夏の喪服マナー ジャケットは無しでも大丈夫?

暑い日が続きますが、ネット上では「夏 喪服 ジャケット無し」で検索されている方が多いようです。

本当にジャケット無しでも大丈夫なのか
暑い夏の、喪服のマナーと実用的なお役立ち情報を、
ファッションに詳しい葬儀屋さん(私のことです)が、くわしく解説します。

結論

時間のない方のためにまず結論から。

お葬式は弔意を表すフォーマルな場なので、
最もフォーマルな装いのドレスコードに従って、ジャケットの着用は必須です。

女性はアンサンブル(ワンピース+ジャケット)のジャケットを着用してください。

男性もジャケット(上着)の着用必須です。

女性の場合

 

現在女性のお葬式の参列者の9割は、アンサンブル(ワンピース+ジャケット)を着ています。
葬儀中は、ジャケットを着ましょう。

夏の喪服はワンピースだけ、はおすすめしません

「アンサンブルよりワンピースの方がフォーマルなので、特に夏場は(涼しい)ワンピースを着ましょう」または「アンサンブルのジャケットは脱ぐ」とすすめていサイトがありますが、間違いです。

くわしくは↓この記事に書きました。

女性の葬儀の服装で最もフォーマルなのはワンピースではない

欧米ではドレスのことを正式には「ワンピースドレス」と呼び、一番フォーマルな服装です。
これが日本に伝わった際、パーティー文化がないため「ドレス」という言葉が省かれ、ワンピースが一番フォーマルと誤訳されたのではないか、
というのが私の説です。

つまりフォーマル度は
アンサンブル>ワンピース
が正解。

マナー上、アンサンブルのジャケット着用は必須です。

また現在のお葬式は葬儀会館で行われることが多く、空調が完備されています。
特にクーラーは男性の体感基準で設定されていることが多いので、ワンピース姿で長時間いると、寒く感じるはずです。

というわけで、マナーの観点からも機能性の観点からも、式中はちゃんとアンサンブルのジャケットを着てください。

女性のお葬式の服装全般について知りたい方は、
↓こちらの記事を参考にしてください。

女性のお葬式の服装(喪服)について葬儀屋さんが解説します

パンツスーツスタイルで参列の方は、以下の男性向けの記事が役に立つと思います。

男性の場合

まず男性のお葬式の服装(略礼服・ブラックスーツ)ですが、御存じの通り

  • 黒いスーツ(ジャケット+パンツ)
  • 白いシャツ
  • 黒いネクタイ
  • 黒い靴

です。

繰り返しになりますが、一歩葬儀式場に足を踏み入れたら、ネクタイを締め、常にジャケットは着用しましょう。
葬儀会館内は空調が効いていますから、暑さに困ることはありません。

男性のお葬式の服装全般をくわしく知りたい方は↓こちらの記事を参考にしてください。

お葬式の服(礼服・喪服)はユニクロがおすすめ!

移動中は着なくていい

問題は移動中です。

日本の高温多湿の気候の場合、25度を超えたらどうやったってジャケット着ると暑いのです。
私が言うまでもないのですが、移動中はジャケットを脱いで小脇にかかえ、ネクタイも外していきましょう。

車で参列する方は、葬儀会館の駐車場に車を止めたら、バックミラーを見ながらきっちりネクタイを締めましょう。

電車移動の方は、式場の最寄り駅のトイレで鏡を見ながら、ネクタイを締めましょう。

本来なら、ギリギリまで楽なスタイルにして、葬儀会館のトイレで締めたいところです。
しかし葬儀会館のエントランスを入ったら、すぐにロビーにある受付に案内されるはず。
そこにノーネクタイで現れて、「ちょっとお手洗いに」というのはかっこわるい。

先に締めておいた方が無難です。

私が参列する場合、駅のトイレできっちりネクタイを締めてから、一度軽く緩めて、襟のボタンを一つ外しておきます。
その後ジャケットを小わきに抱え、徒歩で移動し、葬儀会館にあと1分くらいで到着というところで、クールタイプのウェットティシューで顔と首回りの汗を拭き、ボタンを留めて、ネクタイを締め上げ、ジャケットを羽織ります。
そして涼しげな顔で葬儀会館のエントランスに入ります。

ただ一般の方は、直前に締め直す準備を忘れて、襟元ユルユルの状態で参列してしまいがち。自信のあるかたのみどうぞ。

ネクタイの締め方は↓こちらの記事をどうぞ

お葬式のネクタイの結び方

ジャケットは総裏タイプをおすすめします。

季節によって、素材や作りが変わるアイテムは、ジャケットです。

といっても、素材に関しては、お葬式の服なので奇をてらった素材ではなく、季節にかかわらずウール素材がほとんどです。
夏用として、特別にサーマーウールを使用している商品が一部あるくらいでしょうか。

作りに関しては
総裏・・・・背中の裏地が全面にある  オールシーズン用

背抜き・・・背中の裏地を省いている  夏用

に分けられます。

背抜きは、通気性が良くなっているわけですね。

ご予算があれば、季節に合わせてそれぞれ1着ずつ用意すればよいでしょう。

これからお買い求めになる方で、1着分の予算しかない場合は総裏をおすすめします。

以下の理由です。

  • 葬儀会館内はクーラーがちゃんと効いているので、総裏でも暑くない
  • 移動中、外気温が25度越えたら背抜きでも暑いので、どちらにしろジャケットは脱いでいる
  • 総裏の方が丈夫で長持ちする。お葬式の服は流行が無く、長く使うのでこれ大事です。
  • 背抜きはシャツが透けて見えるものがあり、少し安っぽく見えることも。

半袖シャツは止めよう

年配の方の中には、シャツが半袖という方もいらっしゃいます。

  • フォーマルではなくカジュアルに見える
  • ジャケットの袖が汚れやすい

という理由で、お勧めしません。

シャツのインナーはユニクロがおすすめ

本来シャツは下着だったので、ヨーロッパではシャツの下に、下着を着ませんでした。
とはいえ日本の高温多湿の環境では、むしろ下着としてTシャツを着た方が快適です。
私はユニクロのエアリズムを着ています。

あとはクールタイプのボディシートを持参して、トイレでこまめにふくのも効果的です。

遺族限定の裏技

遺族だけが使える裏技です。

遺族は一般参列者より数時間早く葬儀会館に到着します。
そのため、移動は涼しい普段着で
お葬式の服はガーメントケースに入れて持参し、開式数時間前に葬儀会館の控室で喪服に着替えてしまう、という方法があります。
遺族は、お通夜終了後最後に帰るので、また普段着に着替えて帰ればいいのです。

これなら

  • 快適に移動ができる
  • お葬式の服が汗でヨレヨレにならない

というメリットがあります。

一方デメリットは

  • 直前でネクタイなどアイテムを忘れたことに気づく人がいる
  • 参列者はマネできない

です。

参列者は、既に受付が始まって混雑し始めた時間帯に現れます。
葬儀会館に着替え室があるところも多いのですが、玄関からそこにたどり着くまで人目に付かないようにするのは困難です。
この方法は止めた方がいいでしょう。

寺院の葬儀は暑い

最近は少なくなりましたが、お寺の本堂でお葬式をすることもあります。
お寺の本堂は密閉性も低く、広いのでクーラーが効きづらいです。
これは覚悟してもらうしかないですね。

以上、夏の喪服のマナーでした。

これからお葬式の服をお買い求めの方は
↓こちらの記事を参考にしてください。

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急ぎで喪服や礼服が必要なときは・・・葬儀屋さんが教えます