葬儀屋さんの職業病

同僚を見ても、職業病と言って良いくらい腰を痛めている人が多いです。
体格の良い御遺体や重い御棺や祭壇を持ち上げる機会が多いからでしょう。

そんなわけで、持ち上げる動作についてのアドバイスを、
ちょこっと述べようと思いました。

以前葬儀屋に必要な能力 というページで、こんなふうに書きました。

「この仕事は特に脊柱起立筋を鍛えておく必要があります。
脊柱起立筋というのは腰のあたり、背骨周辺についている筋肉です。
物を持ち上げる時に使う筋肉ですね。
故人の体重が100キロを超える場合もありますから、
この筋肉が弱いと腰を痛めます。
良く葬儀屋の方で腰を丸めて持ち上げようとしている人がいますけど、
これは腰痛のもとです。
「トレーニング デッドリフト」でネット検索してみると分かりますが、
常に背骨はS字を描く(おへそを突き出し、お尻を引く)必要があります。
エー次に膝の動きは・・・
ってマニアックな話が続いてしまうのでこのあたりで終わります<(_ _)>」

持ち上げる動作のポイントは
背骨がS字を描くこと

腹圧を高めること
です。

「背骨がS字を描く」
トレーニングジムならインストラクターの方がちゃんと教えてくれるのですが、言葉ではイメージしづらいかもしれませんね。
で、良いページを見つけました。

この方は古武術の甲野善紀氏のお弟子さんのようですね。
この動作のポイントは、最初の手のひらを下に向ける動作で、
自然に「背骨がS字を描く」状態にしているところですね。
お客様の前でいちいちこの動作をやったら、ちょっと不自然ですね。
でも「背骨がS字を描く」状態を実感するのにはよいと思います。
「背骨がS字を描く」状態にすると猫背の状態に比べて
重いものが持てないと感じる方もいると思います。
しかしそれが本来その人が持ち上げても良い重さなのです。
猫背の状態は背骨に無理な負荷がかかっていますので、
その状態を続けると確実に腰を痛めます。

「腹圧を高める」
ウエストを締め付けることにより、
腹圧(お腹の中の圧力)を高め、腰を痛める危険性を低くすることができます。
パワーリフターの方がよく太いベルトをしているのを見かけますよね・・・ってパワーリフターの方自体を「よく」は見かけねぇよって自分でつっこんでおきますね(^^;)

私は作業着の時はこんなベルトをしてます。
ベルト
いわゆる「ワークマン」などの作業着屋さんで売っているやつです。
これでウエストを思い切り締め付けて、腹圧を高めています。
余談ですけど、私、年齢の割には結構いい体してるんですが(*^_^*)
顔が書生風なので作業着が似合わない、似合わない (^^;)

また制服の時に着用するベルトも、いざというとき
目一杯きつく閉められるようなサイズにしています。

腰を痛めてしまうと、現場仕事のパフォーマンスに大きく支障がでますから、葬儀屋の皆さんは十分お気をつけください。