今回は厳しめの意見を。
主旨は消費者の人に対してもっとがんばってほしい、というエールです。
念のため。
ある消費者の苦情
先日
国民生活センター(消費生活センター)発葬儀トラブルのプレスリリースは情報操作の疑い有り
という記事を掲載しました。
そこで取り上げた国民生活センター(消費生活センター)のプレスリリースの中に
ある消費者の苦情が掲載されています。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20151217_1.pdf
「お金がないので家族葬でお願いしたい」と伝える
と、「家族葬と言っても様々な追加料金が発生するので、結果的に一般葬と同じになりますよ」と一般葬の契約を強く勧められた。何度も家族葬の希望を伝えたが、同じ説明を繰り返され、延々6時間もやり取りし、最後には精神的な疲れもあり根負けして約 150 万円の一般葬の契約をしてしまった。葬儀は終わったが、お金がなく支払うことができない。どうしたらいいか。
(2015年9月受付、60歳代、女性、給与生活者、青森県)
家族葬の定義など存在しない
一般的なお葬式とは別に
家族葬という形式のお葬式が存在していると思っている消費者の方もいるようです。
しかし家族葬という言葉は存在しますが、家族葬の定義というのは存在しません。
言い替えるなら家族葬に実体は無いのです。
一部の葬儀屋さんが小規模なお葬式のことを
家族葬と呼び始めたに過ぎません。
葬儀屋さんにとっては葬儀の名称は大した問題ではなく
変動費項目である料理と返礼品をいくつ用意したらいいか
という問題でしかありません。
(もちろんこの構造の説明責任は当然葬儀屋側にあります。
また昔は参列者の多寡に合わせて式場や祭壇を替えて・・・ということもあったと思いますが
葬儀が小規模化した現代はそういうこともほとんどないでしょう。)
例えるなら
お返し物のお菓子を20個用意するか50個買用意するかという話に過ぎません。
消費者の方にはこの辺りの仕組みを理解してもらいたいのです。
モンスターカスタマーでは?
上記の苦情によると
総額150万円になったということなので結局そこそこの
人数が参列した(それなりの返礼品と料理を用意した)のではないでしょうか。
それゆえ「結果的に一般葬と同じ 」という葬儀屋さんの発言になったのだと推測されます。
延々6時間もやり取りし、最後には精神的な疲れもあり根負けして~
のところは恐らくウソか誇張でしょう。
葬儀屋さんなら分かると思いますが、そもそも6時間も同じ説明はしていられません。
葬儀の場合、ほとんどの物品やサービスを提供した後で葬儀代金を回収します。
お客様に支払い能力を超える商品を無理矢理売りつけたら
結局葬儀代金が回収できず葬儀屋が損をしてしまいます。
2時間程度の説明で理解してもらえないなら
葬儀屋さんは未収リスクを回避する(そのお客さんとは契約しない)方をとります。
(現に今回の事例は焦げ付いています)
約 150 万円の一般葬の契約をして~
の記述からすると、葬儀前に金額の提示はしているということですので
サインはしたけど後で払いたくなくなったというのが
ありそうな話だと思います。
確かに葬儀屋の説明も拙なかったのかもしれません。
しかし間違った説明をされたというならともかく
よく分からなかったのなら大人の常識としてサインはしてはいけません。
葬儀屋さんから見るとこの顧客は
契約書にサインをしたのに代金を払わないで国民生活センターに訴えるモンスターカスタマー に見えると言ったら言いすぎでしょうか。
悪い葬儀屋さんを市場から追い出す手段は、消費者が良い葬儀屋さんを選ぶ以外にない
もちろん(大分減りましたが) 悪い葬儀屋はまだまだいます。
しかし悪い業者がいる、というのはすべての業種に言える話で
たとえば金融業界は葬儀屋より頭がいいぶん
彼らの方が盛大にかつ巧妙にやっているという印象を受けます。
グローバルソブリン購入したり、外貨預金の口座作ったり、生命保険入ったり
宝くじを購入しているような人は
おそらく葬儀屋にも払わなくてもいいお金を払ってしまうでしょう。
葬儀業界はもっとアナウンスすべきというご意見もあると思います。
もちろんアナウンスが足りないのは事実ですが、
一方でどれだけアナウンスしても消費者側に情報をキャッチする気がなければ
効果がありません。
安保法制や大阪都構想の世論調査で
いつまでたっても「よく分からない」と回答する人が結構な比率でいましたが
こういう人達は自分から調べようとしていないのではないでしょうか?
橘玲氏も言っているとおり
分かっていない奴は金を巻き上げ続けられる、
それが市場経済です。
金融商品は、ひたすら近づかないってことはできますが
死は避けられない、つまり葬儀は購入せざるを得ません。
この構造的問題は確かに消費者にとっては不利でしょう。
しかし現実に問題が起こっている以上、
そのことを認識しないで手を打たない結果
損をしてしまうのは自己責任と言わざるを得ません。
(厳しいことを言っているのは重々承知しています)
私はある程度の行政に介入してもらうのが理想だと思っていますが
しばらくは市場原理に任せるしかないのです。
(参考記事:葬儀業界と葬式仏教界の競争原理の違い 1/2)
潜在意識の穢れ思想に身を委ねて
葬儀屋の悪態をつくのは自由ですが
それでは問題を解決できません。
以前からしつこいほど繰り返していますが
悪い葬儀屋さんを市場から追い出す手段は、消費者が良い葬儀屋さんを選ぶ以外にない
のです。
日頃から正しい知識を身につけましょう。
家族葬の件、同意しますねぇ…
定義はお客さま次第ってとこでしょうか。家族のみの密葬に近いものも家族葬ですし、家族、近親者+近所の方々や親しい方々が参列する小規模葬儀もお客さまが家族葬と思えば家族葬になるような気がします。
うちのような田舎と都会では違うのかもしれませんが、6時間も延々と打ち合わせなんてしてられません(^-^;
お疲れ様です。
いや~ 先日、戸田葬祭場のエントランスに2時ごろから3時まで立っておりました。
遅い時間帯は洋型霊柩車がなくなり、バン型のオンパレードですね。
御喪家も最高で15名程でした。大抵は5~6人程度。
酷い業者はヘラヘラしながら、頭と足を逆転させて棺レールに乗せていたらしく
火夫さんの指示で4人がかりで反転させました。所要約5秒。くるり!
霊安室からの出棺も3時に何件かありました。告別ホールで待つ人などおりません。
斎場内移動用超古いエステマもナンバープレートなしでグルグル走ってました。
Mikkabouzuさんのいう直葬反対の意味が分かったようです。
ありゃあ寂しすぎる、密葬ならできるかもですが、あれで終わりじゃ寂しい。
シクシク36!
6時間の精神力には脱帽ものです。というか何時から何時までやってりるのでしょう?その後の予定が狂います。家族葬ですね?はい からスタートする話が多いですね。もちろんそのまま親族だけで行う人もいれば、家族葬を安いプランだと思ってる人もいらっしゃいますよね。本日は身寄りが兄弟のみの方で五人で送りますが
お寺も葬儀中の初七日に寛容になってこられていますね。最近は法事も危なくなってきてますよね。
直葬については環境によっては仕方ない人もいらっしゃるように思います。
旦那さんに先立たれ、そのお母さまをお嫁さんとお子様のみで親族が付き合いがまったくないとかいらっしゃいます。それは今後の生活を考えれば予算も厳しい。
でも、直葬で親族がたくさんお見えになり料理もないのか?とか言われ若干もめてるのは困ります。懸念される問題も提示しているんだけど「あ~だいじょうぶだいじょうぶ」で当日全然大丈夫じゃない・・・。
田舎の葬儀屋さん 様
>6時間も延々と打ち合わせなんてしてられません
私も3時間が限界ですね。
LAW 様
戸田葬祭場のエントランスに2時ごろから3時まで立っておりました。
この季節、お体大丈夫でしたか?
かかし 様
>「あ~だいじょうぶだいじょうぶ」
ありますねぇ、このケース。
おはようございます。
小学校でリトルリーグ、中学校で野球部。。。さらに
中学でチャレンジザギネス!
スパゲッティ早食い競争世界選手権惨敗
800G 1分33秒 ぎりぎり届かず!!!
小学校から極真空手10年全日本選手権・・・
高校で山岳部国体予選決勝。。。
零下30度のアルプスでも絶対に死にません。
ご心配、どうもありがとうございます。
初めまして。
今回初めて読ませて頂きました。
6時間の打ち合わせですがうちの会社が出入りしている葬儀社でつい先日ありましたよ。
昼の11時から打ち合わせが始まり17時まで打ち合わせで、そのまま18時からのお通夜でばたばたでした。
私は出入り業者なんですが、その時にお客さんに言われたのが
「担当に何を言っても
絶対に了承しなくて「これは絶対に必要な物ですから!」としか言わなくて6時間も監禁に近い状態にされた」と私にぼやいていました。
最終的には根負けしてお客様が折れたらしいのですが、その時の打ち合わせ担当は打ち合わせをするだけして次の日休みだからと言って、施工担当は違う人になっている上にお客様から聞き出すと10万円もする供花や30万もする棺を買わされていました。
最近は祭壇でお金が取れないからと言って小売り類でぼったくる葬儀社が増えてますね。
mao 様、
設営や納棺を他のスタッフにやらせていたとしても
開式1時間前まで打ち合わせするでしょうか。
その担当者が上司からどやされると思うんですが・・・
打合せ者の言い分も聞いてみたいところです。
11時から17時まで打合せ。枕経とかどうしたんだろ。納棺イツなの!?
mao様は何の業者さんでしょうか?お花屋さん?バタバタというかお金もらえない段取りですよそれ・・・。もういい!よそに頼むか、上司出せ コラでOKです。業者さんにぼやいてもね。
>>最近は祭壇でお金が取れないからと言って小売り類でぼったくる葬儀社が増えてますね。
風評被害ですね~増えていないと思います。10万の生花はたまに聞きますが~祭壇で稼げなくなったのでその他のオプション項目やアフターなどを増やしているが
正しいと思いますよ。間違いなくボッタクリは淘汰されつつあります。
物理教師様
現場を知っている人からすれば嘘だろ!と思うかもしれませんが、18時開式のお通夜でも大抵納棺が終わるのが17時~開式直前というめちゃくちゃな葬儀社さんなんですよね・・・
現場では一番上の方でもそんな段取りなので、上司から怒られることも無いのですよ。
そんな葬儀社なのに私の地方では10件近く自社の会館を持っている会社なので驚きです。
かかし様
そこの葬儀社ですと枕経は大抵通夜中にする事が多いですね。
打ち合わせ→納棺(納棺中に飾り)→10分ほどの喪主との打ち合わせ→式説→開式。この一連が間髪入れずなのでお客さんの拘束時間はとんでも無い事になっていますよ。
毎回がそうとも限りませんが、他の葬儀社さんと比べると異常なまでに時間に余裕がないですね。
出入り業者の私にぼやかれてもその葬儀社を批判するわけにもいかず、葬儀社のフォローをするしかないので、うちの従業員はそこの葬儀社に出入りする事を極端に嫌がるんですよね。お客さんの愚痴はごもっともでしかないですから。
ぼったくりについては申し訳ないです。
善良な葬儀社さんがいるのを無視して書いてしまいました。
最近は特にですが小さい葬儀社が乱立しており、そういった業者に特にボッタクリと言われてもおかしくない様なサービスが増えていて、大手や中規模の葬儀社さんがしている努力を水の泡にしてしまっているのを肌で感じます。
今まで葬儀をたくさん行っていた葬儀社の件数が減り、そういった乱立している葬儀社の件数が伸びているので、ボッタクリが減っているスピードよりも増えているスピードの方が早いのではないかなと下請け業者は感じています。
mao 様
長文コメントありがとうございました。
>うちの従業員はそこの葬儀社に出入りする事を極端に嫌がるんですよね。
うん、まぁそうなりますよね。ほどほどのタイミングでサヨナラしたい葬儀社ですよね。