今回は私の経験した葬儀の事前相談の実例を挙げていきたいと思います。
お手数ですが事前に
葬儀屋さんに事前相談する前にこれだけは知っておこう
と言う記事を読んでいただけるとありがたいです。
数年ほど前に福岡市内の葬儀社を訪問して回ったことがあります。
福岡市や北九州市は日本でもっとも人口比で葬儀式場の多い地域です。
近年の大手互助会の参入で明らかに式場は飽和状態に有ります。
そんな激戦区を見てみたいと思って足を運びました。
福岡1社目
モデルケースの一つ目として福岡市内のS社を取り上げたいと思います。
このS社は福岡市を地盤としており、市内に式場をいくつか持っています。
大手互助会が参入するまではトップクラスだったようです。
福岡市内では、競合する葬儀社の式場が、道路を挟んで向かい合って営業している光景を良く見ました。
この葬儀社も道を挟んで反対側に、後発の大手互助会が式場を建てています。
福岡市の消費者側としては、近所にあるから選ぶというだけでなく、
嫌でも厳密に葬儀社を選別するという作業が必要になってくるのではないでしょうか。
まず玄関を入ると初老の女性の方がいました。
「事前相談にお伺いしたのですが」
と告げると
「あちらを右に曲がってつきあたりまで進むと事務所です。」
と言われました。
案内はしてくれないようです。
5分ほど待っても誰も現れないので帰ろうかと思った時、また別の初老の女性が現れました。
同じ様に「事前相談にお伺いしたのですが」と告げると
奥の部屋に通されて
「少しお待ち下さい」と言われます。
そこからさらに10分待たされました。
10分は「少し」なのでしょうか。
やっと60歳くらいの男性が現れました。
この時点で社員レベルの想像はついていたのですが案の定、
お前はミラノ出身か(^^;)
と言いたくなるような派手なネクタイをしています。
おまけにネクタイを緩め、シャツの一番上のボタンを外しています。
ミラノ出身の可能性もゼロではないと思いますが
職業上、ふさわしい格好とは言えません。
このように第一印象は良くないのですが、ここではひとまず私の主観は横に置いておきましょう。
(顧客の側から見て担当者の第一印象で選ぶのは悪い事ではありません。
むしろ正しい事です。
私の経験でも葬儀屋さんの第一印象と、その人の最終的な能力の評価が大きく異なる事はありません。)
無宗教葬をしたいと告げると、一応の菩提寺と墓の事は尋ねられます。
進行についても最低限のこと(黙祷・弔辞・献花)は答えてくれます。
祭壇のサンプルが画像を見たいと言うと、
「ありません」
と言われました。
うーん(-_-)
女性社員が担当する事はありますか?と聞くと
「当社には女性の担当者がいない」
と言われました。
そうでしょうねぇ(-_-)
霊安室が見たいというと
「式場の控室に安置するので霊安室は無い」
と言われました。
費用の見積り例が欲しいと言うと、
手元の便箋に霊柩車はいくらと、書き出し始めました。
なにか印刷されたサンプルはないのかと尋ねると、
「ありません」
といいます。
お陰で30分ほど時間をかけて見積もり作成につきあわされました(>_<)
おまけに自分で書き込んだ金額が見づらかったらしく、電卓で合計金額を算出するのに、5分ほど待たされました。
金額も特にコメントするようなところはありません。
最後に
「御社のアピールポイントは?」と聞くと
「見積書に書かれている以外の物は請求しません」と言いました。
当たり前じゃん(^^;)
つまりアピールポイントは無いということでしょう。
帰り際にその担当者の名刺を貰っていない事に気づきましたが、
「もう十分」と判断し、こちらから要求する事はしませんでした。
多分ここは10年後に無くなっているのではないでしょうか。
福岡2社目
T社(福岡市内)
ここも道を挟んで別の葬儀社が式場を建てています。
入口で用件を伝えると、事務所の一角のスペースに通されました。
ここの事務所はスタッフが全員前を向いているスクール型のイスの配列で、その視線の先に私が座っているという状態です。
背の高い植木が壁代わりに何本か立っているのですが、かなり圧迫感があります。
これはマイナスですね。
担当者が現れて名刺を受け取りました。
イスに座るなり「暑いので申し訳ないのですが上着を脱いでいいですか」と聞かれました。
これはマナーをわきまえており、ドレスコードも分かっていると理解でき、好感が持てました。
無宗教葬のことを聞きたいと申し出るとお墓のことについて確認をとられました。
式の内容について質問すると基本的事項の他にイメージビデオの放映も勧められました。
式場にも大型プロジェクターを備え付けているようです。
また病院からの出発した際に御自宅の前を通る提案も受けました。
なかなか良いと思います。
祭壇画像も柩を式場の中央に置いたタイプを見せるなど、写真の種類がたくさんありました。
生前着ていた洋服を飾るためのトルソー(マネキンみたいなもの)も飾られていました。
霊安室は遺族控室を使用するそうです。
この辺りはどこもこのやり方が一般的なようです。
たぶん式場の数が飽和状態のため、控室安置が可能なのでしょう。
そうでなければ式場使用時間を限定してしまう控室安置の方法は採らないはずです。
女性社員が担当できるかとの質問には「当社は3分の2が女性社員なので、充分可能です。」
との返事です。
御社のアピールポイントは?と聞くと即座に
それは3つありまして・・・
と説明を始めました。
斬新なものではありませんでしたが、トップの思想が末端にまで浸透しているという印象を受けました。
ここは生き残るでしょうね。
3社目
福岡市内の大手互助会系のB社を訪問しました。
事前にこれから事前相談に行ってもいいかと電話をした際、
「午前中は忙しいので、午後にして下さい」
と言われてしまいました(-_-)
おまけに誤ったバスの路線番号を教えられてしまい、博多駅で迷う事になってしまいました。
式場に足を踏み入れると、想像したとおり建物は豪華です。
互助会は顧客の積立金で先行投資ができるので、設備の豪華なところが多いようです。
担当の男性の方の印象は誠実そうで、悪くないです。
ただし受付カウンターで事前相談を行うのはどうでしょうか。
人の行き来があり、プライバシーが守れません。
私との事前相談中なのに、同僚の方に行ってきますと声を掛けられ、
「行ってらっしゃい」と返事しながら伝達事項を言い添えていました。
事前相談の最中なので声を掛けるほうも、返事をするほうも無神経だと思いました。
これだけ建物が豪華なのだから、落ちついた応接室でも作ればいいのでないかと思うのですが。
その他の項目への対応は普通です。
しかし互助会に入会しないと見積もりを作ってもらえないというのが、かなり疑問に感じました。
これって買うって約束しないと値段を言わないという理屈ですよね。
互助会ってこういうところ多いですよね。
この対応では、逆に入会率を下げてしまうと思うんですけど。
そこはもしや、M社の斜向かいに位置するポストモダン(笑)な建築の巨大式場でしょうか?
私も昨年訪問しましたが失笑の連続でした。
でもひょっとしたら、窓際の社員が会館に常駐しているのかなと。外に出ている社員の中にはパリッとした連中も多いのかなと。
実態はいかがなものか。当該葬儀社のどなたか、こちらのブログを見ているでしょうかね?(笑)
都内葬儀社員様、いつもコメントありがとうございます。
おっしゃるとおりです(^_^)
たしかフューネラルビジネスのバックナンバーを調べて、行き先を決めたような記憶があります。
それにしてもM社のドミナント戦略って、えげつないなぁと思いましたね。