葬儀の打合せから準備まで

故人の安置が終わると、葬儀屋さんと今後の打合せが必要です。

☑お葬式の打合せをする

安置が終わったら次はお葬式の打ち合わせです。

とはいえもし安置が済んだのが夜中だと火葬場や式場の予約確認が取れないことが多いため、お通夜やお葬式の日程を決めることができません。
そのため時間を空けて日中の打合せになるケースが多いです。

夜の間に、体を休めてください。

また日中であっても、遺族が疲労困憊している場合や、打合せにキーパーソンが到着していない場合も、少し時間をおいてから打合せをするケースがあります。
疲れていたら無理をしないで葬儀屋さんに「疲れた」と言いましょう。

火葬場や式場は予約制なので、先に日時と場所を決めて、予約だけしておいてから、詳細は少し時間を空けて打ち合わせるという方法もあります。

事前相談をしていなければ、打合せの段階でお葬式のことについて一からいろんなことを決めていかなければなりません。

いつ、どこで、どんなお葬式をするのか、ということを葬儀屋さんと打ち合わせをしていきます。
おそらくちゃんとした葬儀屋さんであれば2時間から3時間くらいだと思います。
2時間より短いと葬儀屋さんが説明を端折っている可能性、3時間より長いと説明が下手か、選択肢をお客さんに合わせて絞れていない可能性があります。

打ち合わせ時のポイントは、恥ずかしがらずに
わからないときはわからないと言う
ことです。

原因が、あなたの理解力ではなく、葬儀屋さんの説明能力の低さによるものであることが、良くあるからです。恥ずかしがらずに、何でも聞くようにしましょう。
葬儀屋さんから説明を受けるときのポイント | 考える葬儀屋さんのブログ

☑葬儀屋さんに相談していろいろなことを決定する

葬儀屋さんと相談しつつ皆さんが決めなくてはならないことは以下の通りです。

○施主・喪主をだれにするか

施主は費用負担者、喪主は遺族の代表者です。
同じ人が務めるケースが9割です。

配偶者が高齢な場合、名前だけ喪主になってもらって、実務を取り仕切るのは子供たち、というケースも最近は多いです。
実際喪主の名前が表に出てくるのは礼状に名前を入れるときと、焼香の時に先頭を切って行うので司会者に名前を呼ばれる時ぐらいです。

出棺の際の遺族の挨拶は、必ずしも喪主がやらなくてはいけないというものではありません。
また最近は小規模な家族葬が増えてきたので、、出棺の挨拶を省く場合もあります。

収骨後の親族の会食の席では、遺族の代表が挨拶する機会が多いです。
これも絶対喪主がしなければいけないというわけではありませんが、出来れば簡単でもいいので二言三言参列のお礼を申し上げた方が印象が良いでしょう。

○参列者の決定

誰を呼ぶかということです。

身内だけにするのか、友人知人ご近所の人を含めた外部の方に声をかけるのか、かけるとしてどの範囲まで声をかけるのかという判断です。

よほど故人が生前に「参列お断り!」の意思表示をしていない限りは、外部の方にも声をかけるべきだと私は思います。
その理由に関しては長くなりますので興味のある方は私の著書をお読みください。

○日程と場所の決定

日程と場所を決める場合、以下の三つの要素

  • 寺の都合
  • 式場・火葬場の空き状況
  • 遺族親族のスケジュール

が重要になってきます。

寺の都合

意外とみなさん菩提寺(墓のある寺)があるにも関わらず、菩提寺の都合をないがしろにする人が多いです。

例えば菩提寺の都合が悪かったら、「どこか別のお坊さんにお願いすればいい」と言う遺族がたまにいます。しかし実際はそういうわけにはいきません。

菩提寺であるならば、当然最終的にそのお寺のお墓に遺骨を納めなければいけません。
そうであれば原則的にお通夜お葬式のお経も、その菩提寺のお坊さんがあげることになります。

つまりお葬式の進行を司(つかさど)るのはお寺なので、お寺の都合が最重要視されるのです。

もちろん菩提寺が、遠方にあるなどの理由で、葬儀屋さんにお坊さんを紹介してもらいなさい、という分には、
菩提寺の都合を考える必要はありません。

式場・火葬場の空き状況

式場を決める条件は、以下の4点です。

    • 立地
    • 空き状況(火葬場と隣接する公営の式場は利便性が高く値段も安いことが多いので人気があります。そのため長く待たなければいけないことがあります。)
    • 収容力(例えば300人が参列するのに座席が二十席しかない式場では収容力に問題があります。そのため参列者の人数に見合った式場を押さえなければなりません。しかし最近ではお葬式が小規模化してきているので、あまり収容力が問題になることはありません)
    • 使用料(概ね公営の式場は安く民間の式場は高い傾向にあります)

などを総合的に考えて選びます。
葬儀屋さんのアドバイスを参考にしてください。

中にはお通夜からお葬式にかけて夜も故人と一緒にいたいので、宿泊可能かどうかということを条件にあげる遺族もいらっしゃいます。

火葬場は選べるほど数が多くないので、式場が決まると最寄りの火葬場に自動的に決まります。

ちなみに都市部の火葬場は混んでて10日待たされるという話を聞くことがありますが、これはデマです。

火葬場は7日~10日間待たないと使えない | 考える葬儀屋さんのブログ

式場は空いてるのに火葬場のせいで日にちを伸ばさなければいけないというケースは、都市部では珍しいでしょう。
そのため式場どこにするかという話と並行して火葬場の選定が行われることが多いです。

通常式場を決めてから最寄りの火葬場を押さえるというパターンです。

遺族親族のスケジュール

遺族親族が参列できるスケジュールか、ということです。

遠方の親族が参列するケースも十分考えられるので、都市部のお葬式は日にちが空くことが多いです。
お子さんが海外で働いていてお葬式のために帰国するというケースも増えてきました。

以前はご遺体の状態の問題があり、日程を伸ばすにしても 限度がありましたが最近はエンバーミングという技術が登場しています。ただこの技術は特定の葬儀屋さんしか持っていないケースが多いです。(2024年の段階で、普及率は年間の全死亡者のおよそ3%ほどです。)
そのためエンバーミング技術を持っていない葬儀屋さんの場合、安置用の専用冷蔵庫に入れるか、早い段階で納棺をしてドライアイスの冷却効果を高めるかという選択肢になります。
この場合、ご遺体の状態にもよりますが一週間が限度でしょう。

 

というわけで以上の三つの条件のうち実際の優先順位は
寺の都合>火葬場・式場の空き状況>遺族親族のスケジュール
の順番となります。

この辺りの事情をくわしくお知りになりたい方は↓こちらのページをご覧ください。

実際に両親を見送って分かった身内が亡くなったらすぐにやるべき3つのポイント 2お墓編

○費用項目の決定

葬儀の内容が決まったら、次に祭壇はどれにするのか、霊柩車はどれにするのかなどを決めていきます。
見積書を見るにはポイントがあるのですが、長くなりますので、機会を改めて説明します。
興味がありましたら私の著書を読んでください。

○葬儀社見積書の受け取り

2000年以前は見積書を渡さないという葬儀屋さんもいたようですが、今時まずそれはありません。
見積書をちゃんと受け取ってください。

以上の内容を葬儀屋さんと打ち合わせます。

以下の記事(葬儀の準備)に続きます。