葬儀の現場を離れた上司が部下の現場仕事を見るときに
気をつけるべきと思われる点を自戒の意味を込めて
二点述べたいと思います。
一つ目。
プライオリティ(優先順位)を考えず、
葬儀担当者の細かいアラが目につきやすくなっているという点です。
葬儀担当者は当然葬儀全体を見ています。
そしてサービス業に満点も完璧もありません。
無限にある「やるべきこと」からプライオリティ(優先順位)をつけて、
処理していきます。
逆に、チェックを入れる立場の人間は
個々の部分にフォーカスしやすい傾向があります。
その状況においてプライオリティの低いことを指摘してしまうのです。
担当に対して達成できていない点を指摘するのは構わないのです。
しかし担当と同じ階層の視点も持ってあげないと、注意したところで、
担当サイドは「いや、それはわかっているけど」という話になってしまいます。
自分の現役時代はそんな指摘を受けいれ難(がた)かったのに、
現場を離れるとついついそのこと忘れて指摘する側に回りがちです。
二つ目は
自分達が頻繁に担当していた昔に比べて、
現在はお客様の要求レベルが格段に上がっている
という点です。
・お葬式の単価が低下している、
・相見積もりで他社に負けてしまった、
・コンプレインやクレームを受ける頻度が上がってきた。
このような事実をもって
「今の若い奴は」的な批判は危険です。そして有害です。
お客さんの知識量は10年前と比較になりません。
葬儀の小規模化で、
大量の参列者をさばいたりするスキルや経験に関しては、
今の子は弱いかも知れません。
しかし
お客さんの要求するハードルがかつてより、
ずっと上がっている環境で戦っているので
総合力では今の若い現場担当者の方が我々の時代より数段ハイレべルだと思います。
でも、特にアルチザンタイプの上司は、
部下が自分より現場仕事が優秀とは死んでも認めません。
しかし本当に優秀なマネージャーは、自分より優秀な葬儀屋さんを
育ててコントロールできる人だと思います。
カーネギーの墓標に書かれているように
“Here lies a man who knew how to enlist the service of better men than himself.”
「己より優れた人物を使う方法を知っていた男、ここに眠る」
という境地が理想なんでしょうね。
でもそうは思いつつも、私の場合、やっぱり部下と現場仕事で張り合ってしまうんですよね。
スポーツ競技においては選手よりコーチの方が偉いはずなんですが、
コーチだって可能ならいつまでも現役でいたいはずですよね。
現在も何かと理由を付けて私がお葬式の担当を持っているのは
お客様ほど自分をほめてくれる人がいるだろうか(いや、いないっ!←反語)
、というのが一番の理由ですが、二番目の理由は、
自分の現場(=お客様)に対するアンテナがさび付くのが怖いからです。
現場から離れると、どんどんバカになると思っているからです。
きっと若手からは煙たがられてるし、
上司からはちょっとは管理系の仕事をしろって思われてんでしょうねぇ(^_^)
でも体が動くまではなんとか現場にかじりついてやる!・・・って
いつの間にか文章のテーマ変わってるし(T_T)
久しぶりのコメントです。管理職の振る舞いについて、なるほど感銘を受けました。
しかし、長くやっている葬儀社の管理職は皆、「情報非開示のボッタクリ産業」だった当時の成功体験が骨の髄まで染み付いてますからね。残念ながら、洗っても落ちないでしょうね。
(^人^;)
若い力がどんどん入ってきて、組織内の年齢構成を変えるしかないのかなと思っています。
都内葬儀社員様、おひさしぶりです(^_^)
> 若い力がどんどん入ってきて、組織内の年齢構成を変えるしかないのかなと思っています。
そーですねー。でもなかなか既得権益を手放そうとしない人も多そうですよね。
ただそういう組織は、いずれ他社との競争力も失っていくので、市場から退場していきそうですね。