を促していましたが 上の方達が とんでもない事をしてくれて かなり深刻な状態に陥ってしまい 現在 転職活動中です  
    今更ですが なぜ私が警告してたのか 上の人達も今更認識しても手遅れなのですが 
    専門知識の無い人達からすると うるさい奴だと思ってたと思います
    私の経験からすると この後の想像がつきます
    若い人達も 深刻な状態に陥ってる事にあまり緊張感が無く 無知とは怖いものです
    せっかく成長させて来たのですが 残念な気持ちですね

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