老いることの幸福




あの日帰宅してガーッと書いてみて
熱量高過ぎかなと思い
10日間寝かした後読み返して
たまにはこういうのも、と思い掲載します。
私的な想いを語った話なんで
今回は読んで頂かなくてもかまいませんので・・・
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先日北青山のカフェで行われた
種ともこZABADAKの吉良知彦のライブに行ってきた。

高校時代もっとも良く聞いた国内のミュージシャンが種ともことZABADAKだった。
当時基本洋物しか聞かなかったのだけど、
種ともこと当時ZABADAKに在籍していた上野洋子
日本人女性には珍しくケイトブッシュ指向の(作曲アレンジを一人でやる)
希有なミュージシャンだったから。
どちらも(吉良さんを含めて)ケイトブッシュの影響を公言している。
どちらも同じ時期にメジャーデビューして今年で30周年。

最後にライブに行ったのは
種さんがまだメジャーレーベルにいた頃のクラブクアトロ、
ZABADAKは上野洋子の在籍ラストライブとなった日比谷野音。
もうあれから約20年が経った。

時間が経てば送り手のミュージシャンの音楽性も変わるし
受け手であるこちらの嗜好も変わる。
その後どちらに対しても、
CDの発売日を心待ちにするという10代の頃持っていた熱量は薄れてしまった。

by カエレバ

ライブの数日前、
種さんのニューアルバムをアマゾンミュージックでダウンロードした。
世の中の、音楽を聴きたいという需要自体はむしろ以前より増えたと思うが
ビジネスモデルは変わってしまった。
弔いたいという感情が不変でも葬儀の形態が変わっているように。

アルバムの出来は悪くない。
しかしかつてのアルバム「音楽 」ような

ポップミュージックの可能性を広げる前衛性を感じることはできなかった。
いまだにそれを求めている私が悪いのだけれど。

ライブの日は仕事で疲れていて
行くのやめようか、と何度か迷ったほど。
しかし予約入れた以上は、と思い結局行くことにした。

吉良さんが登場していきなりプログレのカバー曲の演奏を始めたときは
これ一体どうなるんだろうと。
やっとZABADAKの曲を歌い始めたときにはああ吉良さんだと思った。
クオリティはあの頃から落ちてない。
というか歌うまくなったかも・・・失礼。

その後、種さんのステージ。

種さんは種さんだった。
成熟ゆえの安心感。

アンコールでお二人がステージに立った。
「お互い30年続けられるとは思わなかったよね。」
という吉良さんのコメント聞いたら泣きそうになった。

そしてZABADAKのレパートリーで私が 一番好きな曲
「遠い音楽」を種さんが歌い出した。
素晴らしかった。
音楽的にどうこういう以前に
すぐ目の前のステージで二人が「遠い音楽」を歌っているのが
奇蹟のような気がした。


最近の種さんの歌詞には老いや死を語ったものが増えている。

時間が経って
老いることで衰えるものもあり
続けることで生まれる素晴らしさもある。

10代のとき大好きだった人がずっと現役でいてくれるのはやっぱりうれしい。
そう思うのは私が老いた、ということなんだろうけど
老いることであの場に立ち会えた自分はやはり幸せだと思う。
(参考記事:老いることについて

  (追記)
この後半年も経たず、吉良さんは亡くなってしまう。
ZABADAKの吉良知彦氏を悼む











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