5月20日から公開中の
吉野耕平監督2作目の長編映画「ハケンアニメ」を観てきました。
泣きました。
感想をできるだけネタバレなしで語ります。
ストーリーはこんな感じです。
初めてテレビアニメの監督を任された斎藤瞳。
土曜の同時刻には、他局でもう一本アニメ作品が放映されることが決まっており、その監督は斎藤瞳がずっとあこがれていた王子千晴。
斎藤は王子の作品を観たことで、アニメ監督を志した。果たして斎藤は勝てるのか?
当初「ハケンアニメ」と聞いて「派遣?」と思ったのですが、「覇権」でした。
なぜこの映画を観に行ったのか
今回なぜ、この映画を観にいったかというと、吉野監督とは少しご縁があったら。
エンドローラーズ、現在ではNETFLIXで観れるようです。
「ハケンアニメ」は「苦労してロボットの動画を作る」主人公の設定なのですが、その萌芽はこの映画に存在します。
それにしても一人で映画館来るの久しぶりだな~って思い返してみたら、前回来たのは吉野耕平監督1作目の長編映画「水曜日が消えた」の時以来でした。
どんだけ普段映画観に行かないんだよっていう。
今回アニメの制作現場が舞台です。
私、アニメ作品に関して詳しくなく、ジブリ作品はまだ「千と千尋の神隠し」を見たことがありません。
でも岡田斗司夫氏の本はよく読むので、アニメの制作現場には結構くわしいという、かなりいびつな知識分布図です。
なぜ泣いてしまったのか
私、この映画観ている途中で泣いてしまったんですよ。
普段お葬式の担当をやっていますが、式中泣いたことがありません。(参考:お葬式では泣かない – 考える葬儀屋さんのブログ)
創作物で泣いたのは過去西原理恵子の漫画「ぼくんち」を読んだときしかなく、映画では始めて。
なので自分でもびっくりしました。
なんで泣いたかって言うと
「主人公の斎藤瞳って、吉野監督自身じゃん」
と思ったから。
これはメジャーで長編映画を撮る前の時代から、吉野監督を知っているということが大きいです。
周りから見れば映画監督のキャリアを順調に積み重ねているようで、それとひきかえに、「なにもないところから一から世界を作る」ことの苦労は並大抵のものではないでしょう。
作家のテーマというものは初期の作品に詰まっていると言われます。
エンドローラーズが初期作品だとすると、ハケンアニメと併せて、クリエイターとして選ばれし者の恍惚と不安が通底するテーマだと思います。
やっとつかんだデビュー作の制作過程で、のたうちまわるヒロインのような経験を、吉野監督も経験したのだろうか・・・
吉岡里帆演じるヒロインの叫びは、これ全部吉野監督の叫びだ、と思ったら泣けてきたのです。
キャッチコピーは「好きを、つらぬけ」で、映画の中でヒロインは葛藤の末、好きをつらぬくわけですけど、吉野監督自身はいろいろ現実的な制約の中で作品撮ってるんだろうなぁと。
本編が終わってエンドロールを見ながら、吉野さんこれだけのたくさんのスタッフを仕切ったんだ・・・と思ってまた涙。
(あ、それからエンドロールは最後まで見た方がいいです。)
多分、私と同じ視点でこの映画をご覧になる方は少ないと思いますが、予備知識なしで普通にご覧いただいても十分楽しめる映画です。
是非、ご覧下さい!
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