女性のお葬式の服装(喪服)について葬儀屋さんが解説します




葬儀屋さんを20年以上やっています。

女性のお葬式の服装のマナーや購入の仕方について皆さんの不安を取り除き、短時間で全て理解してもらえるようこの記事を書きました。

急いで喪服を買わなければいけないという方は、この記事(アンサンブルはAmazonで購入するのがおすすめ)に飛んでください。

5分ほどお時間がある方は上から順番にお読みください。

また男性のお葬式の服装に関して知りたい方はこの記事を参考にしてください。
男性のお葬式の服(礼服・喪服)はユニクロがおすすめ!

子供のお葬式の服装に関して知りたい方はこの記事を参考にしてください。
子供のお葬式の服装を葬儀屋さんが教えます。

目次

お葬式の服装の基本

お葬式の参列者に必要なのは弔意(ちょうい:亡くなった人を敬う気持ち)を表すということです。
弔意を表すためには礼節(礼儀や節度)を重んじた装いをするのが最低限のマナーです・・・
と言われても、昔のように年長者からお葬式の作法を継承するという時代ではありませんし、マナーも時代とともに変わります。
お年を召した方でもなかなかお葬式のマナーやルールは分からないものです。
ましてや若い方はほとんど分からないでしょう。
(だからこのページを検索されたのだと思います)

葬儀の現場で働いている私に言わせると、一般に出回っている喪服の情報はかなりいい加減です。
執筆依頼を受けた、お葬式に参列したこともないライターがネット上に適当に記事を書いて、その記事を別のライターが参考にして別のサイトに書いて、ということが横行しています。もしくは、レディースフォーマルメーカーがむりやり高い物を買わせるための情報を発信しています。

ここでは実際葬儀の現場でのマナーはどうなのか安くて良いフォーマルウェアを手に入れるにはどうしたらいいのかというリアルな情報を提供します。
(以下、主に都市部を想定した内容ですが、近年葬儀の均質化がすすんでいるので、地方の方にお読みいただいても違和感はないと思います。)

女性のお葬式の服装は5種類

女性のお葬式の装いのスタイルは大きく分けて5種類。
女性のお葬式の服装のことをブラックフォーマルと呼ぶことがありますが、
これまで下記の順番でフォーマル度(お葬式の服装としての格式)が高いと言われていました。

喪服(和服)
ワンピース
アンサンブル(ワンピース+ジャケット)
ツーピース(スカート+ブラウス+ジャケット)
パンツスーツ(パンツ+ブラウス+ジャケット)

画像で並べるとこうなります。(画像をクリックするとAmazonのページに飛びます)

.喪服(和服)

.ワンピース

.アンサンブル

.ツーピース

.パンツスーツ

ワンピースが最もフォーマルというのは実は間違い

喪服(和服)は実際着る人が少ないとはいえ、日本人にとってもっともフォーマルな服装であることに異論はありません。
しかし上記の順番のように、ジャケットを着ていないワンピースが洋装の中でもっともフォーマルと言われるのはおかしいと思っていました。

そこで調べてみたのがこの記事です。
女性の葬儀の服装で最もフォーマルなのはワンピースではない | 考える葬儀屋さんのブログ
詳しくはこの記事を読んでいただくとして、洋装でもっともフォーマルなのはワンピースではなくアンサンブルである、という認識に改めてください。
つまり洋装で本当にフォーマル度が高い順番に並べると
アンサンブル>ツーピース>パンツスーツ>ワンピース
が正解ということです。

ワンピースはおすすめしない

よって私は以下の理由でワンピースをおすすめしません。
・ジャケットがないのでフォーマル度が低い
・冬場は寒くオールシーズン使えない
・夏場でも葬儀式場の冷房は男性の装いに合わせているので、ジャケットがないと寒い

後述しているように、これから購入される方にはアンサンブルをおすすめします。

女性がお葬式で着ているのはアンサンブル

現在、お葬式の現場でもっとも着用率が高いのはアンサンブルです。
都市部ではアンサンブル9割、スーツ1割弱、和服1%くらいという印象でしょうか。
地方では和服の比率は少し高くなるかもしれません。

それぞれの長所短所

それぞれの長所短所を見てみましょう。

アンサンブル

〇女性らしく落ち着いた装いである
〇(年齢によって若干のデザインの違いはあるものの)世代を選ばない
〇多少の体型の変化があっても着られる
×汎用性がない(お葬式のときしか出番がない)

スーツ(ツーピースorパンツスーツ)

△汎用性がある(ブラックスーツがOKの職場ならインナー変えれば、パンツスーツはビジネスシーンで使える。学生さんなら就活にも使える)
×着こなし方によっては幼く見える
×体型の変化があると着られない

和服

〇日本人女性を上品に美しく見せる
×和服の管理と着付けが大変
×着慣れていないと体調を崩す場合も

それぞれくわしくこれから解説します。

アンサンブル

ではまずアンサンブルから見ていきましょう。

アンサンブルが選ばれる理由

アンサンブルの着用率が高いのは
前述したように
女性らしい落ち着いた装いで、世代を選ばない
からです。
またアンサンブルならインナーのコーディネートに悩むことなく、全身黒の装いが可能になります。

妊娠中や出産直後の方でも着られるタイプがあることから分かるように、体型を選ばないのもアンサンブルの良いところです。

デザインはベーシックなものを

お葬式の服は、使用頻度が低いので頻繁に買替えるのは経済的に大変です。
基本的にデザインに流行がないこともあり、長く使うのであればベーシックなデザインにしておいた方が無難です。
例えばジャケットについて、20代なら胸にリボンが付いたデザインでも全く問題ありませんが、これが30代以降になると徐々に厳しくなります。
(リボンが取り外せるタイプもあります)
同様の理由でボレロ風の短い丈のジャケットも避けた方が良いでしょう。
極力装飾をそぎ落としたシンプルなデザインのものをお勧めします。
またワンピースの胸元が見えやすい襟ぐりのゆるいデザインではないか注意してください。

おしゃれ意識の高い女性はどうしても何か足そうと工夫してしまいがちですが、お葬式の服装はミニマリズム(最小限)の美しさを目指すべきです。
お葬式の服装は「あら、素敵」と思われるのではなく、「あの人、どんな服装だったっけ?」と思われくらいが正解です。

またスカートについて、短すぎないように、というアドバイスが喪服系販売サイトに載っていますが、そもそもそんな極端なデザインは最初から作られていません。

サイズが大事

デザインにこだわることはやめて、サイズを気にしましょう。
・ワンピースのサイズは合っているか(葬儀は座っている時間が長いので、試着の時、一度イスに座って確認してください)
・ジャケットは肩がぴったりと収まっているか
を確認しましょう。
加齢による体型の大きな変化が起こってタイトになったら、買い替えておくのが無難でしょう。

価格と素材

女性のアンサンブルは別に安いものでかまいません
というよりも安くならざるを得ません。
なぜならほとんど全てが安い化学繊維(ポリエステル)の素材でできているからです。

男性の服装の場合、スーツ文化の延長線でポリエステル100%の1万円のものからウールのスーパー150位のオーダータイプで50万円以上のものまで本当にピンキリです。私はスーツにくわしいので、男性の礼服を見て、素材の良し悪し≒高いか安いかがはっきりわかります。

しかし女性のアンサンブルの場合は、ポリエステル100%がほとんどなので、素材の良し悪しは見た目はっきり言ってわかりません
売り場に並んでいるアンサンブルを見ていただければ分かりますが、パッと見てその服の金額を当てるのは至難の業です。
あまりに安すぎるものは心配ですが、1万円以上のものなら問題ないでしょう。

自然素材に比べて安価な化学繊維があらゆるラインナップに使われている事情ははっきりとは分かりません。
伊勢丹などの百貨店オンラインショップでは高額なアンサンブルを扱っていますが
ジャケット(BJ8102)|Jun ashida Multiblack|ジャケット の通販 | 伊勢丹オンラインストア
10万円台のアンサンブルでもポリエステル100%が主流で、まれにトリアセテートやレーヨンといった素材を少し混ぜている程度です。
個人的にはちょっと利益を取りすぎのような気もするのですが・・・

一方欧米のAmazonのサイトをBlack Dresses for Funeralというキーワードでのぞいてみると、もちろんポリエステル100%というのもあるのですが、コットンやウールやレーヨンなどの混合素材が多いようです。

おそらくこの理由は、男性はスーツ文化なのでそれなりの素材を使うのに対し、高温多湿で季節の変化のある日本の環境で、女性がお葬式のときだけ着るものと割り切るなら、ポリエステル100%の方が機能的だからなのかもしれません。

アンサンブル内でフォーマル度のランクはない

喪服系販売サイトによっては、アンサンブルの中にも、正礼装(正喪服)と準礼装(準喪服)と略礼装というフォーマル度の違いが3段階あると述べているところがあります。
しかし実際の日本国内の葬儀の現場ではそんな区別はありません。
我々プロの葬儀屋さんが見ても、アンサンブルのフォーマル度は識別できません。
おそらくフォーマルウェアのメーカーがより多くのアイテムを販売したいがために、他品種化を狙っているだけではないでしょうか。
真に受ける必要はないと思います。

夏専用はおすすめしない

基本的に1着でオールシーズンの着用を想定したものが多いのですが
夏専用というのもあります。
薄手の生地で作られていて、ジャケットはないことが多く(ワンピースのみ)、袖も短めのデザインです。
しかし夏用のものはおすすめしません。
なぜなら、
・現在のお葬式は葬儀会館で行われることが多く、夏の冷房の温度はジャケットを着た男性基準で設定されています。夏用だと温度調整ができないので、寒いと思います。
・マナーとして肌の露出はできるだけ控えた方が良いから
・オールシーズンと夏用2着そろえるのはお金がかかる。
以上の理由で夏専用はおすすめしません。

アンサンブルはAmazonで購入するのがおすすめ

ユニクロが、男性向けのお葬式で着られる服を出しているように、女性向けのお葬式用アンサンブルを出してくれればいいのですが・・・
お葬式で着られそうなレディースのブラックスーツはユニクロで販売されている(後述)のですが
アンサンブルは現在のところ(2018年11月)発売されていません。

そこでAmazonで購入されることをおすすめします。

紳士服量販店をすすめていた理由

かつて私は、紳士服量販店(たとえば洋服の青山やAOKI)などの店舗でアンサンブルを購入することを勧めていました。

日頃女性は足を運ぶ機会は少ないかもしれませんが、(実は私もセレクトショップ系で日頃は服を買うのでめったにいきませんが)
紳士服量販店には以下のメリットがありました。

  1. お葬式の服は急に必要になることが多いが、すぐに購入できる
  2. 近所に店舗があることが多いので実際に試着できる
  3. レディースのアンサンブルの品ぞろえが豊富
    (繰り返しになりますが、デザイン性ではなくサイジングが大事なので、一つのデザインに多くのサイズが用意されているのがうれしい。大きめな方のサイズもそろっています。)
  4. オーソドックスなデザインなので、対象者が若い人からお年を召した方まで幅広い。
    (主張しないあのデザインがお葬式では丁度良いのです)
  5. 靴・カバン・珠数などお葬式のアイテム一式を取りそろえていることが多い

Amazonでの購入をすすめるようになった理由

ただここ数年になって頼んだものが翌日届くAmazonプライムが定着し、品揃えも増え、プライムワードローブなど複数の服を試着してから購入できるネット販売の仕組みができてしまうと、紳士量販店の優位性が薄れてきてしまいました。

さらにAmazonの方が紳士服量販店より値段が安いというメリットがあります。
Amazonにおけるアンサンブルの中心価格帯は1万円~3万円くらいですが、紳士服量販店では3万円~6万円くらいです。

私は両者の商品を比較してみましたが、大きなクオリティの違いは感じられません。
ネットのアンサンブルも大手紳士量販店のアンサンブルも、素材はポリエステルで、縫製はベトナムやインドネシアの海外で行われているという点は共通しています。

紳士服量販店のアンサンブルが高いのは、原価がかかっているというよりも、ネットが使えなくて参列までの時間が迫っている人が買わざるを得ない状況で買っていくので、高い価格設定でも売れてしまうということが背景にあるのではないでしょうか。
そう考える根拠は
・紳士服量販店のA〇〇〇で買わずに帰ろうとすると、半額にしますと言われたことがある
・AOKIや洋服の青山は、Amazonで販売する際、値引き販売を行っていることが多い
・「洋服の青山」系列の若者向けのお店のスーツカンパニー(つまりネット購入ユーザーと競合している)では15,000円を中心価格帯にしている
の3点が挙げられます。
(じゃあネットじゃなくてスーツカンパニーで買うというのもアリなはずなのですが、店舗が少ないのと、デザインが20代向けというのがネック)

よってAmazonではなく、紳士服量販店などの店舗で買う優位性は、すぐその場で購入できるという点に限られてしまいます。
今日の夕方の通夜か、もしくは明日の午前中の葬儀に参列しなければいけない人、つまりネット通販で注文していては間に合わない人は、紳士服量販店などの店舗で購入すればよい(というかそうせざるを得ない)と思います。
そこまで緊急性のない方はAmazonでの購入をおすすめします。

この辺りの事情は、実際に紳士服量販店を見て回って書いたこの記事
スーツ量販店での喪服(アンサンブル)の購入をおすすめしない理由 | 考える葬儀屋さんのブログ
をお読みください。

ネットでのアンサンブルの買い方

というわけでAmazonプライムの会員の方はAmazonで購入することをお勧めします。
もちろん楽天やYahoo!ショッピングでも良いのですが、時間が無い状況で購入するケースが多いことを考えると、配達システムが洗練されているAmazonが安心です。
Amazonプライム会員なら、よほど夜遅い発注でない限り、翌日届きます。

さて実際購入する場合、参列まで時間的余裕がない状況での発注となりますので
安全策として、サイズ違いやデザイン違いで複数のアンサンブルを取り寄せて、似合うもの以外は返品という方法が現実的です。
ワンピース+ジャケットのアンサンブルは、パンツスーツやツーピースほどウエストやヒップのサイジングの正確性が求められないので、サイズが合わせやすいと思います。

通常のAmazonPrimeでの注文とプライムワードローブの違い

さてAmazonの購入方法にも、通常の購入をしてから返品と、プライムワードローブを使う、という2つの方法があります。
違いを一覧表にしてみました。

プライム会員ならどちらを使っても良いのですが、先に代金が引き落とされても構わないなら、プライムワードローブではなく、通常の購入+返品という方法をおすすめします。
郵送点数の制限もないし、返品期日に余裕があるからです。

プライム
ワードローブ
通常の購入

返品
アイテム数 プライムワードローブ対象商品に限られるので比較的限定される 限定されない
郵送点数 8点以下
3点以上
1点から
到着日 Amazonプライム会員なら
原則翌日
支払い 返品が完了した段階で、購入分を引き落とし 送られた段階で全て引き落とし。返品した分は、後日払い戻し
返品期日 7日以内 30日以内
サイズの合わない
商品の扱い
返品無料。返品が前提なので、最初から専用の伝票がついてくるので楽。 返品無料
商品は、伝票を印刷して着払いで送り返す。
(送料無料のみの商品は返品の場合、送料がかかるので注意)

参考までにAmazonのプライムワードローブの対象となっている「AOKI」の商品で、装飾のないシンプルなジャケットタイプのアンサンブルがあったのでリンクを貼っておきます。

またAmazonのアンサンブルの価格は在庫量やモデルチェンジのタイミングによって価格が変動しているようです。
もしアンサンブルに2万円以上の値段がついていたら、割高になっている可能性があります。
2万円以下の別の商品をお探しになることをおすすめします。
(ただし1万円以下のものはおすすめしません。)

お葬式にふさわしい靴にもプライムワードローブの対象のものがあります。

Amazonプライム会員の方はお試しになってみてください。

追記:実際にAmazonでアンサンブルを購入した体験記です。
Amazonで喪服(アンサンブル)を買いました | 考える葬儀屋さんのブログ

参考までにAmazonでのアンサンブルと小物の売り上げランキングの記事を書きました。
お葬式のアンサンブルと小物の人気ランキング | 考える葬儀屋さんのブログ

喪服のレンタルはおすすめしない

さて購入するのではなく喪服のレンタルという方法はどうでしょうか。

アンサンブルなど用意する服装は何であれ、貸衣装屋さんからレンタルするのはおすすめしません。
理由は以下の2つです。

レンタルは割高

昔は貸衣装屋さんが店舗を出して営業していたのですが、葬儀の小規模化によって次々に閉店しています。
そこで現在はネット上で運営している貸衣装屋さんにお願いすることになります。
例えばアンサンブルのレンタルをネット系の貸衣装屋さんに頼むとすると、最安値でも5,000円からです。

レンタル衣装を取り扱っている葬儀屋さんにお願いすると10,000円ほどかかります。

前述したようにアンサンブルの相場は、大体10,000円~20,000円ほどなので、クリーニング代を考慮しても、レンタル2回分で1着が買えてしまいます。
今後何度も着ることになるでしょうから、長期的には買った方が得ですよね。
購入する時間のある方は事前に買っておきましょう。

Amazonで代替できる

お葬式の知らせは急に入ります。
ネット系の貸衣装屋さんに頼んでも、届くのは翌日です。
号数を指定してもメーカーによってサイズが微妙に違いますから、届いたとしても合わない危険性があります。
それなら前述したようにAmazonのワードローブというサービス(違う複数サイズの喪服を郵送してもらって、サイズの合わない服だけ後日送り返す)を使って購入した方がお得で便利です。

以上の理由から喪服のレンタルはおすすめしません。

 スーツ(ツーピースorパンツスーツ)はユニクロがおすすめ

まだお葬式に行く頻度は低いし、服にかける予算も節約したいという10代~20代の方ならスーツスタイルという選択肢もありでしょう。
職場のドレスコードでブラックスーツがOKなら仕事着として使えるというメリットもあります。
また2005年くらいからリクルートスーツが黒一色になってしまったので、学生の方なら後々就職活動に使えるでしょう。

レディースのスーツスタイルならユニクロがおすすめ

スーツスタイルなら男性と同じくユニクロのオーダーをおすすめします。
安くて品質が良いうえに幅広いサイズが選べます。

セットアップで黒の2つボタンジャケット+パンツorスカートという組み合わせがベストです。
ユニクロオーダージャケットのページ
ユニクロのパンツのページ
ユニクロのスカートのページ

ジャケット9,990円+パンツ3,990円+パンツお直し料280円+消費税1,140円=15,400円です。

購入方法(サンプルを着て店員が採寸)はほとんど男性と変わりませんので、以前書いたこちらの記事を参考にしてください。
男性のお葬式の服(礼服・喪服)はユニクロがおすすめ! | 考える葬儀屋さんのブログ
ユニクロにお葬式の服を買いに行ってみた | 考える葬儀屋さんのブログ

ちなみにジャケットはフォーマル感を考えるならショートやミドルよりもロング丈が良いと思います。
同様に1つボタンより2つボタンの方が良いでしょう。

次にパンツとスカートどちらが良いかという問題です.
前述したようにフォーマル度はパンツよりスカートの方がやや上のはずなのですが、
実際お葬式の現場にスーツスタイルで参列する方はほとんどパンツです。

申し訳ないのですが、はっきりとこれという理由は分かりません。
ただ想像するに
・スーツスタイルでスカートにするのなら、最初からアンサンブルでいい、とお考えの方が多い
・もしくは2000年以降就活ルックが黒のジャケット+スカートになってしまったので、パンツルックにしないと学生っぽくみえてしまうため、
という理由によるものではないでしょうか。

もしスカートを選ぶなら、ロングのフレアタイプを選んでください。

それからユニクロ以外の既製品のスーツを購入される方へ
ぴったりのものがあれば良いのですが、もしサイズで迷ったら、(程度問題ですが)タイトではなくルーズな方をおすすめします。
タイトすぎると少しモード感がでてしまいます。どちらかというとルーズな方がお葬式の場には似つかわしいです。

余談ですが以前私が担当するお葬式に、某高級メゾン系の店員さんの集団が参列されたことがありました。
みなさん、お葬式の着こなしのルールを逸脱しているわけではなく、ピッタリなサイジングをはじめ完璧な装いだったのですが、スタイリッシュ過ぎてお葬式の場では浮いていました。
凡庸が正解というお葬式の装いの難しいところです。

インナーは黒で

さてスーツスタイルの場合、
男性はジャケットの下は白いシャツですが、女性の場合は黒ネクタイをしないので白シャツは合いません。
インナーには黒いブラウスか、黒いカットソーを着ると良いでしょう。

和服(喪服)は無理に着なくてよい

喪服というと
女性のお葬式全般の服を指す場合と、和服のみを指す場合があってややこしいのが現状です。
おそらく戦前は喪服と言えばほとんど和服だったからでしょう。

先程述べたように都市部では和服で参列する人はめずらしいです。
喪主さんがご年配の女性の場合に着用しているのをたまに目にするくらいです。

着る人が少ない理由
・そもそも持っていない
・着付けができない(葬儀屋さんに頼めば着付けの人を1回1万円程度で紹介してもらえますが、手間と時間がかかる)
・髪型をアップしないといけない
・日本人のフォーマルスタイルとはいえ、着ている人が少ないので目立つ
・普段着物を着慣れていないのに無理に着ると体調を崩す
(お葬式は実際座っている時間が長いので、立った場合を想定したきつめの帯の締め方をしてしまうと気分が悪くなることがある)
という理由です。

多分今では、家紋が入っている喪服を持っているようなレベルの人以外は着ないでしょう。
ちなみに関東では嫁ぐと嫁ぎ先の家紋に変わるのですが、関西では女性が嫁ぐとき、母方の家紋を持ったまま嫁ぐ母系の仕組みのところが多いです。
当然関西の方が家紋にたいするこだわりが(かつては)強かったようです。

着る人が少ないということと、既に持っている人は知識が豊富なのでそもそもネットで調べたりしないだろうということで、
黒無地で染め抜き五つ紋付が正式で・・・みたいな専門的な話は以下省きます。

ちなみに葬儀屋さんにお願いすれば2万円くらいでレンタルできますが、現在の都市部のお葬式の場合、そうまでして着る必然性はありません。

その他の女性のお葬式アイテムについて

服以外のアイテムについてそれぞれ解説していきます。

色は当然黒で、装飾を極力省いたシンプルな物を。
かかとは3㎝~5㎝前後のあまり高くないパンプスが無難でしょう。
ピンヒール(尖ったかかと)もおすすめしません。
身に付ける物の中でも特に靴は実際に履いてから、買うべきです。
前述した紳士服量販店で、アンサンブルと一緒に売っています。

靴やハンドバッグに関しては、よくテレビに出てくるインチキマナー講師が
「お葬式では殺生をイメージさせる革製品ではなく布製品のものを」などと言っていますが、これは間違っています。
現在のお葬式では料理に肉や魚がでてきます。
いわゆる精進料理のみというケースはほとんどありません。
革を使っているから殺生うんぬんという考え方は不要です。

むしろだいの大人が安っぽい布製品を身にまとっているほうが問題です。
それでも気になる人は合皮製にしましょう。
またいないとは思いますが、光沢のあるエナメル素材や、牛革のスムースレザー以外の革(スェードなどの起毛系やエキゾチックレザー)のものはやめてください。

ストッキング

ストッキングは黒の無地を着用してください。
いないとは思いますが、粗いタイツはだめです。
私のサイトを読まれている方は
↓こちらの商品を購入されている方が多いです。

ハンカチ

ハンカチは黒か白の無地で。素材はシルクやリネンでもかまいませんが光沢が強い場合があるので、コットンが無難です。
なにより安いですし。

ハンドバッグ

素材に関しては靴の項で申し上げたことを参考にしてください。
すでに黒の革のバッグをお持ちでしたらそのまま使ってください。
テレビの受け売りをして「本革はダメ」という口うるさいひとが周囲にいるのなら、布製や合皮のバッグを買いましょう。
布製や合皮の方が安いというメリットもあります。
光沢の強い化学繊維は避けてください。

コート

また冬場はコートや手袋も落ち着いた色味のものを着用していきましょう。

黒ならベストですが、なければ紺やグレーなどが好ましいです。
当然葬儀会場の入口付近もしくは受付の前に脱いでおくわけですが、緊張して着たまま受付を行う人がたまにいるので注意してください。

毛皮のコートは殺生をイメージさせるので禁止とわざわざ書いているサイトや書籍が多いのですが、この20年間、毛皮を着てきた人を一度も見たことがありません。

ここだけの話、コートは受付前で脱いでしまって、あなたが参列者ならずっと小脇に抱えて、遺族なら親族控室のハンガーにかけておくので、
仮に上質な物でなくても、それがまわりにバレてしまう可能性は低いです。

アクセサリー

真珠は二重巻きにしてはいけない、不幸を重ねることにつながるから、などということが言われますが、今は気にしている人はほとんどいないでしょう。
真珠は涙を表すのでお葬式に付けていく、と述べているサイトもありますが、真珠販売店のセールストークだとおもいます。
装飾品が華美かそうでないかの判断は受け手に委ねられてしまうので、結婚指輪以外装飾品は無理につけていく必要はないでしょう。
装飾品を付けていないから無礼だと言うはいません

時計

時計に関してはこのページをどうぞ
お葬式のときに身につける時計の話 | 考える葬儀屋さんのブログ

お化粧

ナチュラルメイクでお願いします。

髪型

焼香のとき前屈みになりますので、ちゃんとまとめた髪型をおすすめします。

ネイル対策に手袋は無効

派手なネイルをしているときは、黒っぽい(欧米の教会参列者がしているような)手袋の着用を勧めているサイトもあります。

私の経験上、仏式の参列者で葬儀用黒手袋をしている女性はこの20年間で数名くらいしか見たことがありません。
そもそも仏式の焼香の時は抹香をつかむとき、手袋は外さないといけません。
抹香で手袋が汚れますし、繊維についた抹香をそこらじゅうにまき散らすことになります。
そもそも黒手袋は欧米の教会葬での献花を想定して作られていますから、仏式で使うのは無理があるでしょう。
よって手袋による対策は、献花(無宗教やキリスト教スタイルでお花を供える)のときのみ有効です。

結局焼香の際は、遺族に一番近い場所で手元をさらすことになります。
あまりにも派手なネイルをしているときは、残念ですが落とすしかないでしょう。
(派手なネイルの上から貼って普通の爪に見せるネイルシールがありました。)

ただし私は使ったことがないのでどこまで効果があるかどうかは不明です。
もしお使いになった方がいらっしゃったら感想をお聞きしたいです。

数珠(じゅず)

数珠に関してはこちらのページをどうぞ
葬儀屋さんが数珠(じゅず)をAmazonで買ってみた | 考える葬儀屋さんのブログ

袱紗(ふくさ)

袱紗は香典を包んでおく、お盆の付いた風呂敷みたいなものです。
1,500円程度で買えて、持っていると「分かっている人」に見えるので、おすすめです。
袱紗に関してはこちらのページをどうぞ。
葬儀屋さんが教える実践的な香典のマナー | 考える葬儀屋さんのブログ

通夜と告別式と法事で着る服は変わらない

通夜と告別式と法事で着る服は変わりません。

通夜は平服でもいい、と書いているマナー本もありますが、実際お通夜に平服で参列する人は100人に1人もいません。
それに男性の場合なら、地味な色のスーツという選択肢がありますが、女性の場合はなにをもって「通夜の平服」とするかの判断が困難です。

通夜には平服で参列しないと失礼、という地方もあるそうですが(通夜に喪服でかけつけると亡くなるのを準備していたと解釈されるかららしいです)
そもそもそういう地方の場合、一般参列者は通夜ではなく翌日の葬儀・告別式に参列するのが原則になっているはずです。
また喪主の女性は、通夜にアンサンブル、お葬式に和服という地域もあるそうですが、参列する人は全く気にする必要はありません。

後日行われる法事(四十九日法要、一周忌、三回忌・・・)のときもお葬式と同じ服装だと考えてください。

例外的にホテルで行われるお別れ会の案内状に「平服でお越し下さい」と書かれている場合だけ、紺やグレーの色でジャケット着用の参列が可能でしょう。

宗教によって着る服は変わらない

同様にお葬式がどの宗教形式で行われていようが、着る服は変わりません。
仏教だろうがキリスト教だろうが神道だろうがドレスコードは一緒です。

遺族か親族か参列者かによって着る服は変わらない

とある喪服の販売サイトに遺族はよりフォーマルなものを着るべき、などと書いてあったので一応言及しておきます。
現代では遺族・親族・参列者という立場によって着る服は変わりません。
喪主がアンサンブルを着ていて、年配の参列者が和服を着ているというケースは珍しくありません。葬儀に参列したときはアンサンブルを着ていったけど、今回は親族として参列するから和服を着なきゃ、など考える必要はありません。実際遺族親族と参列者が式場内で混在している状況の際、誰が遺族で誰が参列者かは葬儀屋さんでも識別できません。

勤め先からかけつけて喪服に着替える場所はある?

お葬式が行われているのが葬儀会館なら、通常は遺族控室や更衣室が用意されています。
お葬式の受付が始まるよりずっと前に到着する遺族親族ならそのスペースを余裕を持って使うことができるでしょう。

しかし一般の参列者の場合、葬儀会館の玄関を入ったら目の前はすぐお葬式の受付、というシチュエーションだと思います。
そこにノコノコ私服で現れて、葬儀社スタッフを探して「更衣室はどこ?」と聞くのはちょっと厳しいです。
葬儀会館に電話を入れて相談してみてください。
正面玄関以外の入口があればそこから案内してくれるかもしれません。

以上です。

葬儀マナーの関連ページ

参列に際して情報を集めている方は下記の記事を参考にしてください。
お葬式マナーのまとめページ
弔電の安くて効果的な送り方を葬儀屋さんが教えます
葬儀屋さんが教える葬儀の受付のマナー | 考える葬儀屋さんのブログ
お葬式で使ってはいけない言葉
「ご冥福を祈る」の意味と正しい使い方
「お悔やみ申し上げます」の意味と正しい使い方
「哀悼の意を表します」の意味と正しい使い方
葬儀の挨拶について
通夜の時間ついて
弔辞について











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