慣れないことが続いて大変お疲れだと思います。
しかし、葬儀屋さんとの打合せ後、最低限お通夜の日までにこれから申し上げることは行ってください。
目次
☑親族や関係者への連絡
お葬式にいらっしゃる人に対して
・通夜と葬儀の日時
・どこで行うか
・交通手段は何をつかえばいいか
をお伝えなくてはいけません。
これは決まり次第早めに伝えておきましょう。
本来この段階でエンディングノートなどで、連絡先がはっきり決まっているのが理想的です。
決まっていなければまず身内を家族単位で書き出してください。
次に取引先などの組織名を書き出してください。
組織名を書き出したら、この人に連絡しておけば全員に伝わりそうなキーパーソンを一人選んで連絡するのが良いでしょう。
喪主はまだやらなければいけないことがたくさんあるので、お世話になった方や親戚は除いて、こういった事務的なお葬式の情報の伝達は誰か信頼できる人に任せた方がいいでしょう。
ただし口頭の伝達では、遺族は疲労のために伝え間違っていたり、伝言ゲーム状態で間違った情報が伝わってしまいがちです。
一番楽なのは葬儀屋さんに訃報のメールを作ってもらうことです。
本文に故人名、年齢、続柄、喪主、日時、場所の入ったメールを送ってもらってください。
その際添付データとして式場までの地図を添付してもらってください。
後はそれを関係者へ転送するだけです。
送り先はハブ(人的ネットワークのつなぎ役)の役目を果たす人に送ればいいでしょう。
これが最も遺族の負担を軽くする方法です。
会社勤めの人は総務担当者にちゃんと伝えておきましょう。
特に参列を辞退する場合は、誤解を招かないようにしっかり伝えてください。
逆に参列してもらう場合は、葬儀のお手伝いを頼むこともあるかもしれません。
遠方の親族に関しては宿泊場所の確認を行いましょう。
おそらく慣れない土地での参列を不安に思ってるかもしれません。
最も手軽なのは、お葬式が葬儀会館で行われるのであればその会館に泊まってもらうという方法です。
知らない土地で、通夜後暗くなってから移動するという事態を避けられます。
もう一つの方法としては、葬儀屋さんに契約先のホテルがないか聞いてみましょう。
マナーとして遠方の親戚の宿泊費を遺族が負担する必要はありません。
葬儀屋さんと契約のあるホテルであれば、宿泊費用をツケ払いにして、葬儀費用に計上してもらうことができる場合もあります。
☑死亡診断書の記入(提出は通常葬儀社代行)
退院時に(もしくは翌日に)病院で発行された死亡診断書を渡されます。
A 3のサイズで右側にお医者様の死亡診断内容が書かれているはずです。
この死亡診断書を役所の戸籍課に提出すると火葬許可書という書類が発行されます。この火葬許可書を火葬場に提出して初めて火葬が可能になるのです。
ちなみにどこの役所に提出してもいいわけではなく
- 故人の本籍地
- 申請者の住所
- 死亡地
のいずれかの役所に提出可能です。
この診断書は、この後葬儀屋さんが提出を代行してくれるはずです。
細かいことを言うとお金をもらって行う手続きは行政書士でないとやってはいけないそうなのですが、この辺りはグレーゾーンです。
もちろん遺族自身が行っても良いのですが慣れないことなので不安が大きいでしょう。葬儀屋さんに任せた方が無難です。
この診断書を提出するためには左側の申請者の欄を埋めなければいけません。
ここをまず記入してください。
皆さんがよく引っかかるのが申請者もしくは故人の本籍地の住所です。
昔は運転免許証に入っていたのですが今は確認ができません。
もし調べるのに手間がかかりそうであれば、葬儀屋さんに対して、提出の時に役所で調べてもらってと依頼してください。
ちなみに提出が土日だと、役所の戸籍課ではなく時間外窓口というところで警備員の方が受付してくれます。
当然役所は週末休みですが、人が亡くなるのは曜日に関係ありませんから週末は警備員が一時的に代行してくれるわけですね。
問題は本籍地を調べてもらう時にどうしても死亡診断書を土日に提出しなければいけないという場合 。
警備員の人では調べられません。
ここだけのハナシ、こういう場合適当でいいから本籍地を書いて提出してください。
平日に役所の人がチェックして間違っていれば訂正が入ります。
単なる文字の間違いであれば確認の電話だけで済みます。大きな修正が入った場合は後日書類の訂正にうかがう可能性があります。
私の経験上、どちらにしろ火葬がストップされるという事態にはなったことがありません。
それから死亡診断書を提出すると、故人の銀行口座が凍結されるという情報がネットに載っていますが、間違いです。
役所から銀行へ連絡が行くことはありません。
☑印鑑の用意
ちなみにこの死亡診断書を役所に提出するときに、押印が必要です。
また役所の方が欄外に捨印をします。これは細かな修正を入れる場合それに同意しましたということを表すために形式的に押すものです。
このため、もし葬儀屋さんに死亡診断書の提出の代行をお願いするのであれば、葬儀屋さんに印鑑を預けてください。
普通の認印で結構です。実印や銀行印のような大切なはんこは預けないようにしてください。
ただしいわゆるシャチハタは使用できません。
役所に提出するような書類は以下の理由でシャチハタは禁止になっています。
1.同じものを入手しやすい
2.朱肉は劣化しやすい
3.ゴム製なので経年劣化して微妙に異なった印鑑になってしまう
というわけです。
普通の認印を預けてください。
(追記)2021年に法律が変わって、手続きに印鑑がいらなくなりました。
ただし、訂正印は必要なので、葬儀屋さんに預けた方が無難です。
☑遺影用写真の用意
祭壇に飾ったり火葬場に持って行ったりする遺影写真を作成しなければいけません。
そのもとになる写真もしくはデジカメのデータが必要です。
写真についての詳しい説明は過去に書いた↓この記事を参考にしてください。
☑供花(生花)の札を決める
供花とは祭壇の両側にお供えするお花のことです。
喪主の立場からすると
・自分たちが供花を決める ということと
・外部からお花を出したいという問い合わせがあった場合葬儀屋さんの連絡先を教える
という作業の二つがあります。
くわしくは過去に書いた↓この記事をご覧ください。
☑宿泊者の人数の決定
先ほど遠方の親戚の宿泊について述べました。
もし遺族が泊まってもよい式場で、泊まりたい人がいるのであれば、宿泊の予定人数を葬儀屋さんに伝えてください。
宿泊のためにお布団を用意する必要があるからです。
それから複数の家族が泊まる場合、式場の宿泊部屋が1つしかないのであれば不便です。
その場合は他に泊まる施設を探さなければいけません 。
近隣のホテルを予約できないか、葬儀屋さんに相談してみてください。
☑御棺に入れる物の用意
おそらくお通夜の日に納棺をするケースが多いと思います。
納棺というのは映画「おくりびと」で有名になりましたが、亡くなった人をきれいにして御棺にお納めする儀式のことです。
この時に副葬品(思い出の品物)を一緒に納めます。
火葬しますから金属などの燃え残ってしまうような品物はダメです。
その人の生前の愛用品、例えばよく着ていた服や好きな食べ物本・写真などを入れることが多いです。
ただし食べ物や本などはサイズや素材によってもダメな時があります。葬儀屋さんに相談してみてください。
また現在は病院で着せられた浴衣を着ているが、生前よくお召しになっていた服を着せたいという場合は葬儀屋さんに相談してください。
☑展示用遺品の用意
もし故人にまつわる品物で参列の皆様に見せたいものがあれば用意して、葬儀屋さんに飾ってくださいとお願いしましょう。
例えば故人が絵や書をたしなんでいたなら、それを式場に飾ってみるのもよいかもしれません。
故人が大学の教授だったら著作をかざることもあります。
☑音楽の用意
もし故人が生前好きだった音楽があったら、葬儀屋さんにその音楽をリクエストしてください。
仏教形式でも、開式前や開式後にはBGMとして音楽を流せます。
CD を持っていればそれを葬儀屋さんに渡せばいいですし、なければ葬儀屋さんに探してもらいましょう。
最近はインターネットからダウンロードすることが可能になったので、簡単にできるはずです。
なお公営斎場など一部の斎場では音楽を流すことは禁止されています
詳しくはこちらの記事をどうぞ
☑葬儀の御手伝いの依頼
20人前後の家族葬であれば、あえて受付などを作る必要ないかもしれません。
ただし外部から人を呼ぶようなお葬式の場合、葬儀の手伝いをする人が必要です。
- 受付・・・参列者に記帳を促します。そして香典を受け取ります。返礼品の引換券を渡す場合もあります。
- 会計・・・香典の袋を開けて金額を確認し、その金額を記録用紙に書き留めます。最終的に香典は遺族に渡しますが、それまでの金銭管理の役割も担います。
- 道案内・・お葬式の式場が分かりづらい場所にある場合、途中の道路に立って案内をします。
以上の役割はお通夜お葬式がある場合は、当然2日間 お願いすることになります。
ただし一般の参列者は都市部の場合お葬式よりもお通夜に参列するケースが多いので、最近の傾向としてお葬式の方が人数が少なくて済む場合があるようです。
必要な役割は人数は葬儀屋さんを教えてくれます。
問題は誰に頼むかでしょう。
オーソドックスなのは会社関係や友人、若手の親族(孫)あたりでしょうか。
通夜葬儀の日時/集合時間/場所/人数を正確に伝えてください。
☑火葬料現金の用意(火葬場でお支払い頂きます)
火葬場で支払う現金を用意します。
葬儀屋さんや料理屋さんに支払う費用は、お葬式が終わって金額が確定し請求書を受け取ってから支払います。
しかし火葬場はお葬式の当日使用しますので現金の用意が必要です。
火葬費用について
火葬場によって違いがありますが、費用は
- 火葬料
- 控室の使用料
- 控室での飲食費用
- 火葬場によってはお骨壷の費用
で構成されることが多いです。
支払うタイミングも火葬場によって違いますが公営の式場は火葬前に支払うルールが多いです。この場合は先に葬儀屋さんに預けておいた方が手続きがスムーズでしょう。
公営の火葬場では、全て無料というところもあります。
火葬場費用も相続税控除の対象に
また相続税が発生する場合、火葬場の費用は葬儀費用同様お葬式の経費とみなされ、相続税控除の対象となります。
相続税をざっくり説明すると、たくさん相続する場合に取られる税金です。これが相続税。
相続税控除というのは、お葬式の場合、お金がかかったということで少しだけ税金を安くしてもらえることです。
ちなみに相続税を払わなければいけない人は全体の1割くらいと言われています。
分骨もできます
遺骨を二つに分けて安置する場合があります。例えば一つは自分のお墓に、 もう一つは本山に収めたりする場合です。
これを分骨を呼びます。
また分骨する場合は分骨用のお骨壷の費用いや分骨を証明するための書類の発行費がかかる場合があります。分骨を証明する書類は分骨証明書と呼ばれます。納骨するときは埋葬許可書というのが必要になりますので、納骨先が二つある場合は代わりに分骨証明書というのを発行するのです。遺骨ををずっと自宅に置いておく場合は必要ありません。また後日必要になった場合も火葬場で分骨証明書を発行してくれます。
余談ですが過去に一度ご遺族が火葬料金を忘れたことがあります。その火葬場は、火葬が開始されて控え室に戻ってから支払うシステムでした。そこでお金を忘れたことに気づいたのです。私は「大丈夫ですよ」と笑顔で言いながらダッシュで銀行に走っていって(渋谷区の火葬場でした)自分の貯金から引き出して立て替えたことがあります。
☑僧侶の御布施の用意
御布施とは
お布施というのは
お通夜お葬式に来てお経を呼んでもらったり、戒名をつけてもらったりすることに対するお礼
です。
お寺の重要な収入源になっています。
御布施はいつ渡す?
お布施を払うタイミングについてです。
もしお通夜お葬式に来るお坊さんが菩提寺(そのお寺にお墓があって信仰の関係を結んでいる場合)のときは、お葬式が終わってから後日改めてお礼に伺った際に渡す、というのが本来の作法です。
とはいえ菩提寺のいない方は、お通夜お葬式の時だけお経を読んでもらうお寺さんを、葬儀社経由で紹介されているはずです。
もちろん後日、四十九日などの法事でお世話になることがあるかもしれませんが、菩提寺ではないお寺様の場合はお通夜お葬式の時に支払うケースが多いです。
お布施は大金なので、遺族側としてはお葬式の時よりもお通夜の時に早めに渡すのが、落ち着くと思います。
お通夜の時に初めて会うことが多いと思うので、お寺の控え室に挨拶にうかがった時に一緒に渡すようにしてください。おうかがいするタイミングは葬儀屋さんが合図をしてくれるはずです。
その際、小さいお盆を葬儀屋さんから借りて、それにお布施袋を乗せてお坊様に差し出すとより丁寧に見えます。
御布施の相場に関しては↓こちらの記事を参考にしてください。
☑出棺時の挨拶の準備
お葬式の日に、御棺にお花を入れてお別れが済んだ後、これから出棺という時に遺族の代表が参列の方に対して挨拶を行います。
挨拶に関しては↓このページを参考にしてください。
最近は身内だけで行う家族葬が増えてきたので、出棺の時の挨拶は行わないで、火葬が終わってからの料理の前に挨拶を行う場合もあります。
☑(依頼する場合)弔辞依頼者の決定
最近は家族葬が増えてきたこともあって、外部の方に弔辞を依頼するというケースは少なくなりました 。
とはいえ弔辞はお葬式を暖かく引き締める良い効果があるので、心当たりの人がいるようでしたらお願いしてみることをお勧めします。
おそらく会社の社長などでもない限り日頃弔辞を読む人は少ないので、尻込みして辞退する方もいるかもしれません。
そんな時は
「故人もきっと望んでいます」
と押してみましょう 。
社葬などの大規模な葬儀の場合、3人くらいが読み上げる場合もありますが、個人葬の場合は一人でも構いません。
もし人数が増えてくる場合はお葬式の時間を少し変更して伸ばす場合もあります。
☑略礼服・喪服の用意
(用意できない場合は葬儀屋さんが貸衣装を用意してくれる)
お葬式に着ていく服の準備は大丈夫ですか。
くわしくは↓こちらのページをご覧ください。
もし何らかの事情で着ていくものが用意できない場合は、葬儀屋さんに貸衣装を頼んでください。
ただしその場合は多少割高であったりサイズがぴったり合わなかったりする問題はあります。
以下の記事(納棺の流れ )に続きます。
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