平穏死を望むなら葬儀屋さんに相談を




今回ご紹介するのはこの本。
「平穏死」10の条件 長尾 和宏

Amazonの内容紹介
なぜ、病院よりも在宅の方が穏やかに死ねるのか?500人を在宅で看取った町医者だから言える、満足いく死の準備。
出版社からのコメント
あなたが、もしくはあなたの親が、不治かつ末期の状態になり、口から食べられなくなったり、飲めなくなったりした時、病院ではどんな治療が待っているか知っていますか?
死を先延ばしにするだけの延命治療で、よけいに苦しむケースがなんと多いことか!
500人を在宅で看取った現役の町医者だから言える、大病院の先生が教えてくれない、死ぬときの本当のこと。

平穏死とは?

関西で「平穏死」を推進するお医者さんが書いた本です。
著者の主張は、病院で不要な延命処置を施されながら死ぬより、自宅で自然に死のう
ということです。
末期ガンの方に無理な延命治療を行わないホスピスが最近は認知されてきましたが
この本ではさらにそれを推し進めて、自宅で亡くなることを勧めています。

葬儀屋さんと話しておくことが条件

この本の中で平穏死を迎えるための10の条件がのべられています。
その第3の条件は「勇気を出して葬儀屋さんと話してみよう」ということで、葬儀の事前相談を進めています。
治療の先にはいつか死があり、死があるのなら葬儀(直葬も葬儀と考えています)があります。
これは省くことのできない一連の流れですから、終末医療を考えるのであれば、当然葬儀のことを考えないわけにはいかないでしょう。

とはいえ言霊(口に出した言葉が現実化するという考え)という日本の文化の影響下で育つと、人の死を口にするのははばかられます。
そうなるとなかなか葬儀の相談はハードル高いのでは?と思われるかもしれません。
ただ私の経験上では 平穏死>ホスピス>病院死亡の患者さん の順で葬儀の事前相談を行う確率が高いです。
(平穏死の方はそれほどサンプル数が多くないのですが。)

やはり自分の死と向き合い、受け入れる過程で、
自分がこの世から居なくなった後のことを考えるからかもしれません。

私の平穏死体験

自宅死亡で家族を看取ったあるご遺族から、医師の死亡確認を取る前に葬儀依頼の連絡をもらったことがあります。
当時電話を受けた私は、平穏死の概念がありませんでした。
断片的な遺族の説明を補完する能力もなかったので、急死かと思い、遺族に救急車を呼ぶことを勧めてしまいました。

この本には亡くなりそうになっても救急車を呼んではいけない、と書かれています。
一度呼んでしまうと、救急病院に搬送され、24時間以内に亡くなると警察の検視が始まり、面倒な手続きと場合によっては不要な解剖が始まるかもしれないからです。
(参考記事:横浜市民は病院で亡くならないと10万円以上かかってしまうので、それを避ける方法を考えてみた
この場合はあわてず、息を引き取ったと思ったら、かかりつけの担当医と連絡を取り、自宅に呼ぶべきなのです。

上記の遺族の場合、幸いにも救急車をそのかかりつけの医者の病院に回すという話になり、検死を経ずに死亡確認をとることができました。

ちなみに、故人は家族に抱きしめられながら亡くなられたそうです。
そのあと行われた葬儀は故人の遺志を反映した、私にとっても非常に思い出深いものになりました。


この本の中で一点だけ引っかかった箇所がありました。
家族のコンセンサスが不要な分だけ、おひとりさまの方が平穏死がうまくいく、と言う趣旨のことが書かれています。
本当なら素晴らしいことなのですが、実際どうなのでしょうか。
資産家ならともかく、公的医療サポート体制や死後事務処理などが大変そうな気がするのですが。

この平穏死、実際そのサポート体制(例えば経験のある医者の往診)はまだまだ不十分です。
しかし病床不足のため国策として病院を放り出されてしまう時代が迫っています。(在宅医療の推進について:厚生労働省
確かに終活の選択肢としての平穏死を一刻も早く確立する必要があります。











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